実録!すぐにでも倒されそうな敵100選!!!~作者の一言感想を添えて~
@manta100
実録!すぐにでも倒されそうな敵100選!!!~作者の一言感想を添えて~
第100位「屋根の上から叫びながら襲い掛かってくるモヒカンたち」
◆
――私はその荒くれ物の町「アレータ」へとたどり着いた…その様子を住人たちは潜んで見ていたのだ(まあもちろん私は優秀なので気づいていたのだが)。
そして私は聞き耳を立て声を聴いた。
「へへへ…カモがやってきたぜ」「ヒャァー…俺のナイフの刺し心地を試したいぜ」「ククク…奴は自分がなぜ死んだかも分からぬまま人生を終えるでしょう…」
――私はその声のする家へとわざと無防備に近づいた!その瞬間…!
「ケヒャァーッ!死ねーッ!」「間違いなく殺ったーッ!」「かかりましたねあほがーッ!」
その家の屋根の上からモヒカン3人が飛びかかってきたのだ…!
「えいや、であります」バキィッ!
「「「ぶべらーっ!!!」」」
まあ私はこうしてパンチ1発で3人とも吹っ飛ばしたのだが。何しろ優秀であるのだ私は。
作者の一言コメント:あの頃は若く「これが町の常識なのかな…」とか思ってました。
◆◆◆
第47位「自分の実験体に絶対の自信を持った科学者、メッサ・アヤシゲイ」
◆
――私はアレータの町で人の依頼を受け、その怪しげな研究所「アヤシゲイ研究所」へと足を運んでいた。
立ちふさがるロボット兵たちをなぎ倒して進むことは容易いが、私は優秀なのでやたらと騒ぎを起こさず、スマートに隠れながら進んだ…
バターン!そして私はその部屋へと踏み込んだ!
「ムッ、なにやつですかねぇ…?」
そこには、ぼさぼさの長髪に白衣、メガネと言ったいかにもな風貌をした研究者、メッサ・アヤシゲイがいた!こいつを捕まえるのが私の依頼であった。
「自分は通りすがりの優秀な冒険者!貴様を捕まえて来い、との依頼を受けてやってきた!神妙にお縄につけい!」
「カーッ!あの町の連中はどいつもこいつも私を理解しようとしない愚か者ばかりですねェ!未だに私をこのような奴で捕まえられると考えていることが何よりの証拠!」
奴はその様なことをほざくと、壁の実に怪しげなレバーをガゴン!と引いた!
「丁度いい、たった今まさに完成したばかりの私の!最高傑作!の実験体としてやりましょーウ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!その部屋の奥の方、暗くて見づらかったあたりから機械音が聞こえる…!
「さあ、目覚めるのだ私の娘!名前はそうですねェ…!メッサ・ツヨスギルとでもしておきましょうかァ…!」
『管理者コード受信、本機体の名称をメッサ・ツヨスギルで登録、メインシステム、戦闘モードで起動…』
「さあ、私の最高傑作に勝てますかねェーッ!!!ヒャーッハハハハハ!!!」
中から出てきた女性…いや、女性型のロボ!
『アイドリング出力、60%から上昇…通常武装で排除開始、ごーごーごー』
そう言うとメッサ・ツヨスギル女史は襲い掛かってきた…!
◆
――紙面の都合上、戦いの詳細は省かせてもらおう。だが実際、最高傑作の名に恥じない強さであったことは彼女の名誉のために書かせてもらおう。優秀なので私は相手の強さも認めるのである。
『ガガピー…メインリアクター出力、30,20…15%から上昇しません、つまりこれは所謂”ヤラレチャッタ”というわけですね』
がしゃん。全身から煙を吹き倒れるツヨスギル女史。
私が優秀でなければ負けていたであろう…
「そ、そんな馬鹿なことがァーッ!?動け、動くのだツヨスギル!!!」
叫びながら狂乱するアヤシゲイ。だがツヨスギル女史は動けない。
『ガガピー、出力だけでなく武装も破砕されて実際ダメです、年貢の納め時ってやつですね博士』
「馬鹿な、そんな馬鹿なァーっ!この役立たずがァーっ!!!ええい、こうなったら!!!」
そう言うとアヤシゲイは実に怪しげなドクロマークのついたボタンを取り出す!
