第18話:7日目

おはようございます。ユウナ・アスファルトです。私たちは加速魔法を使い、全速力で邪神の谷に向かっています


【ユウナ・アスファルト】

「はっ、はっ、はっ。」


私たちはなんでこんなことしなきゃいけないんだ!世界を救うのは分かるが、元を正せばアルファルドの失態が原因でこうなってしまったんだ。この一件が終わったら、完全にアルファルドの野郎と縁を切ってやる!


【ユウナ・アスファルト】

「ちくしょう。あの野郎!」


私はアルファルドへの嫌悪感を抱えたまま、邪神の谷の入り口に入った


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、朝日が出始めました!」


朝日が出始めたのか、くそ!


【ユウキ・イマール】

「ユウナ様、邪神の谷の神殿ってあれじゃないですか!」


前方には神殿があった。あそこに入れば・・・


【アラン・レクサス】

「ヤバい、朝日が出てきた。」


もう朝日が出たのか、もうやけくそだ!


【ユウナ・アスファルト】

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


他の3人を置いて、私は無我夢中で走り続けた。後ろから陽の光が迫る。間に合え!神殿の入り口発見!


【ユウナ・アスファルト】

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


私はジャンプし神殿の入り口に入った。その後に陽の光が近くに迫っていた


【ユウナ・アスファルト】

「ぐうううううう。」


私は勢いあまって寝転んでしまった、陽の光は私が寝転んだと同時に入ってきた


【ユウナ・アスファルト】

「はぁ、はぁ、はぁ、間に合ったのか?」


私は呼吸を整えていた。すると私は右腕にある感触が無くなっていた。ふと私は右腕を見た


【ユウナ・アスファルト】

「パイソンの腕輪がない。」


私は辺りを見渡すとパイソンの腕輪は神殿の入り口に落ちていたのである。


【ユウナ・アスファルト】

「そういえばアルファルド様はどうなったのかしら?」


【クリミナス帝国の城内】


【アルファルド・クリミナス】

「んん、ん、ここは?」


【侍医】

「おぉ、陛下、お目覚めになられましたか!ウルスラ殿下と大臣たちに伝えるのだ!」


【兵士】

「はっ!」


【アルファルド・クリミナス】

「侍医よ、私はどれくらい寝ていたんだ。」


【侍医】

「今日で7日目です。」


【アルファルド・クリミナス】

「7日、そんなに寝ていたのか。」


【侍医】

「はい!」


【アルファルド・クリミナス】

「そうだ、遠征軍はどうなった!ユウナたちはどうした!」


【侍医】

「陛下?どうか落ち着いてください。聖女様は陛下が賊の呪いにかかれた後にすぐに旅立ち、遠征軍は3日目に出発しました。」


【アルファルド・クリミナス】

「そうか。」


【侍医】

「陛下がお目覚めになられたということは、聖女様が邪神の谷に到着したのでしょう。」


【アルファルド・クリミナス】

「そうか、ユウナが私のために。」


【侍医】

「はい!」


【アルファルド・クリミナス】

「益々、惚れ直した!ユウナが凱旋した暁には正式に私の妻にしてやろう!」


【侍医】

「はい?陛下、今、何と仰せられました?」


【アルファルド・クリミナス】

「私の妻にすると言ったのだ!私のために必死になるのは私を愛しているからだろ!」


【侍医】

「陛下、何を言っているのですか?」


バタッ


【ウルスラ・クリミナス】

「兄上が目覚められたのは本当か!」


【アルファルド・クリミナス】

「ウルスラ、私が眠っている間に苦労かけたな。」


【ウルスラ・クリミナス】

「兄上が目覚められたということはユウナが邪神の谷に到着したということですね!」


【大臣A&B&C&D】

「陛下、よくぞご無事で!」


【アルファルド・クリミナス】

