転入生の少女に校舎裏で告白したら、いつの間にか2人で異世界に飛ばされていた主人公。
少女が言うには、主人公は魔王を倒すために選ばれた勇者だという話。
実は少女は魔王の娘で、恋愛禁止を破ったゆえの強制転移だったのを、咄嗟にごまかしてそんな話になったのですがーー、
実を言うと、この「少女=魔王の娘」という裏事情、作品紹介文では明記されていながら、作中ではギリギリ示唆までに留まり、はっきりと明言される場面はなかなか有りません。
それが不思議な多層構造を生み、「誰かに見所をおすすめされた本を読み、それを実感する」ような感覚があります。
実情を知った主人公の反応も楽しみに読み進められますし、物語の本筋としても、隠し事がある上での登場人物の思惑、主人公とヒロインの些細なやりとり等、色々と魅力ある作品です。