第9話

 世界を創る。今回の話の場合、それだけならやれる奴はある程度は居るだろう。完成手本が既に存在して居る的な意味で、ね。だが他人の創った世界の只のコピーなら、その創った他人に都合の良い仕組みもそのまま世界に組み込む事に成る。只のコピペでどうしてそれが出来ているかの理由や理屈の理解を出来てない奴がそれの調整を何も問題無く上手く出来るとは思えないのだし。まあ最悪、今居る世界を複製すれば、キャパシティオーバー回避のための手段としては最低限の目標は達成出来るが、世界の創造主が敵な場合は利敵行為に成りかねないので避けて置きたいと言う事。まあ、数千数万単位の数の能力が継続的に飛び交って初めて起きるレベルの奴を少数で起こせるなら、そもそもあんな事故が起きる前に公表されて明らかにされているはずだしな……。強いからそれが出来ますとか言い出す奴も居るのだろうが……。単独でそのレベルの奴をやれる奴がわざわざそれを潰す手法なんてそもそも要るのか?的な意味で無駄な気がする。主にそれをやるための実力を普通にぶつけた方がマシじゃ無いか?自分側の能力も戦闘で使えない状態にする訳だし……。むしろ普通に戦うより難易度上がる気がする……。いや、そもそもよく考えれば処理落ちと言うのがメンテナンスシステムのオーバーロードの結果の物なら、現状通常戦闘に使われるシステムでは処理落ちが報告されてない的な意味で何ら問題無い状況でしか無いのだが……まあ対策無しはさすがに不味いだろ……メンテナンスシステムが通常のシステムと同じや、それよりも大きなキャパシティでした……とか成らない限りは大丈夫なのだが、まあ、念の為。能力を通しさえすれば勝ちの勝負と言う状況に出来てないとシステムハック対決で勝てても無能力で耐えられるなんて成ったらシャレに成らないからな。それでシステムが復旧されるまで凌がれたらまたシステムハック勝負からやり直しなのだし。それは勘弁願いたいからね……。ん?そう言えば、世界外でもシステムは使えるのか?それで使えないなら使える方法を考案し無いと話にならないか、これは……。……空間上に有る物なのだから、空間を運べる能力が有れば良い。それが出来るのは三人ほど当てが有るが一人は元上司だし、一人は罪の軽減策の交換材料としての協力してくれている奴だし……久々に彼女に連絡を取るか。


『……私達の事は別の仕事を与えて体よく捨てたのかと思っていたよ』

『……アルコーン・リノベート……重要なのは解るだろ?彼方の護衛も』

『……正直低次神格の私からしてみれば、神格個体が大量に敵として来る可能性が有る奴の護衛なんて役不足じゃないかなって思うのだけど』

『神格個体と一言で言っても成れる方法論的に強さはピンキリじゃ無いか』

『で、創るだけ創って体よく捨てた私達に何の用?』

『……空間調整の力で空間を世界外に運べるかなって思ったのだが、やれるか?』

『試したことが無い的な意味で分からないけど、やるわ。だから時間を少しくれる?』

『解った。じゃあ、そうだな、前に所属していた軍部拠点に行くから其処に来てくれ』

『解ったよ』


 そして其処に来て貰い、実験を行う事にする。


『空間上に召喚システムは有るから、空間を運ぶ事で間接的に召喚システムを運ぶ。そしてそれを前提に戦う。うん。概要は解ったよ。つまり、壊されたら負けの宇宙船を守りながら宇宙を進み戦うタイプのゲームみたいなものだね。それで私はつまり、宇宙船のHPゲージ側を担うと言う事で良いかな?』

