第25話 アダイ再び
「ヨウジさま! ヨウジさまはいるだろうか!」
時間が過ぎて昼になった。
のんびりとベッドの上で横になっていると、アジトの中に聞き覚えのある声が鳴り響く。
「おや。この声は……?」
「昨日の熊人族の男のようですね。名前はたしか……アダイと名乗っていたでしょうか」
アダイというのは以前に俺たちのアジトに侵入してきた獣人である。
妹が病気を患っているということで髪の毛を渡したことがあったのだった。
「ヨウジさま! 良かった! やはりここにいたか!」
入口の方に歩いていくと、大きな袋を持ちながらも満面の笑みを浮かべるアダイがいた。
「妹さんの病気は良くなったんですか?」
「ああ。そのことなんだけどな! ヨウジさまの髪の毛を与えたところ……嘘みたいに元気になったよ! 本当にヨウジさまには本当に感謝している……!」
満面の笑みを浮かべながらもアダイさんは言う。
「これは妹の病気を直してくれた礼だ。受け取ってくれ」
アダイさんが持っていた袋の中を開ける。
そこには実に様々な物資が詰められていた。
ほうほう。
これはなかなか良いものだな。
ハチミツ、塩、などの調味料を始めとして、トマト・豆などの野菜類も充実している。
やるなアダイ!
気を利かせて森の狩りでは、手に入れることができないものをチョイスしてくれたのだろう。
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