宝石箱

綾瀬七重

第1話

私の宝石箱

あなたとの思い出が詰まった宝石箱

1つ覗いてみよう


覚えてるかな?

高校3年生の中間テスト

お互いの苦手な教科の点数で競ったよね。

私が物理で、あなたは古文

私が負けたらあなたに奢るのはサイダーで、あなたが私に負けたら奢るのはいちごみるくだったよね。

結果は私があなたに2点差で勝ったの。

昼休みにお昼ご飯を食べていたら汗をかいたいちごみるくのパックに

「テストお疲れ様」

って書いてあった。


このときかな?

このときだったのかな?

きっと明確にあなたが好きだと思ったのは、この時だろうね。

だから卒業式の今日、伝えようと思うの。

私の気持ち、受け止めてくれるかな?

高校生活最後の思い出の宝石箱がどうかあなたでありますように。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宝石箱 綾瀬七重 @natu_sa3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