『……そうなるな』

『つまり私がアーバーンよりも私がメインと言う事で良い訳?俄然やる気湧いてきたよ』

『……よろしく頼む』


 そして実験を開始した。



 他の世界の奴が此方の世界に来る手段を潰すために他の世界か何かに殴り込みに行く……ねぇ。パラドクスクリーナーは世界の力を誘導すると言う性質上、他の世界に行くと碌に使えない訳だが。いや、他の世界の力を把握したら別だろうけど、……他の誰かに都合の良い世界のエネルギーなんてその他の誰かに都合の良いエネルギーな可能性も有るし、使ってもあまり意味無さそうな気がするから、俺はそれには参加せずの防衛役を引き受けるのがベタだろう。……はぁ。明らかに面白そうな話で俺は留守番かよ……。良くないけど、まあ良い。水霧を計算から外した戦力で迎撃するのも問題無い……また似たのが来るならば結局は俺一人で戦うのと変わらないのだしね。世界の力を誘導すると言う事は出来るのだから、要は世界のエネルギーを制御して戦うと言う事も出来るはず。それならシステムの処理落ち対策としては十分だろうし、世界に既存の物を整形し直して居るだけだから、それだけで処理落ちが起きるなら、今もう既に起きていないと可笑しい的な意味でさ。どんな設定を積み上げてこようが、それを崩す力でそれを崩し合う。幾ら設定的に最強で有ろうがそれを崩す力のぶつかり合いと言う概念でそれに勝ちさえすればその設定群を度外視出来る。……ありとあらゆる設定全部を含めた崩し合いを行えるシステムと言うか、能力。能力バトルとしては本末転倒な様に見えるが……でも、これならば例えば敵が仮に全知全能でも、成立すればその全知全能と言う前提を崩せるのだから。悪くは無い。悪くは。だが。それに存在する能力の全てがそのシステム干渉で干渉出来る物しか無い……だがシステム類に一切頼らない単純な物理脳筋タイプの奴には関係無い気もする。何が言いたいかと言うと、システムハックでシステム破壊をしたとしても、世界次第ではシステム保護下と似た挙動を実現する奴が居るのじゃ無いのか?と言う話。まあそんな奴が大量に居て堪るかと言う話では有るけれど。システム破壊出来たとしても只の物理で凌がれたらアレだしな。只の物理だけでは凌げないだろう物をぶつけられたら良いが、まあそれくらいなら十分既に有るか。



 そして一週間が経ち、決行日に成った。システム保護下でなくともある程度は戦えるようにするためある程度の武器を用意して、いわゆる宇宙船的な空間上に積み込む。……ゲームなら無制限ストレージとか有るだろうから問題無いのだろうが、そんな物は無いから流石にかさばる為、其処迄多い訳でも無いけれど、無いよりかはマシだろう。さて、殴り込みと言う話に成っては居るが、そもそも探索が優先なのは変わらない。……まあ相手が一定以上強いと言うなら戦う事には成るだろうから、解釈としては殴り込みでも間違いでは無いと言うだけなのだが。乗り込み員は全員分身体と言う事にするのがベタでは有るが、召喚システムを運ぶのも前提として必要なため、そうしたら召喚システムを献上する事とあまり変わらない。何故かと言うと、そうしていたらシステム依存の分身なんてシステム破壊されたら消えるので、単に運んだ物を鹵獲されるだけに成りかねないからだ。だから最悪な場合、そうされそうに成ったら最低限システムを鹵獲不可能な状態にする為の人員は要る訳で。故に少数とは言えある程度の人数はそれに乗り込む事に成る。まあ普通に相手方の世界に潜入出来たらそれはそれで良しなのだが、戦う事を前提にしていた方が無難だろう。相手側が強いと言うのならば、だが。そして出発の時間が来たので宇宙船に乗り込み、空間を制御する事で一気に世界外へと出る。背後にある世界の外壁以外辺りは特に何もない。……まあ此処で大量に外敵が居ます展開は無いのは事前調査で知って居る。だからそれは問題無いのだが、……フラワシが着いてきた。何でもフラワシが宿る物の範囲を広げたいからだとか。……大丈夫か?それ、他の奴らに全力で喧嘩を売って無いか?……だがオートマッピングの真似事はそれで出来るのだから、調査としてはそれで良いか。どうせ相手側が強いと言うならそれで変わるのは誤差の範囲だろうしね。そして暫く何も無い外界を進む事少し。フラワシが原生生物を見付けたらしい。


『原生生物が近くに居る様ね。回避するためにルートを北北東に変えましょう』

『解ったよ。そちらに進むね。……なんか原生生物は思って居たより少ないね』

『外界に自分から来たような奴は基本的に一定以上の強さでは有りますが、基本的に自前で高キャパシティの世界を創れない奴が多いのですから、もし強さが上位陣で有ろうとも、世界を創る力比べと言う観点だと最上位陣では確実に無いので、ゲーム的に言えば仮宿の空間で、中級者の溜まり場と言うのが正しいかと』

