第5話 対妖術師対策会議
「…スパイだぁ?」
「あぁ。一番確率が高い方法だと思うぜ」
「…なんで俊哉はそう思ったの?」
「理由は簡単。妖術の効力は丁度一週間で切れる。つまり最長7日だ。その犯人が清見を狙ったのか由紀を狙ったのか…俺を含めた全員を狙ったのかはわからないが…一週間何も起きなかったとしたら、恐らく再び清見に接触するだろう」
「…でもそれでなんでスパイになるの?他にも方法はあるんじゃない?」
「他にも方法はあるだろうが…解除したのがバレたとなればこちらとの接触を相手が避ける可能性もある。これ以上被害を増やさない為にも妖術師は確実に消すべきだ。それに…」
「それに?」
「敵は恐らく一人じゃない…まぁこれはただの勘でしか無いが…もし妖術師以外に敵や清見のように操られている人が居るなら潜伏することで同時に見つけれる可能性もある」
「ちょっと待ってくれ…やるぞ?勿論俺はやるが…俺ばっかり危険な目に遭いそうな気がする…第一演技しろって言われても…それこそバレたらどうすんだよ…」
「安心しろ、俺が協力するから傷一つつくことは絶対に無い。あといつも通り振舞っとけば多分バレないかな荒っぽい性格だし」
「お、おう。まぁお前がバカみてぇに強いのは分かってる」
「…私はどうすればいいの?私もただ見てる訳にもいかないもの」
「由紀は…そうだな…出来るだけたくさんの教師に喋りかけてくれ」
「…分かったわ」
「あ、もちろん由紀は美少女だし怪我させる訳にはいかないから特典をやるぞ。ほれ」
空中から取り出した黄金の眩い剣を由紀に差し出す。
「え…これ…聖剣!?」
「あぁ。だが一つ警告をしておく。これを渡したのはあくまでも妖術等から由紀を守る為だ。いいか?何があっても絶対に剣を地上に出してはダメだ。間違えて振ったりでもしたらーー簡単に人が死ぬぞ。しかも蘇生無効の能力があるから生き返らすことはチート回復を用いても無理だ」
「…わ、分かったわ…というかこれ簡単に貸しちゃっていい物なの?」
「うーん、まぁ俺は解除出来るし俺が剣持って戦うなんてことなんてまず起きないと思うから持っててもなぁ…」
「じゃあ…有り難く頂くことにするわ」
俺の手から由紀の手へと聖剣が渡った。
「これで…その、聖剣の持ち主になれたってことなの?」
「いや、まだだな。正式に俺から由紀へと渡す為の儀式をしないと。じゃないと万が一にも聖剣を奪われたらヤバいだろ?」
「儀式って…何をすればいいの?」
「持ち主が聖剣のパスワードを入れるんだよ。ええと、ちょっと貸して?」
聖剣の中心から空気中へタッチパネルのようなものが浮かび上がってくる
「…なんかスマホみたいね」
「えぇーっと持ち主交代画面からパスワードを入力して…11111111っと」
「「パスワード雑っ!」」
しっかりとお二方からのツッコミを頂いた。
「で、後は名前を元の名前から変更してあげれば由紀が持ち主になるはずだ」
「分かったわ…って『名前未設定』って名前だったのねこの聖剣…」
「いや〜名前入力せずに"確認"ボタン押したらこうなったんだよ」
「ゲームみてぇだな…というか俺にはなんかないの!?」
「清見、残念だがお前はまだ少し信用しきれてない、つまりここが頑張りどころだ。最悪死んでも傷一つなく元通りにしてやる。あお一つ気になったんだがそもそもお前は妖術師の一件とは関係無く俺のことが元から嫌いだったんじゃないか?」
「げっ」
清見はバツの悪そうな顔をしている。どうやら当たりだ。
「理由は全く分からんが。これからは仲間だ。それぐらい教えてくれてもいいだろ?」
「ぐ…分かった。この件が上手くいったら教えてやるよ…お前が嫌いだった理由を」
「だった?過去形?」
「……うっせぇ!お前は恩人だからな…クソッほら、行くぞ!さっき予鈴なってたし授業始まるだろうが」
「そうだな、由紀?名前入力出来たか?」
「うん、バッチリよ」
「聖剣はここをタップしたら空中にしまえるから」
「…出来たわ!」
「オッケーじゃあ行くか!」
「ちょ、ちょっと待ったぁ!やっと…見つけた…わよ!」
屋上の入り口に、今にも倒れそうなぐらい息を切らした佐藤先生が屋上の入り口に待っていた。
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