第12話
俺はアーバーンの所に水の身体を自分で遊ばせつつ、移動しながら考える。アレはまだ伏せておくべきか。それとも使ってしまうべきか。……いや、正直、状況的に隠す必要性を感じないレベルの所まで此方には公の力が集まって来ては居るので、正直に言おう。要するにそれはシステムが構成される上での重要部品の内のスペアの一つだ。俺はある事件でそれを入手したのだが、他の部品を自作してしまえば、自作のシステムを得る事も夢では無い。奴の都合に左右されずにシステムの力を行使出来る様に成る。……のだが、召喚システムがいきなり出来た事で問題は沢山起きた。その状況でその権利を公に行使しようものならば、元凶扱いされる可能性も十分に有った。つまり、それでもしもシステムを自作出来ようが、その自作システムを公に使えばシステム作成者が負うはずだった責任を被される可能性が有る訳だ。でも研究はした。それなりに簡易的な物なら創れる様にも既に成っては居る。だが、それの使い時が無い。小型なら世界を創る技術も出来てはいる。なら、その二つを組み合わせるとどんな物が出来るだろうか?……まあゲームで言うサーバー分けとかしたらシステム作成者がそこを守る理由なんて無いので、初心者狩りがその世界には大量に押し寄せる事に成る気がする。少なくともシステム作成者が撃退した連中がそこに来るのは想像に難くない。つまり、切り札として作用する物では有るが、問題を大量に呼び込む物な訳だ。但し、システム作成者が従うか死かの様なシステム構築に作り替えて来て、選択肢を突き付けて来た際に逃げ先を創るサブの選択肢としてそれは選べる物では有る。その時システム作成者と戦うよりかはまだマシだろう。そいつにワンパンされた奴が敵なのだから、それよりはまだ難易度は低いはずだし。それはヤバイ風に世界を改編しされなければしないで済む話だ。常識改編的な手段を使われて無いだけまだマシな範疇では有るだろう。いや、他の世界の奴と度重なる戦争をする展開を受け入れて、その方がまだマシだろうと確実に言える仕組みを創られると言うのが行われるとしたら、その結果は相当ヤバイ事に成って居る事だろうし……。まあ、そう言うのをされたらそれで世界から逃げられても世界の個人運営なんて他に即座に首を狙われるだろう。主にそいつの匙加減次第で幾らでもやばい状態に出来ると示された後に成るのだし、個人で管理なんて出来ない様にせざるを得ない。条件的にそれが起きるのは世界の個人管理の悪い例の結果を見せられた後に成るのだからそうなるのも仕方無いと言えば仕方ないのだが。システム作成者が創るシステムではシステム作成者には勝てない。なら、システムに頼らない筋肉こそ全て?前提と成る法則を歪ませる魔法が有りの世界でそれが百パーセントで通じるとか言われても現実味は無いし、それに水掛け論的な解法は水掛け論的な解法で凌駕される。故に議論的にはステータスを完全開示したらマウントは取られ放題である。あくまでもそれが議論だけで終わるなら、だけどね。
☩
しかし、システム作成者は要するに後出しじゃんけん出来ない様にする奴が有れば倒せるのか?だが、魔法其の物の構築妨害、発生する魔法の無価値化とか色々と有るにせよ。要は攻略にはそれを封じる為の力を壊せば良い理屈の物ならゴリ押しで解決出来るから格上には意味が無いし。やるなら格上にも効く奴だよな。……いや、まあ外部の力に頼るのが有りなら、例えばシステムにそれをやらせれば自分よりも格上の相手でもシステムよりかは格下扱い出来る奴になら効くけども、システム作成者にそれは厳しいだろうしな……。あ、そうだ。要は相手に都合の悪い世界に相手を入らせてその状態でぶん殴れば良い。……いや、だが、自分がそれにだけに順応しているのではその小型世界が壊された時がね……。あ、ならば特殊な分身を創ってそれに小型世界を纏わせてから、その個体に小型世界を合わせるようにすれば良いか。そしたら大抵の奴はワンパン可能な水の巨人が運用出来るかも。良し。アーバーンに提案してみよう。そしてアーバーンの所に行き話すと。
『前提条件上、根本原因のシステム作成者だと疑われるのが問題なのは解るわよね?』
『ああ、そうだな。だが、これなら一見すると強力なバフを受けただけの巨人だ』
『水霧、それはそうなのだけど、自律行動可能にしないと色々と問題が有るわよね?』
『……此方がそいつを制御する力が通る環境の世界でなければならない的な意味でそれはそうだが……要は順応不足で起きる問題なのだから、事前に両方の世界に対して順応して置けば良いだけだろう』
『二つの世界に対して同時に順応、ね。そんな事が可能なのかしら?暑い所に居る為の装備で、寒い所に居られますか?的な意味で、いや、仮に万能系道具で同時に順応して解決とか言い出すと問題点を言うだけアレよね』