「ツヨスギル!貴様を自爆させ、そのままこの不埒者を吹っ飛ばすのだァーっ!!!」
「――その様なことは、させないのであります」
――もちろん、私は優秀なのでそのようなことはさせない。
ぼき―ッ!腕ごとそのドクロボタンを吹き飛ばす。
「ぐえーっ!?!?わ、私の腕が、腕がァーっ!?!?!?」
「――自分は、被造物に対して高圧的な輩は、大っ嫌いであります」
私はそのまま二回転してアヤシゲイを蹴り飛ばした。怒っていたことは認める。
ばっごおん!!!「がひゃーっ!?!!?!」
そのままアヤシゲイは壁にめり込んだ。その後お縄にしてやった。
全く不快な輩であったことだ。
作者の一言コメント:その後、修理したツヨスギル女史は私の旅に同行してくれた。その点に関してはアヤシゲイに感謝してもよいと思っている。
◆◆◆
第31位「人質を取って無理やり言うことを聞かせていた男、キタナ・キタナイ」
◆
金持ちの町と、それ以外が住むスラム街で綺麗に分かれた町「ゴゴゴルード」についた私たち二人はいきなり襲撃を受けていた。
それも、身なりが貧民で戦闘訓練も受けていないような人たちばかりだった。
「いったいどういうことなのでありますかね…」
『ピロロロロ…検索検索…つまり、これは何かしらの理由で”やりたくもない事をやらされている”確率がおよそ80%を超えていると考えます』
――そこに上から降ってくる殺気!私とツヨスギル女史は当然気づいた、優秀なのだ。
「ッ」『回避!』
斬撃と共に、私とツヨスギル女史の間に振ってくる刀を携えた女性!
「まあ、そう言うことさね、というわけで…アンタらの命、いただくよ」
私はその女性に対して拳を、ツヨスギル女史は内部武装のガトリングを構える。
「あたしの弟が人質に取られててね、このアブナイ・キルードがアンタらを冥土に送ったら返してくれるって言うもんでね。悪く思わないでね!!!」
◆
実際、キルード女史は強く私とツヨスギル女史は分断され逃げることとなってしまった。
そのまま高級町に紛れ込んだ私は、キルード女史の言っていたことから恐らくは金持ち側の人間が腕の立つ貧民を使うために人質を取っているのだと考えた。優秀だからだ。
――そして、その甲斐ありついに私はその男、キタナ・キタナイを見つけ出したのだ…!
「ふふふふふ…良くもここまで私の護衛たちをコケにしてくれる…」
あたりには私が倒した、金で雇われた護衛たち。
「お前の悪事もここまでであります!」
「ふふふ、そのような口を私に聞いていいのかね?私は貴様の過去も知っているというのに…なあ、ユウ・シュウ…いや、ジツハ・ヘッポコと言った方がいいかね?」
「!?なん…!?」
――今思い返してみると、まったくこの時の私は優秀ではなかった。
私の過去を言われ動揺してしまい、キルード女史の奇襲を食らうこととなったのだから。
「ぐあっ…!!!」背後から切られ、痛みにうめく私。
「………悪いね」物陰から出てくるキルード女史。
「ハーッハハハ!それでいいのだアブナイ・キルードよ!貴様の弟、アブナイ・ウツーゾは儂の手にあるのだからな!!!」
そして高笑いするキタナ・キタナイ。
ピッと手元のリモコンが音を立てると、ガラス張りの部屋にせり上がる張りつけ装置。そこにはキルード女史の弟であるウツーゾが張りつけられていた。
「くっ…!」
悔しそうにしながら、それでも私にさらに切りかかるキルード女史。
私はそれを受けながら下がる。下がる。下がる。
「ハーッハッハッハ!”あのお方”の邪魔をする貴様を消せるなど、法外の幸運よ!」
――後でキタナイに聞くべきことが出来た、と私は考えたがそれとは裏腹に私はキルード女史に追い詰められていた。
背後は壁、逃げ場はもうない。
「ハーッハッハッハ!やれいキルード!そ奴を殺すのだ!」
「…………」
刀が半月を描いて上がる。
――ばっごおおおん!!!
