第7話:救国の聖女、再び現る
※残酷な描写あり
【クリミナス帝国城内】
私はアルファルド様の命で城に留まり、そこで寝泊まりすることになった。その後、また私の夢枕に救国の聖女が現れた
【マリー・ブライド】
「ユウナ、パイソンの腕輪を見つけたようですね。」
【ユウナ・アスファルト】
「はい!腕輪から赤い光が北東の方角を指していました。もしかして邪神の居場所が分かるのではないかと!」
【マリー・ブライド】
「その通りよ。北東の方角には邪神の谷があるわ。」
【ユウナ・アスファルト】
「邪神の谷ですか?聞いたことがありません。」
【マリー・ブライド】
「かつてパイソンがそこで邪神と契約を交わし、自ら邪神になったのよ。」
私は救国の聖女に今まで知らなかったパイソンが邪神になった経緯を知ることになった
【ユウナ・アスファルト】
「なぜマリー様はそのことを知っているのですか!」
【マリー・ブライド】
「夢を見たのよ。パイソンが邪神と契約を交わしたのを、最初は嘘であってほしいと願いましたが本当に当たってしまった。」
救国の聖女は苦虫を噛み締めるような顔をしていた
【マリー・ブライド】
「貴方に見せるわ。パイソンのことを。」
すると救国の聖女は私の頭にある映像を見せてくれた
~5000年前~
私は救国の聖女に5000年前の映像を見せてくれた。そこには2つの軍が睨みあっていた。そして・・・
【王国軍】
「うおおおおおおお!」
王国軍が咆哮を上げた
【マリー・ブライド】
「最初に咆哮を上げたのは王国軍、防衛側ね。」
マリーが私の脳内に話しかけてきた
【???】
「うおおおおおおお!」
身長2m近くの筋骨粒々の大男が雄叫びをあげ、それと同時に軍が咆哮を上げた
【マリー・ブライド】
「あれがパイソンよ。軍を率いて、この王国を攻めてきたの。」
あれがパイソン!以下にも強そうだ!
【パイソン】
「敵は1人残らず殺せ!」
パイソンの号令で軍は突撃を開始し、同時に王国軍も迎え撃つように突撃してきた。
【パイソン】
「うおおおおおおお!」
パイソンは自ら先陣に立ち、兵士たちを鼓舞した。そして両軍は激突した。両軍の兵士たちが入り乱れ、互いに殺しあった。パイソンも二本の剣を持ち、次々と敵兵を斬り殺していった
しばらく時が立ち、背後に別の軍が現れてパイソンの軍を襲い、挟み撃ちにした
【パイソン】
「くっ、退け!退け!」
パイソンが撤退の号令をかけたが逃がさんとばかりに王国軍が挟み撃ちでじわじわと追い詰めた。パイソンは命からがら逃げ延びた
【パイソン】
「くそ!」
パイソンは悔しそうに王国のあった方向を睨み付けた。そして本拠地である自分の城へと帰還したが、既に王国軍に占領されていた
【パイソン】
「おのれ!」
パイソンは絶望し城と兵士を捨てて、パイソンは当てもない放浪を始めた。今の時期は夏、照りつける灼熱の太陽にパイソンの体力が少しずつ減らしていった。そこである谷に到着したパイソンは既に意識が朦朧としていた。そこでパイソンは禁忌を犯した。何と邪神を呼ぶ呪文を唱えた
【パイソン】
「邪神よ。我に力を!もし我に力を授ければ我が魂を捧げる!」
パイソンの願いが通じたのか、そこに邪神が現れ、ナイフを渡された。そのナイフで「邪神に命を捧げよ」という意味である。パイソンは躊躇いもなく首の頸動脈を斬った。そこから、血飛沫が飛ぶ
【邪神】
「契約は成立した。我の軍を与える。」
するとパイソンの首から流れた血が止まり、傷口もなくなった。そしてパイソンの目の前には身長が2mを越える骸骨兵士たちが現れた。骸骨兵士たちは手に剣や槍や薙刀と斧等を持っていた
【邪神】
「我の兵は勇猛で恐れ知らず。そして尽きることなく無限に増え続ける。そなたの下僕とせよ。」
邪神がそう言い残し、消えていった
【パイソン】
「うおおおおおおお!邪神よ!感謝いたす!」
パイソンは雄叫びを上げて、次の映像が流れた
そこには王国を侵略する骸骨兵士たちが兵士だけではなく、国民たちを容赦なく襲った。女子供も含めて皆殺しにした
【ユウナ・アスファルト】
「うっ。」
私はその惨状に目を背けてしまった。私が見ているのはこの世の地獄とも言える惨劇なのだ。国民たちの断末魔が私の耳に聞こえてしまう
【マリー・ブライド】
「ユウナ、目を背けたい気持ちは分かるけど今は目を背けずに見なさい。」
私はマリー様の言葉に従い、その惨劇を見続けた。そしてそこにパイソンが現れた
【パイソン】
「ふはははは!敵は一人残らず殺せ!」
パイソンは笑いながら骸骨兵士たちに命じた
【マリー・ブライド】
「そこまでです。パイソン!」
そこに当時のマリー様が現れた。マリー様の手には直槍【マリーの神槍】を持っていた
【パイソン】
「来い!」
【マリー・ブライド】
「はぁぁぁぁぁ!」
マリー様とパイソンが戦う瞬間に映像が途切れた
【ユウナ・アスファルト】
「あれ?」
せっかくいいところだったのに!
【マリー・ブライド】
「ごめんなさい。今はここまでしか見せられないわ。いずれ貴方の前に現れます。そろそろ朝よ、起きなさい。」
マリー様は謝罪し、いずれ現ると言い残し、目覚めるよう促した
【ユウナ・アスファルト】
「んん、もう朝か。」
私は目覚めるとカーテンの隙間から朝日の光が出ていた
【ユウナ・アスファルト】
「それにしてもマリー様はなんで続きを見せてくれなかったんだろう。」
私はマリー様が何か隠しているようにしか思えず、ベッドから起きあがり、カーテンを開いた。眩しい朝日の光ですっかり目を覚ました
【ユウナ・アスファルト】
「とりあえず夢のことを陛下に話すか」
私は今日の予定を決め、着替えをすることにした
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