第5話 また、ひとり。

大学2年生。

人生が横転した。

俺は天涯孤独。

どっかに『祖父母』というのがいるかもしれない。ついでにどっかに『父親』もいるはずだ。生きていれば。

体調が悪いことは、しばらく前から知っていた。

「病院、行けよ」

「行くよ。そのうち」

俺の言う事聞かないで。

ああ、聞かないだろうな。

わかっていたけどな。

白い病室は俺にも、アンタにも似合わない。

色が氾濫する、物が氾濫する、家に帰ろうぜ。

帰ろうぜ。

帰ろうぜ。

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