『アーバーン、順応と迄行かなくとも、部分ごとに着る衣装を変えれば良いだけだし、要はその環境での力の制御に事前に慣れて置けば良いだけだろう。行けるさ』
『なら、やってみましょうか。……仕様違い故のデメリットがそのまま武器に成るなんてね……だけど、ドッペルゲンガーとかはどうするの?相手の能力を真似る系能力全般はそう言うのに対して専用の仕様が能力に組み込まれて無いと普通に真似られるわよ』
『まあどうしてそいつだけがその能力を持てるのかって部分を真似されたら普通に唯一無二的な能力とかジョブとかも真似られるだろうからな。今までも散々要所度々戦って来たし。……まあ、アレだ。最強無敵の能力が有るだから只単にそれだけで最強……とか言う奴は、その理屈が潰れるミラー戦闘には普通に勝てなそうだしなあ……』
『何度負けても死なないか死んでも大丈夫にする能力とかどうなのでしょうか?』
『多分それだけしか無いならなら自害不可能な状態にされて、何処かで投獄される落ちに成るのじゃ無いか』
『寿命で死んで遥か昔にリスポーン。とかされたらアレよね?』
……冗談キツイよ。
『……リスポーン先が此方の場所に再来と生存不可能な場所に成る様に能力でさせるか、リスポーンをして居る理屈を解析して不可能な状態に成る様にするくらいか?リスポーンの理屈を解析出来たら此方もリスポーン出来る様に成るだろうし』
『死ねば強く成るとかの類も居ますよね?』
『特に中身の無いのに高効果なレベリングが成立する能力全般ってステータス評価基準の別基準持ち出されるだけで能力でのかさ上げが評価されず幾ら強くても余裕で雑魚に成りそうなのだが』
『……水霧、オブラートに包んだ方が良いのじゃ無いかしら……』
『それよりも実験が先だ。やって行くぞ』
『はいはい。正直な話システム作成者が世界の前提を此方に都合の悪い様に変えない限りは必要無い物だと思うのだけど、他人の都合に左右される立場に居続けるのもアレよね』
そして実験を開始した。
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正直な話、この先あの野郎が世界の前提の改編をしない限り、今回の敵対者達とは戦う流れには成りそうも無い。けど、世界の前提を好き勝手弄れる、か。煩悩有る奴ならヤバイ事に簡単に出来る能力、だよな。煩悩などないシステム的な存在か、もしくはもう大抵の事をやり尽した後で、煩悩が尽きているだけなのかは知らないが、……前提を好き勝手弄れるならば、例えば常識改編物の同人誌的な物を世界の仕様として実物としてやれるだろうから、……そう言う事が出来る奴がそう言う方面の欲が無い事は喜ぶべき事だろう。……いや、普通に考えて他の世界との兼ね合いも有るのだから、仮にそれに全振りして置いて、そればかりにして居る状態で他の世界から侵略を受けたらアレでは有るか。全部自分主導で手動なタワーディフェンスもとい、ワールドディフェンスなんて相当面倒なのは想像に難くない。いや、外敵居たら世界の仕様変えて、その度に潰すだけで良いのだろうけども、世界規模で他人や機械に委任出来る事も全て自分でやらなければならない状態をやるのならば、軽く過労死物な気がする。いや、手軽にやるための能力でも有るのだろうけども。
『うがー。鍛錬を除いたら今明確にやるべき事と言うのが無くなったからな。鍛錬はこの先の展開次第ではその成果が必要に成るから外せないにしても、なんか他に無いか、何か』
『シュラ。ならエロな事でもする?私はしても別に良いよ?』
『……メンタルケアの名目でそれを受け入れるのも別に良いのだが、なんか怖いくらいに好感度が上がって無いか?無理して無い?』
『……あはは、そんな事、無いよ。……いや、嘘。貴方から離れると私は殺される気がして』
『……意地でもそんな事にはさせないから、さ。安心しなよ』
……そうか。ガルアに詰みイベントがこの先起きない保証は無く、仮に俺から離れたからと、詰みイベントを前に起こした奴ら側がそれを考慮なんてしてくれる訳も無く、また詰みイベントを起こされるだけか。なら、此方に好かれないと後は死ぬだけ、と。なんか萎えた。色々と萎えた。其処に連絡が入る。さて、捕虜を捕まえたらしいからそちらに行こうか。そして移動して、捕虜の場所に行くと、捕虜は粗方情報を抜いたので処分として殺したら無傷な状態に戻ったらしい。……あー、リスポーンとか自己蘇生とかそう言う奴?まあ此処は、さくっと殺しますか。そしてある力を込めた武器で普通に殺す。すると。
『何が起きたのですか?致命傷を受けては無傷に戻るのを繰り返して居ますよね、これ』
『一言で言えば、蘇生後迄有効なダメージ継承。死亡相応のダメージを蘇生後にも引き継がせて居る。だから蘇生後に即座に致命傷を受けた事に成ってまた死ぬ。それをリピートして居ると言う訳。要は死亡時に成長して復活する系能力持ちでも無ければ力が続く限り半永続キルが可能だ。……後は根比べかな。ゲームのキャラクターを扱うプレイヤーみたいに痛みが行かないならアレだけど』
