第9話


血だらけの箱を持つ手は震えていて

私は受け取った瞬間に立ち上がることも出来ないほど泣き崩れた。



「これね、どうしようかと思ったんだけどダイキはユナちゃんにプレゼントしたかったと思うから…


こんなに血がついてるのに箱が潰れてないのはダイキが守ったのかもしれないね…」



ダイキのお母さんはそう言いながら私に手を添えて泣いてた。

そしてその手は震えたまま。



何も言わなくても痛いほど気持ちが伝わってきた



涙でほとんどプレゼントも見えなかったのに

箱についた血は見えちゃって




こんなの見たくない

これがダイキの血なんて思いたくない


思えば思うほど私の心が締め付けられた




ケンカをしなければ…


二人で家にいれば…


私が遅刻なんかしなければ…



ダイキは今もそばで笑ってたはずなのに

生きてたはずなのに


私は心から自分を責めた




私のせいだ

全部私のせいだ



ダイキがいなくなった悲しみと罪悪感

そして言葉に出来ない感情が一気に私の心を襲ってきた



(あ…私ここにいちゃダメだ)



気づいたら私はダイキのお母さんの元から離れ道路に飛び出そうとしてた

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