第4話:目覚める聖女

【イエリナ山のとある神社】


【ユウナ・アスファルト】

「Zzzz」


ユウナ・アスファルトは未だに眠りの中にいた


【???】

「起きて、起きなさい、ユウナ・アスファルト。」


ん、誰だ。私を起こしてんの。少しは寝かせてぇな


【???】

「いいから、起きなさい!」


私は謎の人物の大声に起床した


【ユウナ・アスファルト】

「ふぁ~、んっ、あんた誰?」


私の目の前には黒髪ロングヘアーの凛とした二十代くらい、長身の美人女性がいた


【???】

「やっと起きたわね、当代の聖女。」


【ユウナ・アスファルト】

「聖女?あぁ、聖女なら罷免されたよ。だからここで寝ていたのさ。あんたが起こさなければな。」


【???】

「そう呑気なことを言っている場合ではありません!今は邪神の復活の年です!」


【ユウナ・アスファルト】

「ていうか、あんた誰?人避けの結界をかけたんだけど。」


【???】

「そうね。まず自己紹介が先ね。」


先程の女性は背筋を伸ばした


【マリー・ブライド】

「私はマリー・ブライド。救国の聖女といえばいいかしら?」


【ユウナ・アスファルト】

「マリー・ブライド、救国の聖女、おいおい冗談でしょ。邪神パイソンを封印して殉死した聖女が。まさかね」


【マリー・ブライド】

「そのまさかよ。私は、れっきとした本人よ。」


【ユウナ・アスファルト】

「そう、本人・・・・えええええええええ!本物の!」


【マリー・ブライド】

「驚きすぎよ。ちなみにここは貴方の夢の中よ」


【ユウナ・アスファルト】

「えぇ、マジで!なんで、私の夢の中に救国の聖女がいるの!」


【マリー・ブライド】

「とりあえずは落ち着きなさい。ゆっくり話もできないわ。一回、深呼吸しなさい。」


私はマリー・ブライドの仰せに従い、一回深呼吸をした。よし、落ち着いた


【ユウナ・アスファルト】

「それで救国の聖女様が私に何用にございますか?」


私は率直に用件を聞く


【マリー・ブライド】

「貴方にお願いがあるのは邪神、パイソンを止めてほしいの!」


止めてほしい?退治じゃなくて?


【ユウナ・アスファルト】

「どういうことですか?止めてほしいとは?」


【マリー・ブライド】

「ごめんなさい。今はいえないけど、止められるのは貴方しかいないの。」


何か訳ありみたいだな


【ユウナ・アスファルト】

「でも肝心の邪神の居場所が分からないと、どうすることもできませんよ。」


【マリー・ブライド】

「それなら、神殿の地下室があるわ。そこであるものが眠っているわ」


【ユウナ・アスファルト】

「あるものって?」


【マリー・ブライド】

「パイソンの腕輪よ。」


パイソンの腕輪?そんなもの神殿にあったけ?


【ユウナ・アスファルト】

「あの、パイソンの腕輪って何ですか?確かパイソンの史料も遺品も残ってなかったんじゃ。」


【マリー・ブライド】

「隠したのよ。私の死後、パイソンの腕輪は神殿の地下に封印されたわ。邪神の残党から守るために。」


【ユウナ・アスファルト】

「だったら封印した方がいいのでは?」


【マリー・ブライド】

「確かに危険なものだから封印した方がいいのだけれど、今は邪神の復活の年、蘇る前に阻止しなければいけない。パイソンの居場所を知ることができるのは、その腕輪しかないの。パイソンを止めるには、その腕輪に全てをかけるしかないの!」


【ユウナ・アスファルト】

「分かった、分かりましたよ。とりあえず神殿に行きますよ。」


【マリー・ブライド】

「ごめんなさいね。貴方にこれを授けるわ。」


マリー・ブライドは私に直槍を授けた


【マリー・ブライド】

「あの、この槍は何ですか?」


【マリー・ブライド】

「邪神を倒すことができる唯一の武器よ。普通の武器としても使えるわ。かつて私がパイソンを倒した時に使用したわ。貴方の意志で自由自在に出せるし、何度でも無限に使えるわ。」


これって、【マリーの神槍】じゃないの。まさか神器を持てるなんて!


【マリー・ブライド】

「貴方に全て託しましたよ。さあ、目覚めなさい。」


んん、朝か。私は目を覚ました。どのくらい寝たのかしら。それにしても奇妙な夢ね


【ユウナ・アスファルト】

「そういえば、自分の意志で出せるって言ったわよね。」


私は試しに念じてみたら、私の手に例の直槍が出てきた


【ユウナ・アスファルト】

「夢じゃなかった。」


私はあまりの出来事に動けなかった

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