タビアゲハ




「自分ノ触覚デ見サセテヨ、コノ世界ノ価値。写真ヤ言葉ダケデナク、コノ触覚デ」





Q2 今書いている(もう書いた)作品の主人公はどんな設定、性格ですか?


 とある街の路地裏で生息していた変異体。

 坂春と出会ったことをきっかけに、世界のすべてを見て回るために旅に出ることになる。 


・外見

 スタイルのいい女性の体型で、全身の肌は影のように黒く(正確には、ほんのわずかに青みがある黒色)、手足の爪は異様な形にとがっている。彼女の行動の中に、他人の肩をつつく動作があるが、突き刺さらないように力を調整している。

 眼球と呼べるものはなく、代わりに眼球が収まるべき場所から青い触覚が生えている。その触覚はまぶたを閉じると収納され、まぶたを開くと出てくる。整った顔立ちのため、まぶたを閉じた姿はミステリアスな美しさがある。

 髪は上半身まで伸びていたが、 『化け物バックパッカー、散髪する。』で長めのウルフカットにした。

 普段は姿を隠すために黒いローブを着ている。

 背中には坂春のおさがりの黒いバックパックを背負っている。


・性格

 外見とは裏腹に、性格は少々幼く、穏やかで純粋、それでいて『世界を見て回りたい』という信念と好奇心も持ち合わせている。

 自身がわからないことはその場で聞くように心がけているが、聞いたことを他人に説明することは少々苦手。

 何かを見ることに幸せを感じるような気がするらしい。

 かわいいの規準は一般的常識から大きく離れている。

 寝るときはいつも体育座り。


・過去

 人間だったころの記憶はほぼ存在せず、覚えているのは「外に出たかったこと」と「地球の写真」のみ。

 現段階ではタビアゲハに記憶が戻っている描写は『化け物バックパッカー、喫茶店で味わう。』で何かを見ることに幸せを感じていたことが旅に出たかった理由のひとつかもしれないという言葉があるのみ。もっとも、記憶を取り戻すことが旅の理由ではないため、本人はまったく気にしていない。

 タビアゲハという名前も旅先で出会った人物たちからもらっている。




Q3 なぜそんな設定、性格にしましたか? また登場人物についてこだわりはありますか?


・外見

 名前や外見から連想できる通り、アゲハチョウをイメージした外見です。ポルノグラフィティの『アゲハ蝶』という曲から影響を受けました。

 黒いローブは、変異体という化け物であるにも関わらず、人の目を気にせず旅をするために必要な、彼女にとっての“蝶の羽”であるという意味があります。


・性格

 旅をすることを夢みているという設定から、最初は閉鎖的な場所で暮らしていたという設定が生まれ、純粋で世間知らずという性格が出来上がりました。

 さらに触覚という概念から、世界のすべてを見尽くことが旅の目的となりました。誰かに会いに行く、記憶を取り戻すといった目的よりも、旅自体が目的であることに近く、バックパッカーのイメージに合っているように感じたからです。

 記憶喪失という設定は、小さい少女のような純粋さを持ちながらも彼女が何者だったのかというミステリアスさを表現するためです。また、自分のことはよくわからないけど、そんなことよりも世界を見て回りたいという、過去や経験よりも今を重視する性格を表現するためでもあります。そのため、失われた記憶が今後の展開に大きく関わってくるということはあり得ません。

 個人的には、彼女の人間のころの記憶に関しては、考察してもらうための伏線程度だけ言及していきたいなと思っています。

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