第20話:始まり

【邪神の谷の神殿】


【マイア・バルキーニ】

「ふふふ、ついに、ついに手に入れた!パイソンの腕輪!」


私はついに手に入れた。これがあれば邪神パイソンの復活と邪神の軍隊を手に入れることができる


【マイア・バルキーニ】

「けど、お姉様に黙って行動したからなぁ、腕輪のことを知ったら、面倒ね。」


私は腕輪を手に入れたことで、野心が芽生え始めた


【マイア・バルキーニ】

「ふふふ、お姉様を出し抜いて、私が先に邪神を復活させる。悪くないわね♪」


私はお姉様に報告せずにすぐさま、ある場所へ向かった


【マイア・バルキーニ】

「久しぶりに来たわ、ここ(封印の間)に。」


私は封印の間に来ていた。ここは邪神復活の儀式を行う場所であり、中央に穴がある。そこはパイソンの腕輪と同じ形をしている


【マイア・バルキーニ】

「この穴にパイソンの腕輪を入れれば、邪神は復活する!」


私はパイソンの腕輪を入れようとした


【ベーカル・バルキーニ】

「何をしているのかしら、マイア?」


後ろを振り向くとベーカルお姉様が立っていた


【マイア・バルキーニ】

「お姉様、いかがされたのですか?このような所まで?」


なぜお姉様がここに!お姉様もここには滅多に来ないはずなのに!


