花は咲く

Elinzia

たとえ核の火に地が焼かれても

おじいさんから ぼくはたねをもらいました

くさのはえているところに うめるといいといわれました

いっぱいさがしたけれど どこもかしこもすなとつちしかありませんでした

くさのはえているところは どこにもなかったので

すこしたかいおかのうえに それをうめました



みずをあげにいこうと みずうみだったところに いきました

みずうみはすっかりひあがっていて みずたまりだけがありました

みずたまりから すいとうに ちょっとのみずをくみました


もどろうとすると けひゃひゃとわらう おとこのひとにあいました

みずをくれといわれたので くびをよこにふりました

するとなぐられそうになったので めをつぶりました

ごんとおとがしたので なみだがでそうになりましたが

いたくなかったので めをあけました

おおきなきが たおれていました

おとこのひとは きにはさまれて うごかなくなってました

それからぼくは いえにかえりました

だれにも あいませんでした

かえったあとに みずをたねをうめたところにかけました



たねをうめたところから めがでてきました

またみずをあげようと みずうみだったところに いきました

まえよりもちいさくなったけれど みずたまりはありました

ちょっとのみずを すいとうにくみました


きのたおれていたところで ひをふりまわす おとこのひとにあいました

しょうどくだといいながら ひをつけていたので

このまえのおとこのひとも たおれていたきも すっかりもえてしまいました

もやされてしまうとおもったので ぼくはちいさくちいさくまるまりました

するとぎゃあとさけびごえがきこえたので びっくりしてめをあけました

おとこのひとは ひをじぶんにおとしてしまって もえていました

あとには はいとほねだけがのこりました

はいははなにいいと おじいさんにきいたので

ぼくはすこしだけはいをにぎりしめて かえりました

はいとみずを めのまわりにあげました



めがおおきくなって はをつけました

またまたみずをあげようと みずうみだったところに いきました

みずたまりは もういくらも ありませんでした

ちょっとのみずを すいとうにくみました

みずたまりは すっかりひあがってしまいました


はいとほねだけがあるところで ないふをなめている おとこのひとにあいました

このないふには どくがしこんであるんだと わらっていました

きられたくないなとおもったので ぼくはいわのかげにかくれました

けれどもいつまでたっても おとこのひとはおいかけてきませんでした

おかしいなとおもって いわのかげからそっとかおをのぞかせました

おとこのひとは ないふをくわえたまま うごかなくなっていました

はないがいのくさが まわりにはえてきたのを おもいだしたので

ぼくはそのないふをそっととって ていねいにふきました

そしてないふとはいとみずをもって いえにかえりました

はいとみずをあげ ほかのくさをないふできりました



あめがふってきました

ぼくはおじいさんと いえでじっとしていました

あめはたっぷりふってきて しばらくくみにはいかなくてよさそうでしたが

ぼくはやっぱり はながきがかりでした


ふいに いえのどあがいきおいよくあきました

むちをもったおとこのひとたちが げんかんにたっていました

いえにはなにも ありませんでした

そのことをいうと おとこのひとたちは ますますおこりました

むちでたたかれてしまうと ぼくはおじいさんとだきあうためにさがりました

すると なにかにあしをひっかけて ころんでしまいました

いたくで こわくて なきそうでした

それでもかおをあげて たちあがりました 

おとこのひとたちは めをまわして たおれていました

よくみると ぼくがつまづいたのは おとこのひとのむちでした

かれらがおきあがらないうちに ぼくはないふをつかいました

そしておじいさんといっしょに うごかないかれらをおかのしたにうめました

はなは あめにかくれて みえませんでした



あめが あがりました

ぼくは おかのうえまではしりました

おかのうえには おおきくて きれいなはながさいていました





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