第9話:聖女、不覚を取る

【クリミナス帝国城内】


~深夜未明~


【ユウナ・アスファルト】

「Zzzz」


【???】

「キャアアアアア!」


【ユウナ・アスファルト】

「んん?」


何だ?今、悲鳴のような? ドカーーーーーン!


【ユウナ・アスファルト】

「何、今の音!?」


私は突然の爆発音に完全に目が覚めた。しかも近いぞ。何があった!


【ユウナ・アスファルト】

「とりあえず着替えと。」


私は着替えを済ませ、城内の様子を見に行った


【???】

「火事だ!武器庫と兵糧倉が燃えてる!」


火事!私は急ぎ武器庫と兵糧倉へ向かった


【ユウナ・アスファルト】

「これは!」


私が見たのは城の武器庫と兵糧倉が燃えており、兵士たちは慌ただしく鎮火作業をしていた


【兵士A】

「火を消せ!早くしろ!」


【兵士B】

「急げ!武器と兵糧を守れ!」


火は勢いよく燃えており、なかなか消えませんでした。何かおかしい


【ユウナ・アスファルト】

「魔力探知」


私は燃え盛る火に魔力探知を唱えると、あの火は自然によるものではなく、人為的なものだと分かった


【ユウナ・アスファルト】

「この火事は誰かが仕掛けた。」


私はこの火事が意図的に行った。まさか邪神の残党が!


【ユウナ・アスファルト】

「もし邪神の残党なら、あぁ、アルファルド様!」


私は急ぎアルファルド様の寝室へと向かった


【ユウナ・アスファルト】

「アルファルド様、どうか無事でいて!」


もうすぐで着く


【ベーカル・バルキーニ】

「あらあら、そんな大急ぎでどこへ行くの?」


突然、女性の声が聞こえた。後ろを振り向くと見知らぬ女性が二人いた


【マイア・バルキーニ】

「初めまして、聖女様♪」


【ユウナ・アスファルト】

「貴方たちは誰?」


私はこの二人がただ者でないと察知し、警戒した


【ベーカル・バルキーニ】

「初めまして!私はベーカル・バルキーニ、一応、邪神の残党のリーダーをしている。」


【マイア・バルキーニ】

「私はマイア・バルキーニ、同じく邪神の残党の副リーダーをしてます。」


私の目の前に現れたのは邪神の残党のリーダーと副リーダー!


【ユウナ・アスファルト】

「武器庫と兵糧倉の火事は貴方たちの仕業!」


【ベーカル・バルキーニ】

「えぇ、そうよ。邪魔者がいては計画に支障をきたすからね。」


【ユウナ・アスファルト】

「計画ですって!」


【マイア・バルキーニ】

「そうよ。今は貴方たちが大軍を送って邪神の復活を阻止しようするのを私たちが邪魔をするのが仕事よ♪」


【ベーカル・バルキーニ】

「それともう1つ、貴方の命とパイソンの腕輪を手に入れること。飛んで火にいる夏の虫とは言ったものね。」


私はすぐに戦闘体制に入った


【ユウナ・アスファルト】

「はぁ!」


私は手から雷撃を放った。すると二人は結界を張り、防いだ


【ベーカル・バルキーニ】

「ずいぶん、せっかちね。」


【マイア・バルキーニ】

「まぁまぁ、お姉様、自分の命を狙いにきた者に攻撃するのは普通ですわよ。」


すると二人は呪文を唱えた


【ベーカル&マイア・バルキーニ】

「カマイタチ!」


二人がそういうと無数の風の刃が現れた


【ベーカル・バルキーニ】

「放て!」


無数の風の刃が私に襲い掛かった


【ユウナ・アスファルト】

「はぁ!」


私は急ぎ、結界を張り、カマイタチを防ぐ


【マイア・バルキーニ】

「まだまだあるわよ!」


二人はカマイタチを連続で放ち、結界を攻撃する。あまりの連続攻撃に結界の方も限界が・・・


【アルファルド・クリミナス】

「ユウナ!」


アルファルド様、なんでここに来たのよ!


【ユウナ・アスファルト】

「陛下!こっちに来てはなりません!早く逃げてください!」


【アルファルド・クリミナス】

「そなたを置いて行けるか!」


【ベーカル・バルキーニ】

「皇帝陛下のお出ましね。せっかくだから挨拶するか。マイア、そのまま続けてちょうだい。」


ベーカル・バルキーニは思いきり息を吸った


【ユウナ・アスファルト】

「な、何?」


ベーカル・バルキーニは吸った息を思い切り吐いた! その息が突風に変わった


【ユウナ・アスファルト】

「キャアアアアア!」


私は突風によって結界が破られ、そのまま吹き飛ばされた


【アルファルド・クリミナス】

「うわぁ!」


アルファルド様も突風に巻き込まれ私と一緒に吹き飛ばされた


私とアルファルド様は壁に叩きつけられた


【ユウナ・アスファルト】

「くっ!」


【アルファルド・クリミナス】

「大丈夫か、ユウナ?」


【ユウナ・アスファルト】

「私は大丈夫です。」


すると黒い刃が私に向かって飛んできた


【アルファルド・クリミナス】

「ユウナ、危ない!」


アルファルド様は私を庇い、黒い刃を背中に受けた


【アルファルド・クリミナス】

「ぐっ!」


【ユウナ・アスファルト】

「アルファルド様!」


アルファルド様はそのまま倒れ、黒い刃がアルファルド様の中に入った


【ベーカル・バルキーニ】

「本当に期待を裏切らないわね。当代の皇帝陛下は。」


【ユウナ・アスファルト】

「アルファルド様に何をしたの!」


【ベーカル・バルキーニ】

「ちょっとした呪いをかけたのよ。」


【ユウナ・アスファルト】

「呪いですって!」


【マイア・バルキーニ】

「そうよ。黒い刃に刺された者は7日後に死ぬ呪いよ。」


【ユウナ・アスファルト】

「何ですって!」


【ベーカル・バルキーニ】

「そう、タイムリミットはあと7日、助けたければ貴方が邪神の谷に行くことね。その7日目の日が上る前に邪神の谷の神殿に入らないと呪いは解けずに皇帝陛下は死ぬのよ。」


【マイア・バルキーニ】

「私たちは先に邪神の谷で待ってるわ。」


【ユウナ・アスファルト】

「待て!」


私がそういうと二人は転移魔法を使い、消え去った


【ユウナ・アスファルト】

「うぅ、くそーーーー!」


私は何もできなかった。自分自身の弱さを嘆いた。私はまた守れなかった


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