第二章 地球
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タカヒサは自室に戻り、ベッドの上でゴロンと横になっていた。腕を頭の後に組み、ボンヤリと地球の事を考えていた。「地球かぁ・・・」そして何かを思い立って体を起こすと、デスク上のディスプレイに向かって言った。
「PUZ!地球について教えてくれ!」
「了解しました・・・ラ・ビュー工科大学、宇宙物理学研究室に最適なデータベースが有るようです。暫くお待ち下さい・・・」
暫くすると、PUZが喋り始めた。
地球
・太陽系第3惑星。その誕生から約46億年が経過しており、太陽系の誕生とほぼ同時に形成された。
・地表付近は珪素が豊富で、他に数種類の金属元素も含まれる。一方、中心部分は鉄、ニッケルの溶融体で満たされている。
・温暖化により極地の氷が解け、地表面の97%は液体の水で覆われている。
・地表は窒素・酸素を主成分とする大気によって覆われている。
・太陽の周りを楕円軌道で周回し、約356日に1回の公転、約24時間に1回の自転をしている。衛星は月。
・地球の赤道面は、公転面に対し23度45分傾いており、季節変化の主要因である。
・半径が6378㎞のほぼ球体であり、その質量は5.974×E24㎏である。
・大きさと質量から得られる平均比重は5515で、太陽系で最も密度の高い惑星である。
・生命が発生した唯一の惑星である。
タカヒサは更に聞いた。
「地球の南極に絞り込んで、もっと詳しい情報を」
「了解しました・・・連邦博物館のデータベースにアクセスしますので、暫くお待ち下さい・・・」
南極
・南極点、もしくは南極点を中心とする南極大陸、およびその周辺を言う。
・南極地方には、大陸以外に南極海、太平洋、インド洋、大西洋の一部が含まれる。
・南極を中心に南緯66度33分までの地域を南極圏と呼ぶ。
・1961年に発効した南極条約により、南緯60度以南の領有権主張は凍結されており、軍事利用は禁止されて・・・
タカヒサはPUZに割って入った。
「そういうのじゃなくって、植物に関する情報が欲しいんだ」
「了解しました・・・連邦宇宙開発局のデータベースにアクセスしますので、暫くお待ち下さい・・・」
しかしPUZは手こずっているようで、なかなか喋り出さなかった。
「どうした、PUZ?」
「アクセスが拒否されました」
「拒否だって? じゃぁ、B&F社のデータベースはどうだ?」
「B&F社のデータベースに、地球の南極に関する物は存在しない様です」
「そうか・・・」
逆にPUZが聞いた。
「どうして地球の事を?」
「今度の仕事で、地球に行く事になったんだ。行く前に色々知っておきたいと思ってね」
「地球に関する最近のレポートは、地下の鉱物資源に関するものばかりです。南極の植物に関する物は見当たりません」
「だと思ったよ」
「結局は行ってみるしかないという事ですか。『百聞は一見にしかず』と言うやつですね」
タカヒサは目をパチクリさせて言った。
「人間みたいな事を言うじゃないか?」
「私も早く地球に行ってみたいです」
「誰がお前を連れて行くと言った?」
「私のサポート無しで行くつもりなのですか?」
タカヒサはPUZの意地悪な質問には応えず、エバニッシュが言った事を思い出していた。
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