その時、壁を轟音と共に破砕したツヨスギル女史がガラス張りの部屋へ飛び込む!
「何―――ッ!」「これは…!」
『ピーガガガ、少しばかり遅れてしまいました、ユウ。追加装備の調整に手間取ったもので』
見れば彼女の背中には外部取り付けブースターが装備されていた。
そのまま彼女はウツーゾ君の拘束を解除して回収した!
「…いや、いいタイミングだったであります」
そして私とキルード女史はキタナ・キタナイの方へ向き直る。
「――さて、これで貴様を守っていたやつらは全員いなくなったでありますが」
「――ああ。」ちゃきん。刀の音。
「ひっ…!ま、待て!わしは金なら持っているのだ!幾らでも出す!」
ずしん。尻もちをつきながら後ずさるキタナ・キタナイ。
それをゆっくり、ゆっくりと追い詰めるキルード女史。
「そうだ、幾ら欲しい、情報も出せる!だ、だから、だから命だけは!!!」
どしん。壁に突き当たるキタナイ。その前に立つキルード女史。
「――私が欲しいものは、お前の、命だ!!!」
「ひぃ、あああああ――――!!!!!!!!」
キルード女史は刀を振り上げ、振り下ろし――
――キタナイにあたる寸前で止めた。
「――――――――」キタナイは気絶し、失禁していた。その名前の如くに汚かった。
一言コメント:あそこでわざわざ目の前にウツーゾ君を持ってこなければよかったのでは、と今でもたまに思う。
◆◆◆
第29位「改造された力を誇示し調子に乗った敵、ス・バヤーイ」
◆
――私はキタナイから情報を聞き出し、ついに”あのお方”と呼ばれる男の足取りを掴んだ。
だが、当然向こうもそれを放っておくはずもなく、野宿中の私たちに刺客を送り込んできたのだ…!
◆
リー、リー、リー…
夜に虫の鳴き声がこだまする。
「…………」
私は、眠りも浅くぼんやりとしていた。
外ではツヨスギル女史が見張りをしている。
――彼女は、私の過去について聞きたそうにしていたが、この時点の私はそれを話す踏ん切りがつかないでいた…
――そこに、襲い掛かってくる気配!
『!ユウ、何かが来ます!』「!」
――その台詞から1秒と間が空かず、通り過ぎる影!モヒカン頭が見て取れる!
『モヒカン…!?』
「!ツヨスギル!」
その斬撃はいとも容易くツヨスギル女史の装甲を切り裂いている!
『何…!?私の装甲が!?』
そのまま2,3度通り過ぎることを繰り返し、影は私たちの目の前で止まる。
「ケ―ッケケケ…貴様らがユウ・シュウとメッサ・ツヨスギルだなァ…?」
ペロリ…現れたそいつは両腕についた長い爪を舐め上げる!
あれと高速移動でツヨスギル女史の装甲を切り裂くだけのパワーを得たのだ。
「何者でありますか」
「俺の名はス・バヤーイ!あのお方に命じられ貴様らを消しに来た男よ…!」
ブシュウ…切り裂かれたツヨスギル女史の装甲が腐食されている!あの舐め上げる行動には毒を塗り付ける効果があると私は分析する。
『プシュー…私たちはそう簡単に消されたりしません』
「そうであります、やれるものならやってみるのであります」
「ケ―ッ!よく言うぜ、ジツハ・シリーズの失敗作の貴様が…!」
「ッ!!!」
本当に、私は過去のことを言われると優秀ではない。
動こうとした一瞬のスキを突かれ右腕を突き刺される!
「ぎっ…!」
『ユウ!』
「ケーケケケ!ユウ・シュウなんて名前、貴様には似合わねえぜーッ!」
そのままス・バヤーイは森の木を飛び回りながら私たちに襲い掛かってくる。
このままではいけない、と私たちはいったん逃げ出した…!
◆
――私たちは洞窟の奥に逃げ込んでいた。
「ケ―ッ!何をしようがこのス・バヤーイのスピードの前には無力だとわかんねえのかーッ!」
――人一人分ぐらいの大きさしかない入口に、ス・バヤーイが飛び込んでくる!
