第16話:5日目

※残酷な描写あり


こんにちは、ユウナ・アスファルトです。私はマリー様の真実の知り、マリー様とパイソンの間に絡み合った呪いの楔を解放・世界を救う・邪神討伐を胸に邪神の谷へ向かう途中、何やら雲行きが怪しくなってきました


【ユウナ・アスファルト】

「何か、雲行きが怪しくなってきたわ。一雨来そうね。アガサさん、魔力飛行船は大丈夫かしら。」


【アガサ・ドリトン】

「大丈夫と言いたい所ですが、悪天候の飛行は初めてですな。」


【ユウナ・アスファルト】

「ということは?」


【アガサ・ドリトン】

「神頼みするしかありませんな。」


【ユウナ・アスファルト】

「ああ、そういうことね。」


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、見てほしいものがあります!」


ヒミコさんに案内されて外を見た


【ヒミコ・イマール】

「あれって、もしかして邪神の谷ではありませんか?」


ヒミコさんが指を指した方向には、あたり一面砂漠と岩山ばかり谷だった。そこにパイソンの腕輪が突然光りだした


【ユウナ・アスファルト】

「腕輪が!」


蛇の目から赤い光を発し、岩山の谷に向けて指しており、ついに目的地に着いた


【ユウナ・アスファルト】

「あれが邪神の谷!ついに着いたのね!」


【ヒミコ・イマール】

「いよいよですね。ユウナ様!」


【ユウナ・アスファルト】

「ええ!そうね・・・きゃあ!」


突然の突風とともに雨が降り出した


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、早く中へ!」


私はヒミコさんと一緒に中へ入った。雨脚と突風が強くなり、魔力飛行船の舵は効かない状態になってきました


【ドクタードリトン】

「これは着陸しないとヤバイのう。」


【ユウナ・アスファルト】

「どこか着陸できる所を探さないと。」


【ユウキ・イマール】

「危ないですよ、ユウナ様、外は悪天候です!」


【ユウナ・アスファルト】

「でも着地地点を探さないと魔力飛行船が墜落します。」


【アラン・レクサス】

「俺が行きます。」


【ユウナ・アスファルト】

「アランさん。」


【アラン・レクサス】

「我らの役目はユウナ様の護衛です。ユウナ様の剣となり盾となるのが我らの役目です。」


【ユウナ・アスファルト】

「アランさん・・・・・お願いします。」


アランさんは悪天候の中、外へ出た


【アラン・レクサス】

「雨脚は強いな。」


俺は急ぎ、着陸地点を探した。突風と大雨で視界が遮られ、体のゆうことも効かない。俺は何とか手すりをたどりながら、外を見渡した。


【アラン・レクサス】

「見えた!」


俺が見たのは砂漠の中で平らな地形だった。あそこで着陸しかない!その時・・・


【アラン・レクサス】

「くっ!」


俺は突風に吹き飛ばされ、手すりから手を離してしまった


【アラン・レクサス】

「あっ。」


俺は死を覚悟した瞬間・・・


【ユウキ・イマール】

「あぶねえ。」


ユウキが手すりに捕まり、ずぶ濡れになりながらも俺の手をつかんだ


【ユウキ・イマール】

「よお、大丈夫か、色男?」


【アラン・レクサス】

「ああ。ありがとう。」


俺はユウキが俺の手を引っ張り、引き上げた後、俺たちは中へ入った。そして着陸地点を報告した


【アガサ・ドリトン】

「着陸地点さえ分かれば、あとは行動だけだ、いくぞ!」


アガサさんは着陸地点に向かって、魔力飛行船を飛ばした。その間にも突風と大雨が更に強くなり、魔力飛行船が破損し始めた


【ユウナ・アスファルト】

「きゃあ!」


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、大丈夫ですか!」


【ユウキ・イマール】

「おいおい、船が壊れてくぞ!」


【アラン・レクサス】

「くっ。」


【アガサ・ドリトン】

「みんな、何かに捕まれ!絶対に離すな!」


アガサさんの指示で私たちは手摺に捕まり、絶対に離さないようにした


【ユウナ・アスファルト】