☩
其処でまた連絡が入る。問題はまだまだ続くらしい。報告によると、何でも町の皆の様子が定期的に可笑しく成るらしい。だが、本人達にはそれは何も問題無い事だとされ取り合われなかったので別所の方に問い合わせした、と、……いや、定期的に皆が可笑しくなるのに、それを皆が自覚して無い?可笑しいだろそれ、何だ?なんかの能力か?その人はどうやら聴力が欠落して居るらしいが……ハハハ。嫌な予感がするな。これを言う人が、耳が聞こえない以上、何か有るなら恐らく音を使う何かが原因なのだろうが。その問題の時間らしい時間帯に計測器を付けたドローンを国側に許可を取り、該当区域に飛ばすと……可聴域外の音が大量に巻き散らかされていた様だ……これ、やばい奴だ。多分直接聞いたらアウトな奴だろう。町中の奴が音を介した催眠術で意のままに?いやいやいや、そんな事が普通に出来るのならば、今回が初回に成らずにもっと前から問題に成っているはず。何かそれを成立させるための種が有るはずだが……そして調べると……その町は町おこしか何かで色々な物を最近町に大量に配置したのだそうで、……うわ、多分それに紛れて何かやばい奴も配置する奴が出た奴だ。……とは言えまさか生身で其処に調査と原因の除去作業に行く訳にもいかず、聴覚のそもそも無い自律ゴーレムでも創って不審物除去でもして貰うか。……いや、嫌な予感がするな……。報告のデータを、音声を零にして機械に検分させる。音を聞いたらそれだけでアウトな催眠術、か。元凶と戦うなら音を出す結果に成る全ての手段を使わせては成らないだろう。何なら空間を無音状態にする能力とかは最早有るのが前提レベルで欲しい。……だが、喋らせてもアレだし、何か書かせる道具を持たせるのも音が出てアレだし、音が消せないと完全に無力化したいなら取り調べも何も無くなりそうなのが……。捕まえても満足な取り調べが出来なそうなのに捕まえる意味よ……しかし、犯罪行為を物理的に続けさせ無い事は出来るか……けどな……。相手より弱くとも相手より格上の奴を差し向ければ良い。に対してその差し向けられた奴より格上なので大丈夫です。とか言われても、格上を倒した話には成らないから、論法的にはその状況は論破出来て無い。だが、これは此方のミスか。解析情報自体になんかあったかね?毒を受けた感覚が有るが、そもそも化身系なので体と出来る範囲はかなり広い。故に少量の毒を当てられる程度ではそもそも必要量が圧倒的に足りないのだが、他はそうは行かないだろう。操られた周りから攻撃をぶつけられた俺は、そのまま体が崩れ落ちた。……まあ、生きているが、その場には即座には復帰せず、他に連絡に行く。さて、……あー、くそ。体崩壊検案は初か。四肢切断された件迄把握されていたらまだ生きているのを普通に疑うかもしれないが、まあ、俺は前提条件上、催眠術受けても問題なさそうなので、ゴーレムに調査させた設置された機器を全部遠隔で破壊する事にする。大量器物破損でアレだ?……金属系の奴ならゴーレムクリエイトの要領で創れるので、ストリートビューでも閲覧してそれを元に後で元に戻すから問題無し。そして原因だろう機器類を一斉に遠隔で破壊する。すると殺したはずだ。とか喚いている奴が居るな。そもそも、今は一人一つしか能力を使っては成らないルールの上で戦って居る訳では居ないのだから、そう思われて居るのはむしろ状況的にはアドバンテージでは有るのだが。まあこの状況でそんな事言うとか大方黒だよな……。まあ、催眠術でそう言わされただけかもしれんけど。しかしまあ、此方の戦力が多く成ったから安心かと思えば強制的な内乱発生ですか、本当にふざけてやがるな。まあ、戦力差多い所に裏切り者出させるとか、その手法自体はかなり昔から有る手法だけども、催眠術で強制的に、ねぇ……。ほんと嫌に成る。パラドクスクリーナメタは改編内容が正史としようとしなければ効果対象外な訳だが、要するに何を能力で押し付けようがそれは事実ではないと言うスタンスの能力でなければならない。事実を変えられないならばどうにでもしようが有る。……いや、本来ならこの内容は逆な物なのだろうけども。能力のカタログスペック勝負ではやれる事が多い方が良いとか強いとか言うのは自然だ。その設定で火力や出力限界迄明確に決めているのでなければ後は使い手側の努力の問題なのだしね。似たような能力持ちでも器用貧乏と万能を同一視するのは違うだろうし。あー、一先ず水霧浄土側は問題無いだろうから伝えないと味方に殲滅されるな……いや、音を使って洗脳して来る奴のことを音で伝えて良い物か?一通り紙に書くか……。そして一通り紙に書き水霧浄土の所に向かった。
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