――そして、すでにそこをツヨスギル女史の銃弾が埋め尽くしていた。
「な――げべべべべーっ!!?!?!」
ス・バヤーイは自らの速度で銃弾の雨の中に突っ込む形となってしまったのだ!
『――来る方向が分かり、動くスペースがなければどれだけ素早くても無力…ということですね、ユウ』
「――そう言うことであります、自分は優秀なのでそれぐらいは」
「ば、馬鹿な…このス・バヤーイが…貴様のような失敗作にやられるなんて…」
――ス・バヤーイはその後もまだ抵抗しようとしたが、自慢の速度がなければただのモヒカンであった。
一言コメント:実際スピード自体は脅威だったのでもっと修練を積んでこられたら危なかったかもしれない。
◆◆◆
第16位「四天王を倒した後に出てきた敵、イヌ・イーヌ」
◆
――その後も私たち二人は、”あのお方”…つまり、私を”制作”した男、ジツハ・クロマクンの差し向ける刺客と各所にいる四天王を倒して回った…
「グワアアアーッ!!!」
――その最中、風の四天王カゼ・ガ・フイータを倒したその後に出てきた敵がいた…
「はあ…はあ…強かった…カゼ・ガ・フイータ…であります…」
『ピガー…ユウ、平気…?私は…損傷率が高くてしばらく動けなさそう…』
――そこに飛んでくる影!
『?ギャーッ!?』
がっしゃーん!吹き飛ばされるツヨスギル!
「ツヨスギル!?」
「ヒャ―ハハハ!カゼ・ガ・フイータを倒すまで待っていた甲斐があった!貴様らを殺せばクロマクン様への覚えも良い!しかもここまで弱っていてはなァ~ッ!」
そこに現れたのは犬状の姿に改造された男!と言うか普通に犬!
「貴様、何者でありますか…!」
「俺の名はイヌ・イーヌ!普段の貴様らなら俺程度簡単に倒せるだろうが、今の貴様らにはできるまい!死ねーッ!手柄は俺の物だ!!!」
――飛びかかってくるイヌ・イーヌ!
――実際、勝てるかどうかは五分五分ぐらい…
だが、やるしかないと私は心を決めた…その時!
――私の後ろから飛んでくる風の弾!
「ぎゃっぴゃぁーッ!?」
ばごーん!それが命中し爆散するイヌ・イーヌ!
「こ、この技は…カゼ・ガ・フイータ!?」
「――フン、私を倒した男…いや、女か…がやられるのを見たくなかっただけだ…」
――そのまま、カゼ・ガ・フイータの身体は崩壊していく…
「カゼ・ガ・フイータ!!!」
「――何故、貴様が性別を偽っているかは知らんが、あの女には言っておいた方がよかろう…」
倒れているツヨスギル女史を見る。
――そのようなおせっかいを焼きながら、彼は消滅した…
一言コメント:正直カゼ・ガ・フイータと話した方しか覚えてなかった。イヌ・イーヌなんていたっけと一瞬なったぐらいである。
◆◆◆
第2位、「私を作った男、ジツハ・クロマクン」
◆
――そして私たちはついにジツハ・クロマクンの所までたどり着いたのだ。
「フン…こんな所までご苦労なことだな、ジツハ・ヘッポコ…!!!この失敗作が…!」
不健康そうだが神父然とした服装をした糸目の男、ジツハ・クロマクンがそこにいた…!
「ジツハ・クロマクン…!貴様に捨てられてから自分は色々な所を旅してきたであります…!」
「それがどうした…!何が言いたいのだこの雑魚が…!」
「自分はもう、貴様に作られたジツハ・ヘッポコではないであります…!自分は、ユウ・シュウであります…!」
「戯言を抜かすなァ…!…まあいい、どのみち貴様は殺す、その横にいる女もなァ!」
メキメキメキメキ…!ジツハ・クロマクンの身体が突如膨れ上がり、有機的に変形していく…!
