ショートシナリオ:犬耳/蝉に続いて

※ブランに犬耳つけようとした場合※


「・・・」


そろーりと後ろから、この為だけに足を返してもらったスノウの手には、犬耳の飾り。

対象は勿論、ブラン。

本を読んでいるブランに、こっそり犬耳をつけてやろう、という魂胆である。


────だが。



「あんぎゃああああああああ!?」


噛まれた。


「いだだだ!こっそり近づいたのにぃ!」

「気配だよ。」

「犬の勘じゃ────あんぎゃあああああ!?」


余計な一言でまた噛まれた。

そう、かつてブランは首輪を付けられたことがある。

よって、犬絡みの物を飾られることに警戒するようになったのだった。


・・・後から話を聞いたフロウはいたたまれない気持ちになったとか。









※蝉に続いて・・・※


「イグニスー。立ったまま腕出してー。」

「・・・今度はなんだ。」

「いいから!」


イグニスはひとつため息をつき、腕を前に出す。

そこにコメットが捕まり、ぶらーんとぶらさがる。


「・・・」

「・・・」


沈黙が流れる。

何がしたいのかさっぱりわからない。


「・・・何だこれは。」

「ミノムシ」

「剥いでやろうか。」


蝉は分かりやすかったがミノムシじゃ何も言わないから伝わらなかった。

少し不満げな顔をするコメット。

なんだ、分からなかったのが不満なのか。


「どうせならもっと高くだな。」

「わぁい────じゃなあい!!」


高い高いをしてやると、やはり抗議された。

解せない。

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