「それで私は、ユウナが凱旋した暁にはユウナを正式に妻にしようと思う!先程、侍医にも同じことを伝えていたのだ!」


【ウルスラ・クリミナス】

「はっ?」


【大臣A&B&C&D】

「何ですと。」


【アルファルド・クリミナス】

「何だ?なぜ侍医と同じ反応するんだ!私は決めたんだぞ!」


【ウルスラ・クリミナス】

「兄上。」


【アルファルド・クリミナス】

「何だ?ウルスラ。」


【ウルスラ・クリミナス】

「兄上には今日限りで皇帝の座を退いていただきます。」


【アルファルド・クリミナス】

「何だと!ウルスラ、私を裏切る気か!」


【ウルスラ・クリミナス】

「兄上、ユウナ一行と遠征軍が頑張っている時に、何をほざいているのですか!」


【アルファルド・クリミナス】

「私はただ、ユウナを妻に・・・」


【ウルスラ・クリミナス】

「元を正せば、兄上の失態が原因でこうなってしまったのではありませんか!このまま兄上が皇帝として君臨すればクリミナス帝国は滅びます!」


【大臣A&B&C&D】

「ウルスラ殿下のおっしゃる通りです。陛下、クリミナス帝国のために、どうかご退位を!」


【アルファルド・クリミナス】

「お前たちも裏切るのか!」


【ウルスラ・クリミナス】

「兄上、貴方には隠居謹慎に致します。その方がユウナの心も晴れるでしょう!」


【アルファルド・クリミナス】

「いや、まて、私は病み上がりなんだ。」


【ウルスラ・クリミナス】

「ご心配には及びません。隠居所にて、ゆっくりとご静養してもらいます。衛兵、連れていけ!」


兵士たちに命じて、兄上を捕獲した


【アルファルド・クリミナス】

「離せ!お前たち、私は皇帝だぞ!」


【兵士】

「我等の皇帝陛下はウルスラ・クリミナス様に決まりました。ご隠居様は大人しくしていてくだされ!」


【アルファルド・クリミナス】

「まて、私は隠居したくない!ユウナと結婚したい!皇帝でいたいんだ!離せ!」


その後、アルファルド・クリミナスは正式(強引)に退位し、隠居所にて寂しい隠居謹慎生活が送るのである。もちろん、ユウナとの結婚もできなくなった


【ウルスラ・クリミナス】

「皆の者、兄上の隠居により私は皇帝に即位する。心を1つにし邪神討伐に邁進いたす。」


【大臣A&B&C&D】

「皇帝陛下!万歳、万歳、万々歳!」


【兵士たち】

「皇帝陛下!万歳、万歳、万々歳!」


後にウルスラ・クリミナスは名君としてクリミナス帝国中興の祖として歴史に名を残した。一方、アルファルド・クリミナスは20歳で即位し僅か数ヶ月で隠居し、21歳の若さで誰にも知られることなく隠居所にて1人寂しく亡くなった


【邪神の谷の神殿】


【ユウナ・アスファルト】

「そうだ、パイソンの腕輪を何とかしないと!」


私は立ちあがろうとした瞬間・・・


【マイア・バルキーニ】

「ありがとう、聖女様、わざわざ届けてくれて。」


邪神残党の副リーダーのマイア・バルキーニが突然、現れパイソンの腕輪を奪い取った


【ユウナ・アスファルト】

「貴方は!」


【マイア・バルキーニ】

「貴方のおかげで邪神様とともに邪神の軍隊も復活するわ。このパイソンの腕輪でね♪」


【ユウナ・アスファルト】

「くっ!」


【マイア・バルキーニ】

「その御礼に良いことを教えてあげる。皇帝陛下にかけた呪いは7日後に目覚める催眠魔法よ。」


【ユウナ・アスファルト】

「何ですって!」


【マイア・バルキーニ】

「ふふふ、貴方たちが必死になって邪神の谷にくると思って嘘をついたのよ♪どう安心した?」


【ユウナ・アスファルト】

「きっ、貴様!」


【ヒミコ&ユウキ&アラン】

「ユウナ様、御無事ですか!」


【マイア・バルキーニ】

「お邪魔虫が来たようだから退散しますか、では聖女様、さようなら。」


【ユウナ・アスファルト】

「まて!」


マイア・バルキーニは神殿の奥へと姿を消した


【ユウナ・アスファルト】

「くそ、またしくじった!」


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