大学生とすれ違い

「うお! フッカフカだぞ未来!」

「なぬー! 私もー!」


 俺は新しいマットレスを開けてベットに敷くととも飛び込んだ。 ほこりがどうとか気にすることなく未来とともに新しいマットレスの上を跳ね回る。


 一瞬体が沈んだかと思うとすぐに沈んだ分が返ってくる。 ホテルのようにフカフカでこれから毎日これで寝れると考えると楽しみで今日の夜まですら待ちきれない。


「なあ未来! 一緒に寝るか!」

「え、その…… さっき外に出たばっかりで汗もかいてるし……」


 急にもじもじし始めた未来に疑問符を浮かべつつも俺はポンポンと俺の横に来るようにマットレスを叩いた。 未来は恥ずかしそうに横に来るとコテンとベットに寝転ぶ。


「つっくん、ほんとにいいの?」

「ああ、幸い夏休みなんだし今日は午後に何も予定ないしな」

「え、そんな長くするつもりなの?」


 いまいち未来と会話がかみ合っていないような気もするけれど、心地の良いマットレスと隣に未来がいる幸福感で眠気はピークまできている。 もはや何も考えることなく俺は眠りに落ちていった。




 *




 今は何時だろうか。 目覚めたはいいが心地よすぎて目を開けたくない。


 隣から温もりを感じるがおそらく未来だろう。 何かもぞもぞと動いているが寝返りを打っていると思われるので特に何もすることはなくまた眠りにつこうとする。


「つっくんのバカ」


 はっと目を開ける。 すぐに隣にいる未来を確認する。


 なぜか未来の目元は湿っており、寝言で俺のことをバカバカと言っている。 俺が何かひどいことをする夢でも見ているのだろうか。


「未来」

「んん……?」


 見るに堪えないので声をかけて起こした。 未来は指で目元の涙を拭うとまだ眠いのかボケーっとし始めた。


 俺はそのうちにスマホを手に取り時間を確認する。 今は夜の六時だった。


「もう六時だけどご飯どうする?」

「私が作るからいいよー」


 未来はそう言って部屋から出て行ったがなにか俺に対して冷たいような気がした。 とりあえず気のせいだと思いつつ俺はパソコンを開く。


 ご飯までの時間にもできることはあるだろう。 ただでさえ夏コミやらで執筆が滞っているんだから少しでも進めなければ森さんに合わせる顔がない。


「つっくん、ご飯」

「りょーかーい」


 作業を進めていると未来に呼ばれたのでリビングに向かう。 机には山盛りのカレーが乗っており俺は見るだけでお腹が鳴ってしまった。


 席に着き、手を合わせていただきますと言う。 すぐにスプーンを持ちガツガツと食べ始める。


「つっくんはひどいよ……」


 俺がカレーを食べている姿を見て急に未来が言い出した。

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