インプット

勝利だギューちゃん

第1話


疲れた僕は、ベットに倒れこんだ。


「今日も疲れたな」

一日が濃い・・・

濃すぎる・・・


部屋には、ベットと小さめのテーブルしかない。

テレビは、置いてない。

ノートパソコンはある。


そして、その横に買ってきた弁当を置いた・・・


1人暮らしを初めて数か月・・・

する前は、毎日自炊をすると決めていたが、そんな体力はない。

なので、お持ち帰り弁当が主になる。


コンビニ弁当は、体に悪いので食さない。

近くに、お持ち帰りの弁当屋さんがあって、幸運に思う。


今日もそのお店で、買い物をした。


「から揚げ弁当を」

「今日も、から揚げですか?」


店員さんに、覚えられてる。


「じゃあ、エビフリャー弁当」

「三日前それでしたね」

「じゃあ、のり弁」

「四日前は、それでした」

「じゃあ、幕の内」


なかなか、GOサインを出してくれない。

他の客に迷惑がかかる・・・


「この時間、あなたしかお客さんは来ません」

「そうなんですか?」

「ええ。なのでどうしても、インプットされます」


そこは、アウトピットして欲しい。


「自分の体なんですから、もっとバランスよく食べて下さい」

余計なお世話だ。


この店員は、まだ20代前半かと思うが。世話女房になりそうだ。

できればだけど・・・


「何か言いました?」

「いえ、仕事熱心だなと・・・」

「わかればよろしい」


なんなんだ?

早く帰って休みたいのに・・・


「じゃあ、私が作ります。言って下さい」

本当か?


「言ったら何でも作ってくれるの?」

「それは無理」

じゃあ。訊かないでほしい。


「じゃあ、お姉さんの心のこもった愛情弁当を」

「わかりました。はい」


お弁当を渡される。

お店の弁当ではない。


「中身は何?」

「帰ってからのお楽しみです」


仕方なく開けた。


弁当箱がある。

当たり前だけど・・・

ふたつある。


中身は・・・

おむすびがひとつ・・・


炭水化物は取り過ぎるなということか・・・


後は、ハンバーグとタコさんウィンナー、卵焼きがあった。


もうひとつには、野菜がぎっしり。

トマトはあるが、きゅうりはなかった。

人参、ピーマン、ナス・・・


「あの人、いつ作ったんだ?」


まあいい。

食べてみる。


想像を超えた。

悪い意味で・・・


そして、メモがあった。

見てみる。


「これは。アンケート?」

お弁当に対するアンケートがあった。


1:料理は美味しかったですか?


  NO


2:栄養バランスは、どうでしたか?


  考えてくれています。


などなど、10項目あった。


面倒臭いが、答えておいた。


最後にこう書いてあった。


「毎日作ってあげたいです。」


こったいたずらだな・・・


そう思い、次の日に彼女にメモを渡した。

お弁当箱は、洗って・・・


そして、それが数年後に現実となる。


「あなた、お弁当。行ってらっしゃい」

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インプット 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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