「アガサさんも早く!」


【アガサ・ドリトン】

「ユウナ様、残念ながら私はこの魔力飛行船の操縦士だ。ここを離れるわけにはいかん!」


【ユウナ・アスファルト】

「でも。」


【アガサ・ドリトン】

「言ったでしょう。私はユウナ様たちを邪神の谷まで送るのが私の役目だ。最後まで果たさせてくれ!」


【ユウナ・アスファルト】

「アガサさん、どうか死なないで!」


【アガサ・ドリトン】

「分かっております。」


ユウナ様、本当に涙が出るほど嬉しいが、もはや私は命をかけてやるしかない。ホリー、頼む、あの子達を守ってくれ。神よ、この私の命は捧げてもいい、だからあの子達を生かしてくれ!


【アガサ・ドリトン】

「みんな、衝撃に備えろ!着陸するぞ!」


魔力飛行船は砂漠の平らな地形に着陸体制を取り、そして・・・


【ユウナ・アスファルト】

「きゃあああああ!」


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様!」


【ユウキ・イマール】

「うわあああああ!」


【アラン・レクサス】

「ぐううううう!」


地面にぶつかる衝撃と魔力飛行船の機体が擦る衝撃が直に来た。魔力飛行船を覆っていた甲板は剥がれていき、段々と機体が破損していった。私たちにできることは必死に手摺に捕まるしかなかった。魔力飛行船は徐々にスピードを落ちていき、そして・・・


【ユウナ・アスファルト】

「はぁ、はぁ、はぁ。」


【ヒミコ・イマール】

「と、止まったの?」


【ユウキ・イマール】

「みんな大丈夫か?」


【アラン・レクサス】

「あぁ。」


私たちは奇跡的に無傷で生還した。私たちは一旦外へ出た。外は、あの大雨と突風が嘘のような晴れ間だった


【アラン・レクサス】

「ユウナ様、我らは食料と水を外へ持ち出します。」


【ユウキ・イマール】

「とりあえず使える奴だけ外に出します。」


【ユウナ・アスファルト】

「気を付けてね。」


アランさんとユウキさんがそう言い、貨物室の下へ向かった。私はある人物をいないことに気付いた


【ユウナ・アスファルト】

「あ、そうだ。アガサさん!」


【ヒミコ・イマール】

「待ってください!ユウナ様!」


私とヒミコさんはアガサさんのいる操縦室へ向かった


【ユウナ・アスファルト】

「アガサさん、大丈夫ですか!」


私は操縦室に入った瞬間、アガサさんは倒れていた


【ユウナ・アスファルト】

「あ、アガサさん。」


私はアガサさんを起こすと、アガサさんの左胸に木の杭が刺さっており、大量に血を流していた


【ユウナ・アスファルト】

「そ、そんな。アガサさん、目を覚ましてください!アガサさん!」


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、もう手遅れです。」


ヒミコさんに止められ、私はアガサさんの顔を見た。アガサさんの顔はどこか安らかな顔をしていた。すると突然・・・


【ユウナ・アスファルト】

「きゃあ!」


【ヒミコ・イマール】

「な、何!」


魔力飛行船が下に沈むような感じがした


【ユウキ・イマール】

「ユウナ様、姉ちゃん、早く船から出ろ!流砂だ!」


ユウキさんの知らせでこの船は流砂で今、沈んでるようである


【ユウナ・アスファルト】

「アガサさんを外へ出さないと。」


【ヒミコ・イマール】

「ユウナ様、もう時間がありません。それにアガサさんはこの船の操縦士です。この船とともに死なせてあげましょう。アガサさんもそれを望んでいます。」


【ユウナ・アスファルト】

「うぅ、アガサさん。」


私はヒミコさんとユウキさんに連れられ、外へ出ました。魔力飛行船は流砂に飲まれる寸前でした。そして魔力飛行船はアガサさんとともに砂の中へと沈んでいきました


【ユウナ・アスファルト】

「アガサさん、貴方の死を絶対に無駄にはしません。どうか安らかに。」


私は別れの言葉を告げた後、私たちは荷物を持って邪神の谷へと向かった


アガサ・ドリトン、殉死

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