ロゼさん

「お、今日はかわい子ちゃんも連れてきてるのか」


 そう話した女性は腰まで伸びたウェーブのかかった赤い髪と白シャツのコントラストが印象的で、引き締まった脚にデニムパンツがよく似合っていた。


 こっちを見てウィンクをした。綺麗な人のウィンクは同性でもドキドキしちゃう。


「またそういう言い方を……」


「良いじゃないか!褒めてるんだからな」


「まぁそうだけどな……」


 ネロさんの言葉に被せるように弁明をした。言い負かされているネロさんを見たのは初めてで、面白かった。どうやら、ぐいぐいくる女性に弱そうだ。


「あたしはロゼって言うんだ。よろしくな!」


「よろしくお願いします……」


 確かにロゼさんを前にすると言い様のない圧があるかも。


「名前の通り激しいだろ」


「うっ、いえそんなことは」


 ネロさんが感想を言い放ったが、そうですねなんて失礼で言えない。思わず変なうめき声が出てしまった。


「ははっ正直だな!大丈夫だよそんな事で怒りはしないさ」


「うっ、って言ってたね」


 魔法使いさんまで加わって私のうめき声を笑いあっていた。うぅ恥ずかしい……。


「そろそろ止めてあげよう。顔が赤くなってきたよ。ふふふっ」


「魔法使いさんも笑ってるじゃないですか!」


「いや〜〜、正直だな可愛いな〜〜って思ってね」


「かわっっ」


 私はさらに気恥ずかしくなって口をはくはくさせた。


「お二人さん仲が良いのはいい事だが、お茶を飲まないか?私自ら入れてあげよう」


「はい!飲みます!」


 ロゼさんの一声に有難く縋ることにした。


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