「数々の実験を超え、ついに完成した私のバイオ技術…!その精髄をつぎ込んだ私の最高傑作!つまりは私自身の手によってなァーッ!!!」
ぐしゃりと握りつぶされる聖書!もはや正体を隠す必要もないということか…!
『――ああ、なるほど、なるほどなるほど…ユウがあの時、あんなに怒っていたのはこう言うことだったと…』
ツヨスギル女史がぼそりとつぶやくのを私は聞いた。
「――ツヨスギル?」
『――今更ながらに、私にもその気持ちがわかった気がする』
「なぁにをごちゃごちゃ言っておるかーッ!貴様らはここで死ぬ運命よーッ!私の手にかかってなァーッ!!!」
クロマクンの巨大な拳が私たちに振る。
『――リミッター解除、出力向上、120,150、180…』
――そしてそれをツヨスギル女史が両手で受け止めた。
「何ィ…?小手調べとはいえ私の拳をォ…!?」
『――200%超過、ユウ、私はアイツをぶっ飛ばす』
「――勿論、自分もあいつは許せないであります、だからここまで来たのであります!」
「やれるものならやってみろォーッ!貴様ら失敗作どもに出来るものならなァーッ!!!」
――そして、私たちの最後の戦いが幕を開けたのだ…!
◆
「ア”ア”ア”ア”…オ”オ”オ”…オ”オ””オ”オ”””オ””…!!!」
――もはや一つの山ほどに膨張した、元ジツハ・クロマクン…今はもはや自分の意思もない肉塊を私たちはにらみつけていた。
――過ぎたる技術は自らを滅ぼす、という所か。
「――さて…では、最後の仕上げといくでありますよ、ツヨスギル」
『了解、ユウ』
――私は、全身の気を練り上げる。
隣にいるツヨスギル女史も出力を向上、気に相当する物を作る。
私は、ツヨスギルと向かい合い両方の手を握り合う。
――私は右手側に、ツヨスギルは左手側に気を全て集中させる…!!!
『「ハアアアアアアアアアアアアア……………………!!!!!!!!」』
私たちの重なり合った手が光り輝きだす…!大量の気のおかげだ!
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”」
それに反応して、肉塊が触手をぶつけんと迫る!
――だが、最早今の”私たち”の敵ではなかった。
『「――これ以上、私たちの邪魔を、するんじゃあない――――――!!!!」』
――放たれる光の奔流!!!
それはすべて肉塊の中へと吸い込まれ…………
「ア”」
――そして。そのすべてを消し去った。
――――バッゴオオオオオオオオオオオオォォォォォ……………
――後から聞いた話だとその音は世界中に響き渡ったらしい。
一言コメント:やはり巨大化は負けフラグ、だと言っておく。意識を失ったのもかなり大きかったと思う。
◆◆◆
第一位「ツヨスギル女史の告白に対してグダグダ言い続ける私ことユウ・シュウ」
◆
――いや、正直旅の途中から彼女の好意には気づいていたのだ。
『というわけで、結婚しようユウ』
「いや、自分は実際女性で…」
――だからと言って、終わったその瞬間に告白から結婚への流れにされそうになるとは思っていなかったのだ。
『そこはずいぶん前に気づいてたから大丈夫』
「ええっ、ばれてないと思ってたのは自分だけでありますか!?」
「いやそもそも、ええと、その…」
――しどろもどろに返答する私、本当に全然優秀ではない。
『…………ユウは、いや?』
「ぐっ………上目遣いは卑怯であります……」
『私は性別とか気にしない、そもそもロボだし』
「………あー、うー……」
『いいからはっきりする』
「――あーっ!わかった、わかりました!降参でありますよ!好きですよ悪いですかであります!!!」
――そうして私たちは結婚して今に至る、というわけなのであった。
一言コメント:どのような力を持とうとも、惚れた相手には勝てないのでさっくり諦めるべし。
◆◆◆
「――それで、この本どれぐらい売れたでありますか?」
『びっくりするぐらい売れてない』
「ええー…書くの苦労したのに、であります」
『途中から半分ぐらい惚気になってた、って感想が多い』
「そ、それはツヨスギルが可愛いから…」
――実録!すぐにでも倒されそうな敵100選!!!~作者の一言感想を添えて~
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