第2話:皇帝と神官長のやり取り

【クリミナス帝国の神殿】


【神官長】

「あぁ、行ってしまった。」


私は途方に暮れていると・・・


【神官】

「お待ちください!どうかお待ちください!」


何やら騒がしいな


【アルファルド・クリミナス】

「ユウナ!いるか!」


突如、皇帝陛下がお越しになられた


【神官長】

「陛下!突然のお越し、如何されたのですか!」


私は陛下に用件を聞いた


【アルファルド・クリミナス】

「神官長、ユウナはどこにいるんだ!」


【神官長】

「去りました。」


【アルファルド・クリミナス】

「何?もう一度言ってくれ。」


【神官長】

「ユウナ・アスファルト嬢は転移魔法を使って、ここから去りました。」


沈黙が流れる


【アルファルド・クリミナス】

「そ、そんな。」


陛下はその場で、へたり込んだ


【神官長】

「恐れながら、陛下はなぜ、ユウナ・アスファルト嬢を罷免されたのですか?」


私はユウナがなぜ聖女を罷免したのか理由を聞いた


【アルファルド・クリミナス】

「私はユウナを妻にしたかった。聖女を罷免して私の妻になるよう画策したんだ。」


私は陛下のおっしゃっていることに呆然とした


【神官長】

「陛下!ユウナ嬢を自分の妻にしたいからって聖女を罷免なされたのですか!何を考えているのですか!」


【アルファルド・クリミナス】

「だって、ユウナは私の初恋の相手なんだ!どうしても妻に迎えたいのだ!」


【神官長】

「仮にユウナ嬢を妻に迎えたいなら、我等に事前に言ってくれなかったのですか!後任も立てずに、なんで罷免されたのですか!」


【アルファルド・クリミナス】

「すまん!ユウナとの結婚ばかり考えて、そこまで頭が回らなかった!」


【神官長】

「アホか!あんたは!」


私の怒号が神殿内に響き渡った


【神官長】

「陛下!今の時期を考えてくださいよ!今、ここで聖女を辞めさせるのは不味いんですよ!」


【アルファルド・クリミナス】

「不味いって何が?」


【神官長】

「陛下!忘れたのですか!今の時期は邪神の復活する年なんですよ!」


【アルファルド・クリミナス】

「あぁ、そんな時期になったのか。」


【神官長】

「なったのかって、他人事のように言わないでください!よろしいですか、邪神は5000年に一度の時期に復活するんですよ!今がその復活の年なんですよ!」


【アルファルド・クリミナス】

「邪神復活なんて迷信だろ。邪神となったパイソンなんて神話の中の人物だろ。パイソンについての史料も遺品もないと聞いたぞ。」


【神官長】

「ありますよ」


【アルファルド・クリミナス】

「何だって?」


【神官長】

「ありますよ。パイソンの遺品が!」


再び沈黙が流れる


【アルファルド・クリミナス】

「えええええええええ!」


【神官長】

「そんな驚かなくても。」


【アルファルド・クリミナス】

「なんで今まで隠していた!」


【神官長】

「邪神パイソンの残党から守るためです。パイソンの遺品の存在が漏れれば、間違いなく狙われます。そのために皇室にも伏せておりました。」


【アルファルド・クリミナス】

「それでその遺品はどこに!」


【神官長】

「言いません。」


【アルファルド・クリミナス】

「なぜ?」


【神官長】

「遺品については他言無用なんです。先程も申した通り、残党から守るためです。」


【アルファルド・クリミナス】

「ううう」


【神官長】

「陛下、もう御用件はお済みなら、城へご帰還を。」


【アルファルド・クリミナス】

「あい分かった。」


陛下はそのまま神殿を出られ、城へ帰った


【神殿長】

「さて、聖女をどうするか考えないとな。」


私は聖女の後任を探す他はなかった


【???】

「そうか、遺品は神殿のどこかにあるのか」


謎の存在のことを知らずに。








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