【ベーカル・バルキーニ】

「決まってるでしょ?マイア、貴方が持っているパイソンの腕輪のことよ。」


くっ、気付いていたのか


【ベーカル・バルキーニ】

「貴方って、昔からちゃっかりしている所があるから、私に黙って行動し、貴方のことだから絶対にここにいると思ったのよ。」


お姉様はゆっくりと私の前に歩いてきた。私は内心、緊張がガチガチだった


【ベーカル・バルキーニ】

「私の可愛い妹よ。私は下らないことで姉妹喧嘩なんかしたくないのよ。さぁ、腕輪をお寄越し。」


お姉様は腕輪を寄越すよう催促してきた


【ベーカル・バルキーニ】

「どうしたのかしら?マイア、さぁ、お寄越し・・・・さぁ!」


【マイア・バルキーニ】

「・・・・分かりました。」


私は素直に腕輪を渡した


【ベーカル・バルキーニ】

「いい娘ね、さすがは私の妹。」


お姉様は私に近づき、耳元で・・・


【ベーカル・バルキーニ】

「次はないわよ。」


くっ、もう少しだったのに・・・


【ベーカル・バルキーニ】

「ふふふ、ついに、この時がきた。」


私はマイアから貰ったパイソンの腕輪を中央の穴に入れた。すると、封印の間が金色に輝き、神殿に明かりが灯された


【ベーカル・バルキーニ】

「ついに、邪神の復活が始まったのだ!ハハハハハハハハ!」


その頃、ユウナたちは神殿の中に入っていた。こんにちは、ユウナ・アスファルトです。パイソンの腕輪を奪われ、私の心は意気消沈です


【ヒミコ・イマール】

「申し訳ありません。ユウナ様、また遅れをとってしまって。」


【ユウキ・イマール】

「ユウナ様、すいませんでした。」


【アラン・レクサス】

「申し訳ない。」


【ユウナ・アスファルト】

「いいんですよ。油断した私も悪いんだし。」


私たちは互いに庇い合いながら先へ進んでいましたが、通路の中は湿気があってジメジメしてます


【ユウナ・アスファルト】

「くぅ、暗くてジメジメしてるわね。」


私は明かりの魔法を使い、通路を歩いていると・・・・


【ユウナ・アスファルト】

「なっ、何!」


通路に明かりが灯され、壁も金色に輝いている


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、これって、まさか!」


【ユウナ・アスファルト】

「とうとう、きたのね。」


邪神復活の時がきたのだ


【とある高原】


遠征軍は邪神の谷に向けて、進軍していた。そこに黒い巨大な影が地面を這ってきた


【大将軍】

「全軍、止まれ!」


大将軍の号令で進軍を停止し、全軍の目の前の黒い巨大な影を見続けた


【大将軍】

「始まるぞ、邪神との戦いが。」


大将軍の一言が影響してか、全軍に伝わった。全軍の顔は恐怖と興奮が入り交じっていた


【大将軍】

「全軍、邪神の軍隊が来るぞ!備えよ!」


【全軍】

「オオオオオオオオオオオオ!」


大将軍の号令の下で全軍は陣形を整えた


【邪神の谷の神殿】


私たちは出口を目指して、歩いていると前方に光が見えた


【ユウナ・アスファルト】

「あれが出口ね。」


私たちは出口を通りすぎると、そこは城の広間ほどの大きさの部屋があり、所々に骸骨兵士の銅像があり、不気味だった


【ヒミコ・イマール】

「何だか気味が悪い。」


【ユウキ・イマール】

「何だ、姉ちゃん、ビビってるのか!」


【ヒミコ・イマール】

「何よ!ビビって悪いの!もうここは敵の本拠地よ。この先、何があるか分からないじゃない。」


【ユウキ・イマール】

「別に悪いとはいってねえよ。姉ちゃんがビビるってことはマジでヤバいんだろうな。」


【アラン・レクサス】

「二人とも静かにしろ。ここは敵の本拠地だ。」


【ユウナ・アスファルト】

「とりあえず下に降りましょう。」


私たちが階段を降り、向かい合う骸骨兵士の像を通りすぎると・・・・


【ユウナ・アスファルト】

「きゃあ!」


【ヒミコ・イマール】

「きゃあ!」


【ユウキ・イマール】

「ぐっ!」


【アラン・レクサス】

「うっ!」


私たちの周りに突然、黒い煙が発生し、私たちの体から何かが抜き取られた感触がした


【ユウナ・アスファルト】

「な、何?」


私たちは先程の黒い煙に何かされたと思い、調べるが特に何もなかった


【ヒミコ・イマール】

「とりあえずここが、どこか調べます。」


ヒミコ様が場所探知の魔法を唱えるが・・・・


【ヒミコ・イマール】

「あれ?」


【ユウキ・イマール】

「おい、姉ちゃん、何してんだよ。」


【ヒミコ・イマール】

「なんでよ、魔法が発動しないのよ。」


【アラン・レクサス】

「何!」


ヒミコさんの言動に、私も試しに簡単な魔法を唱えたが・・・・


【ユウナ・アスファルト】

「あれ、おかしい。魔法が発動しない!」


【ユウキ・イマール】

「えぇっ!じゃあ俺も!」


【アラン・レクサス】

「俺も。」


ユウキさんとアランさんも魔法を唱えたが発動できなかった


【ユウナ・アスファルト】

「まさか、さっきの黒い煙が私たちの魔力を奪ったということ!」


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様の言う通りなら、私たち全員、魔力を奪われ、魔法が使えなくなったってこと!」


【ユウキ・イマール】

「こりゃ、いきなり万事休すな事態だな。」


【アラン・レクサス】

「つまり、人として邪神と戦えと言うことか。」


私たちは魔法を奪われた、いきなりピンチな状態にいます。最悪です


【ユウナ・アスファルト】

「神器は出せるかな。」


私は試しに念じると【マリーの神槍】を出すことができた


【ユウナ・アスファルト】

「良かった!マリー様の神槍は使えるわ!」


【アラン・レクサス】

「とりあえず、みんな持ってるものを出せ。」


持ち物


・ユウナ・アスファルト

「マリーの神槍、手裏剣、投げナイフ、携帯食、水筒、血止め薬、包帯、ロープ等」


・ヒミコ・イマール

「ロングソード、投げナイフ、手裏剣、携帯食、水筒、血止め薬、包帯、ロープ等」


・ユウキ・イマール

「ロングソード、投げナイフ、手裏剣、携帯食、水筒、ダイナマイト(アガサの発明品)、防水マッチ(アガサの発明品)、ガス弾(アガサの発明品)、携帯式吹き矢(アガサの発明品)、血止め薬、包帯、ロープ等」


・アラン・レクサス

「双剣、投げナイフ、手裏剣、携帯食、水筒、血止め薬、包帯、ロープ等」


【ユウナ・アスファルト】

「とりあえず今あるもので対処していくしかありませんね。」


【ユウキ・イマール】

「ええ、亡きアガサの爺さんの4つの発明品もありますしね。黒頭巾の頭の動きを封じた吹き矢も役立ちましたからね。」


【ユウナ・アスファルト】

「ええ、吹き矢は本当に役に立ちました。アガサさんのおかげです。」


自分たちの装備の他に、亡きアガサさんの発明品に頼るしかありません


【ユウナ・アスファルト】

「さあ、行きましょう!」


私たちは神殿の奥へと進んだ












  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る