第3話:邪神の残党

※残酷な描写あり


【とある廃墟】


【???】

「それで邪神様の遺品は見つかったのか。」


【隠密頭】

「いいえ、神官長の口が堅くて、場所までは言いませんでしたが、恐らくは神殿の中にあるのではないかと。」


【???】

「よし、神殿を襲撃し、邪神様の遺品を探し出せ!」


【隠密頭】

「御意!」


私に報告をした隠密はそのまま消え去った


【???】

「焦りは禁物ですよ、ベーカルお姉様。」


【ベーカル・バルキーニ】

「分かってるわよ、マイア。焦りたくもなるわよ。なんせ今年は邪神様の復活の年なんだから。」


【マイア・バルキーニ】

「勿論、存じておりますわ。だからこそ冷静にならなければいけないのです。」


【ベーカル・バルキーニ】

「相変わらず生意気な妹ね。」


【マイア・バルキーニ】

「誉め言葉として受け取っておきますわ♪」


私たち二人は軽口を叩きあった


【ベーカル・バルキーニ】

「それに当代の皇帝は聖女を罷免した。私たちにとっては好機なのよ。聖女がいない今は邪神様の復活が急がれるのよ。」


【マイア・バルキーニ】

「そうですわね。当代の皇帝は私たちにとって鴨なんですから。後任の聖女候補も亡き者にすれば、益々、クリミナス帝国は衰退するのだから。」


【ベーカル・バルキーニ】

「それで後任の聖女候補は見つかったの?」


【マイア・バルキーニ】

「えぇ、どうやら密かに神殿に集めているとの報告がきました」


【ベーカル・バルキーニ】

「へぇ~、それはいいことを聞いたわ。遺品探しのついでに聖女候補も抹殺するか。」


【マイア・バルキーニ】

「ふふふ、実は密かに命を下していますわ。」


【ベーカル・バルキーニ】

「相変わらず生意気な妹ね。」


私は笑顔で答えた


【マイア・バルキーニ】

「それほどでも、お姉様♪」


私たちは軽口を叩き合いながらも静かに微笑んだ


【ベーカル・バルキーニ】

「それで元聖女の行方は?」


するとマイアは笑顔が一変し苦虫を噛みしめた顔になった


【マイア・バルキーニ】

「それが行方を眩ましたきり、未だに見つかっておりません。」


【ベーカル・バルキーニ】

「そう、まぁいいわ。元聖女は聖女候補の抹殺と邪神様の遺品を見つけた後で、料理すればいいわ。」


【クリミナス帝国の神殿】

現在、クリミナス帝国の神殿は火事になっていた


【神官A】

「火事だ!火を消せ!」


【神官B】

「聖女候補たちを守れ!」


【神官長】

「くっ!こんなときに火事とは!」


今は目の前に起きていることに集中した


【神官C】

「神官長!一大事でございます!」


【神官長】

「何事だ!」


【神官C】

「聖女候補たちが殺されていました!」


【神官長】

「何だと!」


とんでもない報告に私は焦りを覚えた


【神官長】

「聖女候補たちが殺されたということはこの火事は邪神の残党が仕掛けたということか!くそ!」


私は既に邪神の残党が動いていたことに不覚を取っていた


【神官A&B】

「ギャアアアアアア!」


突然、神官の断末魔が聞こえた


【神官長】

「何事だ!」


私の目の前には血塗れの神官AとBが倒れこんだ


【神官C】

「ひぃぃぃぃ!」


神官Cはあまりの惨状に腰を抜かした。そこに黒頭巾を被った男たちが現れた


【神官長】

「貴様らは、邪神の残党か!」


【黒頭巾のリーダー】

「邪神様の遺品はどこだ?どこにある?」


【神官長】

「言わぬ、私は神に仕える者。お前たちのような賊には死んでも話さん!」


【黒頭巾のリーダー】

「まぁいい。この神殿のどこかにあるはずだ。お前たちは邪神様への生贄になってもらう。」


黒頭巾の男たちは弓を構え、矢を放った


【神官長】

「はっ!」


神官長は結界を張り、矢を跳ね返した


【黒頭巾のリーダー】

「ぐっ!」


黒頭巾のリーダーの肩に矢が刺さり、他の黒頭巾の男たちは頭に矢を受けて即死した


【神官長】

「そなたは城に伝えろ。」


【神官C】

「でも神官長。」


【神官長】

「いいから行け!」


私は転移魔法を唱え、神官Cを城へと移送した


【黒頭巾のリーダー】

「ふっ、さすがは神官長。一筋縄ではいかんな。だが・・・」


神官長の後ろに黒頭巾の男たちが襲い掛かった


【神官長】

「くっ!」


神官長は後ろにも結界を張り、攻撃を跳ね返し黒頭巾の男たちは即死した


【黒頭巾のリーダー】

「隙あり。」


神官長の隙をつき、黒頭巾のリーダーの剣が神官長の腹に突き刺した


【神官長】

「ぐはっ。」


神官長は傷口から大量の血を流し、そして口からも吐血した


【黒頭巾のリーダー】

「大人しく遺品のありかをいえば命を助けたものを。」


【神官長】

「くっ、言ったであろう。私は神に仕える者!お前たちには指一本触れさせん!」


神官長は黒頭巾のリーダーを捕まえて、呪文を唱えた


【黒頭巾のリーダー】

「なっ、何をする気だ!」


【神官長】

「言っただろう。お前たちには渡さんとな」


神官長は自爆魔法を唱えた


【黒頭巾のリーダー】

「辞めろ!」


【神官長】

「クリミナス帝国、万歳!」


神官長は大爆発し、神殿は跡形もなく消え去った


【とある廃墟】


【隠密頭】

「報告は以上です。」


【ベーカル・バルキーニ】

「下がれ。」


【隠密頭】

「はっ!」


隠密を下がった


【ベーカル・バルキーニ】

「くそ!」


私は机をひっくり返し、辺りは物が散らかっていた


【ベーカル・バルキーニ】

「またやり直しだ!」


私は頭を冷やし、再び作戦を練る


神官長、殉死






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