02 白刃

 仕事。


 街の掃除。


「よお」


 部屋に転がり込んで、ひとり。


 きらめく白刃。かわす。


 そのまま壁を蹴って。


 ふたりめ。


 着地して三人目。


「よし」


 事前に警察から連絡のあった、新興の組織。


 何事もなく、仕事は終わった。あとは警察が、勝手に連行していくだろう。


 扉から、外に出る。


 仕事前に買った、コーヒー。飲む。


 うまい。


 十円玉を眺めながら、歩く。


 ああいう、女子高生みたいな人間を脅威から護るために。自分は存在する。特に、新興の組織は学生を狙いやすい。


 十円玉を財布にしまって。


 目の前。


 警察官。


 こちらに、銃を構えている。


 震える手。


「そんなに震えていたら、当たるものも当たらんぞ」


 こいつが、組織を街に手引きしたのか。


「ほら。撃ってみろ」


 昼にコーヒーを買った、自販機の前。


 警察官。


「いや違うな」


 警察官の服によく似た、警備員か何かの服。


「はあ。やってられんな」


 構える。


 さっさと終わらせて、帰ろう。


 ここで、だらだらとしていては。


 誰かが来る。


「おじさんっ」


「くそっ」


 偽警察官。


 声の方に銃を向けた。


「やめろっ」


 間に合うか。

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