『……評価の観点が違うからとは言え、世界をキャパシティ的な意味で超えた様な奴らが中級者呼ばわりかよ……』

『彼方から来たよ。構えて……って体が……』


 敵に気付かれた様で、気付くと体が勝手に動いていた。自害を強制されている?それで俺は俺の首を絞めようとしていた……そもそも首を締めたくらいじゃ死なないのに、だ。……行動を強制させる。でも能力迄は操れない……と。つまり、特定行動の強制能力。自害に繋がるようなモーションアシストがされるようにしたアシストを敵側に掛けましたと言う奴だ。システムでその力を壊し、皆を助ける。……モーションアシスト、か。それ自体はありふれた物だが、それをバフ扱いにして、敵に掛けたと言う事だろう。此方が死ぬ方法がばれたらそれをされるように強制される訳で、攻撃を飛ばしてきたがそれを回避する為のモーションをモーションアシストで妨害され、攻撃が直撃する。敵の自害強制に回避妨害や行動妨害ついでに自分の行動補助と、更にはモーションアシストで無茶苦茶な軌道の遠隔攻撃迄……。なんだ、これ。要はモーションアシストの対象者を自分以外にもできるようにしただけだろう?これは……。だが、これに勝てなければ話に成らないだろう。モーションアシストで様々な事が出来るのは只の物理でもやりよう次第でそれが可能と言う事。つまり、此処は普通に勝てなければ当然他も倒すのは厳しい。だが、撃破する必要はそもそも無い。手札を晒す必要も。どんな能力を出されようがそれを壊せば良い。そもそも行動させるな。それらを消せ。まともに強さで議論なんてするような能力よりも主張の根底を崩す力の方が安定して強い……議論の前提が崩せるのだから。だけどそれじゃあつまらないよ。他に能力が有るのが前提の能力だけしかないなんて、そもそも他に能力の存在しない世界では何の意味も無い。塔を組み上げ高みを目指す奴に対して、塔を崩す力こそ最強とか言われる気分。自分を高みに上げるのではなく、他を低みに落とす事を前提にした力で理論。そんなのが欲しい?つまりは自分が高みには登れないと諦めているのに、他の奴らよりか高みに居たいと言う理屈だ。……でも、それでも今はそれを使わないとそもそも戦えない。幾ら積み上げようがそれらで崩して来る奴が居る以上は。崩す力を崩すために、ね。そしてシステム破壊をひたすらに繰り返し、後はそのまま離脱した。いや、倒したら不味い可能性も有る訳だしね……。ここからは少し急ごう。流石に相手方の尖兵と言う事は無いはずだが哨戒兵だったらアレだしね。そして速度を上げて二重円状の世界が在るのを発見し、そのまま離脱する事にする。流石に敵が居なさすぎだ。此処で攻め込むのは罠の予感しかし無い。場所は解ったのだし、すぐさま帰る事にしよう。



