天邪鬼な「君」との日々をつづった物語。その特徴は「君」にずっと焦点をあてて文章が書かれているところです。「君」はとても天邪鬼な人間です。堅牢な天邪鬼であり、脆弱な天邪鬼でもあります。そんな複雑な人物のことを丁寧に観察して描写してみせることで、どのような人物なのかが明らかになっていくんですね。焦点をあて続けることによって人物を深掘りしていて、なおかつその人物がとても興味深い作品なのです。はたして「君」がどういう人物なのか、ぜひ読んでみてください。