 はあ……だめだな、こりゃ。これは調査に此方がある程度の奴を差し向けるのを待っていたパターンだろう。大量な軍勢がこの世界の外部に蠢いていた。だがそれだけで済んでいる。相手方の世界を渡る奴の先遣隊を即座に潰せた為だ。要は高山病の一種だろうが、それは二つの世界がほぼ同じ環境のみで構成されて居るのでも無ければ、それが起きるのは大して不思議では無い。それを補うのがシステムでは有るが、そのシステムを此方が壊す手段がある為に、言うなれば相手の着る宇宙服を此方が初手で破壊した様な物か。これは面倒だな……世界の外からの全破壊展開は相手が強奪狙いで来て居るなら無いだろうが……。それで世界の境界線で二つの世界の軍勢は膠着状態に成って居た。宣戦布告をされるにしても微妙な状況では有る。……何せ相手側は此方の世界に入ればシューティングゲームでの一撃で死ぬ雑魚敵の様な状況に成る。……そうなる様な世界をわざわざ奪い、使う価値とは?此方がわざわざお引き取り願うまでも無く、損得勘定的には相手側は撤退検案だろうね。相手は全軍オワタ式戦闘を強いられる訳だし。……しかしこれは世界の仕様の差異から来る物。又は、単に此方は普通に生活出来る環境が他の世界の奴に取っての生活が不可能な環境と言うだけ。此方で言う只の空気扱いの物が他の世界の奴にしてみれば毒ガスかもしれない。世界が違うと言う事はそう言う仕様違いも普通に起きるだろう。今回の事はそれが勝敗を分けるレベルで大きかった結果なのだろうけど……。まあ宇宙服扱いのも此方は壊せるし。おっと。エネルギーだけ掻っ攫って撤退なんてさせるか。俺は世界のエネルギーを誘導して世界のエネルギーが世界外に出るのを防いだ。……。さて、どうしようかこの状況は……。例えば攻撃に世界のエネルギーを多く使い……。とかやったらそのまま離脱されるよな。……。ああ、回答としては無人機を大量投入、か。……。エネルギー資源回収だけ出来れば良いのだから、そもそも侵入する中に人が居なければ良いと。……。はぁ……。流石に此方を舐め過ぎだろう。俺は世界のエネルギーを制御し、信号なり電波なりを遮断した。無人機は自律行動を開始したが、それをメインとして運用して来ているAI兵器ならまだしも、この出来ではメイン兵装とは言えないだろう。いや、敵地に持って行く兵器で完全回収が無理筋な相手にぶつける兵器としては妥当な所だろうか?盗られても問題無い程度のテクノロジーの兵器的な意味で、だが。……科学が圧倒的に発達している世界ならそれでもヤバイ奴を出して来るかも知れないけれど、まあ世界のエネルギーを操れる以上敵が世界の中に入って来るなら鹵獲なんて簡単な訳だが。只単に互いの世界が互いに違い過ぎた事が原因……つまり、それは一定以上離れた構築の世界相手にはこれは簡単に何度でも起きると言う事。……異世界に行きたいなんて、今居る世界では無い物を求めるのが多いだろうにそれはあまりにも残酷では有る。……一応弱点相応の仕組みを受け入れればその限りでも無いが、システムで本来は生存できない場所で何とか生存している奴は要するに生命維持器官を剥き出しにして居る様な物か?相手側だけが壊されたら負けの宇宙服を着ながらガチ戦闘をするような物だ。それなら簡単に倒せるだろ。倒せない方が不味いまである……いや、システム破壊方法論を確立しているのが前提な訳だが、……流石に通常の現象で簡単に壊せるなら、それを侵略に使うには余りに無謀過ぎる訳で……。実際此方がシステム掌握して無ければシステムを簡単には壊されては無かったろうけれど、どうしろと?この微妙な空気は……。まあこの話の前提条件上他の世界に拉致される奴が出たら不味い訳だが……他の世界の記憶なり体験なりをパラドクスクリーナーの対象に据えれば良いだけでは有る。そしたら即座に奪還完了だ。そうでなければ先の敵の時間戻しを自分に掛ける事で離脱とかもされていたはずだろう。まあその理屈を使うなら他の世界に進出するのは止めた方が良いが、……ってああ、ワンパンじゃ無い奴が出て来た。恐らく環境適応系の能力持ちかね?……まあそれなら此方がワンパン出来る理屈は崩れるか。その理屈は貰おうか、……って即座に転移転送して来てある程度の奴らを拉致して来た?……俺は能力の都合上他の世界に行くのは厳しいのだが……。でもそれが仮にもし相手側の世界にまで届くと言うなら、侵略戦争なんてしなくてもそもそもそれだけをして来れば話は済んだはずだ。つまり、まだ相手の世界に入らなくても奪還のやりようは有るのだが……。相手方の世界に入るなら場此方が敵をワンパン出来て居る理屈を一時的に放棄しなければならない。上に相手のその理屈を使われかねない。まあそれが出来るならそもそもこう言う形に成ること自体が可笑しいが……。どうせ此方の世界其の物を壊すのは占領目的ではアレなはずなので、世界のエネルギーを制御し、其処迄領域を広げ無理矢理その拉致された奴らが居る所もこの世界内の扱いにして、後は各自に対処させた。根柢の仕組みが違う奴らが創っていた能力的な無力化をする拘束道具なんて、そもそも拘束の仕様対象外的な意味で意味を成さない。いや、ちゃんと研究して、此方の奴らに効く形の奴を研究して造れば話は別だろうけど……。今回の場合はその研究に必要な情報が相手にはそもそも足りていない条件だろう。情報獲得系チートや知識系チートが有るなら話は別だろうが、それが有るならそもそも今回の様な事には成らないだろう。流石に其処迄馬鹿じゃ無いよな……。だからそれで有るのにこうなったとかは無いだろ。そうでなければ最初の奴らは只の無駄死にだし……。ん?撤退していくな……なんか相手の勝利条件満たすような事でもされたか?エネルギー資源は盗られてない。人員も囚われて無い。……いや、データをコピーされた?いや、エネルギー資源目的なのに世界をコピーしてまで。流石に現実的じゃ無いよな。それが出来るならエネルギー資源を求めて侵略戦争なんてする必要が無い的な意味で。まあ撃退出来たなら良かったよ。アドバンテージでヌルゲーだっただけだから、まともな戦争展開に成らなくて良かった、良かった。良かった。



 見間違いかと思ったが、相手側の世界からの帰還中に新しい世界が生まれていた……それも此方の世界に酷似した世界が。……位置的に元の世界が此処に移動した訳じゃ無い、……よな?調査をしようとして、フラワシが毒を吐いた。


『あの世界はいわゆる誰かへの隷属とか支配とかを加えた上でのコピペ世界。各種奴隷とか労働力とかの大量獲得目的なら基本的にはコピペで世界を創るだけでも十分だもの』

『……【各種】奴隷?頭痛く成って来た。本人の知らぬところで似た姿形の奴が滅茶苦茶好き勝手されているのか……潰すか?あのコピペ世界』

『その方が良いけど、正直な話コピペ世界なら此方の世界の戦力と同等な奴が居るわよね』

『……召喚システムは基本的には早い者勝ちだ。そのコピペ世界が新規サーバーでは無く、サーバー拡張扱いなら、召喚システム関連で創られるのは基本的には此方の劣化個体なはず。それなら倒せるかも……だが』


『つまり其処が新規サーバー扱いに成ると同等の奴を出されても可笑しくないってことかな?だからと只のコピペで新規サーバー扱いにするのは無理が有ると思うよ』

『なら召喚システム関連に関しては此方の世界の拡張パック扱いに成るのか?なら統合で此方の世界の奴らの戦力増強に成り得るか?……だが……』

 其処でリノベートが同意を示し、俺はリノベートと話し出す

『そうだね。召喚システム関連以外の奴らに関しては、召喚システムの理屈は関係無いのだから、そうは成らないね。でも、召喚システム関連以外で超常の力を持つ奴らが大量に居でもしない限りは問題無いはずだよ』

『要約すればコピペ世界とだけ戦う場合は勝てなくはない所か此方の世界の戦力増強イベントに成りかねないが……本来の敵方もそのままだしな……』

『展開次第では考えなくても良い事だけど、別サーバー扱いだった場合も考えようよ』

『なら、隷属や支配とかをする都合上、思考能力がそれらで歪められている可能性が高い。つまり前提的に相手の此方のコピー個体は思考力に対してデバフが入って居る。そうでないとそもそも支配や隷属とかを永続的に出来ない様に成りかねないから、これはそう言う手段を使うなら絶対だ』

『……つまりコピー個体は本人より基本的に馬鹿ってことかな?』

『これは相手側の技量が低いのでは無くて、そうでないと、反逆されるだろ。能力で無理矢理従えて居る奴がそれから脱する方法を構築出来ない様にしないとアレなのだから』

『そう言う事に対してのみ思考が行かない様にすれば良いかも?』

『その場合、そいつとの戦闘中でその方面で攻めると戦闘中に思考的な意味での問題が起きたり、思考停止的な状態に成ったりしてアレな事に成るのでは?』

『流石にそれは……』

『万が一でも支配なりなんなりで従えている奴に反逆されたら盤面を引っ繰り返される。目的が勝てない相手に勝つために相手と互角に戦える増援を……と言うコンセプトなのにそれが丸ごと敵に回るのだからな。もしある程度馬鹿に成る様にデバフをしないならそう成る様に出来ると言う事だ』


 其処でフラワシにせかされることに成った。


『それよりも今は急ぐ必要が有るのよね?取り敢えず今は帰りましょうか』

『そうだな。彼方の状況も観ないとだ』


 そして元の世界に帰ると。


『水霧、お前らは肝心な時に居ないのな。そっちが調査に出ている間に此処に侵略者が来たけど撃退したよ。倒された可能性も有ると思う検案でも有ったから、本人確認を行いたが?』

『シュライク・バースディ。多分撃退出来て無いぞ。むしろ状況悪く成っているな』

『は?いや、撃退出来ているよな?まさか周りに大量に潜伏しているとでも?』

『そうだな。撃退自体は出来て居るだろう。彼方さん側は、だからこそ、贋作を好き勝手にして満足しているのだから』

『……詳しく聞かせろ』


 そして状況を話す事にした。



『つまり、敵方が此方の世界をコピーして似た世界を作り出された。……コピーをしたタイミングは一人侵入した奴逃して居るからそいつにやられたのだろうけど、そのタイミングでのコピーの場合、調査に出ていた奴らはコピーされて居ない事に成るはず。だがそれは長い時間居させた訳じゃ無いし、遠隔操作で世界丸コピー出来るならそもそも攻めてくる必要性が無いはず。だから完全な形でのコピーはある程度の時間が掛かるはず。短時間でそれだけで完全コピー出来るなら要はこの世界に侵略拠点一つこさえるだけで良いのだから。それが簡単に短時間で出来るなら戦争展開に成った事自体が可笑しいまである』

『シュライク・バースディ。ならば要はあの世界はある程度のコピー出来た情報を元にした張りぼて世界か……それでもあの用途には問題無い訳だし』

『ああ、胸糞悪い。これでもしそれを潰しに行ったらそれの精度が上がるのだろうし』

『聞く限り本格的な戦争展開に成る前に事態が収束した、か。……なんだろうか、あの世界、要するに基本設定度外視で合致するのはごく一部だけ的な同人誌を創られた様な物か?』

『追加で言えば、それが現実に物理的に存在するからアレだが、多分そう言う事かね……。何というか、此方の世界のコピーを創ってそのコピーに此方の情報を洗い浚い話させる展開は無さそうで良かった。この条件なら杞憂だな。うん』

『シュライク・バースディ。そう言う事を言うのはシャレに成らないからやめろ』

『この展開的には無さそうな話だから問題無し……これをされているかもと思ったから危険視したのだがまあ無い様で良かった』


 ……なんて言うか、使い手に性能が依存する能力って他人が同じ能力使って負けていても、そいつが弱かっただけで解釈上は話が終わるのは大きい。まあこれは万能性が高い能力に成れば成る程言える話だけど、雑魚能力を技量だけで、化物級のスペック扱い出来る様に変えるのって、ドッペルゲンガーとかの能力ミラー対戦の時にもの凄く有用そうでは有る。コピーされようが使い方を理解して無ければ只の雑魚能力な訳だし……。


『で、どうするか?』

『何をしたら勝ちなのかと言う点が明確でも何でもないからな、これ全滅させなきゃ精度の上がった似た物をまた作られるだけだろ?それに他の世界に遠征している奴らも普通に居るだろうし、仮に相手の世界の全殺しを出来ても、それだけじゃ確実な勝利とは言えない』

『全殺しされた?それがどうした。でも何も問題無いね。……と言う奴?うわぁ……』

『……したいと言って居るのは再発防止的な意味で一族郎党皆殺し……アレね。要するに戦国時代の大名かしら。前時代的ね。何も理屈が無くても倒したと言う八百長の劇を造れば勝ちなら同じ理屈を返せば勝てるわよ。その内容に大した理屈なんて殆ど無くとも、それの意味が有るって相手側がそう主張したのだから』

『とは言え、相手と似た事をやれなければ無理だろ?違うか。張りぼてで良いならやれるか』

『そうね。相手のそれは只の張りぼてなのだから、似た事を此方にもやりようは有るわよ。それにさらに言えば突っ込み所がその中に幾ら有っても問題無いのよ。それを有りなのだと相手側が主張しているのだし。私達的にはそれは無しなのだけど』

『……そうと決まれば相手側を調査しますかね。まあ煽るだけ煽っているのに此方の反応完全にガン無視して来るなら伝わって居るかどうかなんてどうでも良いのに煽る事だけはして来ている形に成るだろうし、流石に何らかの手段で見には来ているだろうが……いや、張りぼて世界の所在を此方が把握して無いと思っていたらそうでも無いか?』

『相手がそれで此方を煽って居る気なら今の物をやれば充分煽り返せるから十分よ』

『じゃあ準備行ってみようか』


 そして準備を始める事にした。自分に不都合な設定や仮説なんて物は存在自体を否定すればそれで終わるのなら苦労なんてしない。今回の前提は、相手は此方の世界のコピー世界を創った。だが、それは贋作と呼べる物である可能性が高い。完全なコピーを簡単に出来るなら戦争を彼方側からはわざわざ仕掛けて来ないはず。よって、コピーは完全な物では無いし、相手側が知る情報のみで構築された物で有る。つまり、相手に都合の良いだけの仮想現実シミュレーターと同じと言える。

 ……なんて言うかこの考えは外れる可能性も有る。此方から戦争を仕掛けた場合、自衛のためで有ろうが相手を全殺しし損ねたら他の世界に偏向情報を元に救援要請行って……。他の世界とも戦うとかシャレに成らないし。あ、そう言えば経験値を得る事が毒を飲む事として、致死量の毒を飲む事がレベルの上がる事だとすると、経験値とは毒と定義すれば説明が付く。つまりは、大型化すればするほどレベルが上がり難く成る訳だ。但し大型化する事で何らかのリソースを独占出来てしまえば、そのリソース群を定期的に摂種し続けるだけで、後はレベルを悠々と上げられる。出て来る神格個体が化身系ばかりなのはその点が大きい。リソース独占のための手段が化身系に成ることと言うだけと言う訳だ。……まあその理屈だと、要は一定以上のレベルに到達したくとも他の世界に行けないと、その世界で得られる全ての毒に対して耐性が付く的な意味で頭打ちに成るレベルが有ると言う事。それがゲーム的に言えばキャラのレベル上げの上限と言う訳だ。……。これで何が言いたいかって、つまり、他の世界へ行けないと、どう考えても世界の仕様としての上限レベル以上には辿り着けない仕様だと言う事。……。相手の侵略はそのレベル上げの一環かも知れない……。傍迷惑な話だな。これは。ああ、そう言えば世界を壊せばその世界生まれの奴も全員死ぬ可能性も有るか?いや、無いだろう。他の世界に居ると勝負が決するレベルでの物が発生すると言うのは、あくまでも世界の内容が一定以上離れた世界にのみ当て嵌まる事なのだから、流石に支配下の世界が他に皆無なら類似世界をすっ飛ばして即座に現れたばかりの世界へ侵略を行う(他の世界へは初侵略)と言うおかしな状況に成る。だから本格的な戦争をやるなら幾つかの大枠としての世界を相手にする必要が出るはず。但し、コピペ世界から情報全部抜くのが可能な場合此方が今直ぐ攻めに行かないと不味いし。だが、それは此方が調査に出ている間に有ったらしい、戦争検案を攻守逆転した上でやる事に成る。システム破壊方法を相手側が掴んでなければ話は変わるけれども。流石に掴んでいると思った方が無難な訳で。いや、待て。少なくとも此方が行ったタイプの物は通じたらしいから、解っていても対策出来ていないか、それとも初見かの何方かに成る前者なら、相手側の撤退検案で、後者なら、速く攻めないと解析されるよな。その判断はどうする?捨て駒的な感じの奴を先に大量に差し向けて判断するか?あ、つまり、戦争検案で相手のやった事はそれか?ワンパンされる奴らばかりだったそうだし。だが、それでもしも勝てると判断されていたならまた直ぐに来ているはずでは無いか?物差しと成る相手を先にぶつけて、それへの相手の対処力を前提に戦術構築をする。なら、条件次第では、相手は此方が相手方をワンパンしまくれる奴ばかりだと判断して居る可能性も有るよな?その場合には攻めに行かない方が長く安定した状況に成る。うーむ。相手の状況が解れば今の相手方の判断が何方か解るのだが。ええい、スパイ送るにはリスクが有り過ぎるって言うのに。いや、仮に相手方の一部の暴走なのなら事情を知らない奴からすれば、此方が単に殲滅戦争仕掛けた様に映るか?はぁ。全殺しとかそう見えるよな。殺す相手は選ばなくては駄目か。と、成れば、あのコピペ世界の運営側と其処に悪用しに立ち入る奴を殺すと言う形が今は無難か。なら、するべきは敵の世界の破壊では無く、コピペ世界の確保と占領、か。良し、準備に入ろう。



 そしてコピペ世界を奪うために準備をして其処に大軍を差し向ける事にする。それだけならば、創作的に例えるなら、著作権侵害の弾劾のための物だ。と言い訳が付く範囲だろう。だから、コピペ世界は壊さないでそのまま奪うのが望ましい。注意点としては此方の実力がそれではばれてはいけない。……システム破壊の結果の物で彼方をワンパン出来ているのがばれたらそれが出来ない状況に成りかねなく、戦況が大きく変わるためだが。まあ、要はコピペ世界に立ち入る奴の調査と撃破が出来れば良い。相手の世界を完膚なきまで全殺しが出来たとしても、その結果、無関係な世界を含めて幾つもの世界を同時に相手取るよりかは今回の案はだいぶマシな事に成るだろう。罪を憎んで人を憎まずとか言うけど、……今回の場合、情報不足の第三者目線から見れば完膚なきまで完勝出来てもアレなのだよな……。相手は別に大規模侵攻はしては居ないのだ。黒船来航みたいに大軍展開して威圧はして居て、少々戦って居たとしても基本的にはそれだけで、そして自分で此方を参考にして世界を独自に創っただけ。それで本人に直接酷いことをした訳では無い。言うなれば好き勝手な妄想がその妄想の対象にばれただけ。それが物理で実際に有る訳だけども、話としてはそうだ。それで相手の世界を全殺し?それなんて過剰防衛だ?だから関係者のみを全員殺すのみで終わらせるしかない。いや、それ以上は大義名分が立たないという意味でやれたとしても、やれないだけ。だが、それを他の奴に話すと駄目出しされた。

 相手側が幾つもの世界の占領等をしていた場合、事を構えるならどうせその幾つかの世界とは戦う事に成るし、侵略大国的な世界が最初から相手取るのであろう世界系列以外の他の世界に助けを呼ぶ伝手は侵略大国的な世界故に有るはず無い。むしろ此方が取れるケースの手段だし。故に相手側の戦力は外部からの追加の世界が来る的な増援回数は無尽蔵では無い。それにそもそも防衛戦の観点から言えば、相手は大軍を用意しても碌に物理的にはまともに此方の世界に攻め込め無かった相手である。

他にもこまごまとしたダメ出しをされた。ぐぬぬ。俺の居ない時の話を考えていたのだからそりゃあ見ていた人にしてみれば間違いも有るでしょうが、ね。ん?あ、忘れていた。コピペ世界の対象外は俺だけでは無い。その時のメンバーは相手側が認識していない可能性も有る……いや、俺は尖兵の対処をシステムでしたし、俺は除外で良いか。問題はそこでは無く、フラワシは森羅万象に宿る能力の聖霊を元ネタにした存在だ。つまり、森羅万象に宿れる。宿れるなら宿った物に干渉だって出来るだろう。そもそもあの調査に着いて来たのだって宿る対象を増やす為だと言って居た……つまりだ。敵側の大抵に既にフラワシは宿って居る構図な可能性が有る。……いや、そもそも近場に敵方居なかったのだっけ。でも、だ。相手の世界と此方の世界の間の外界は既にフラワシの支配下の状況と言う事に成る。これ、フラワシにバフ特盛にしたら普通に勝てるのでは?いや、だがフラワシの思想的にはあまりフラワシを強化するのは気が進まないのだが。



 森羅万象。つまり、全ての物と現象を意味する。例外も有るとは言え、システムの根本メタとか散々扱いまくった上で、尚相手側がシステムで立ち向かうとしたら、そりゃあもう、システムの何らかの特殊権限とか、ハッキング的な物とかを対抗で持ち出すのは自然な事だろうさ。根本メタをぶつけられているのにそれでも尚根本メタをされている奴に単なるシステムの力で勝てるのだとか思われているのでも無ければだけども。いや、水掛け論的に解決出来るとか思う奴は居そうだな。今回の場合はシステム上の一現象に対しての、システムその物の操作みたいな物なのだけども。あ、システムに関係無い物なら、システムが崩れようが関係無いとして只の物理ぶつけられたらどうだ?そもそも今回の場合は相手側が生存すること自体厳しく成るが、それはある程度以上世界の仕組みが離れていたからで、離れていない奴には関係無いよな。それに自分で世界を展開して、そう言う事を狙うのも適していないだろ。自分と相手側がかなり違う世界の奴でも無ければ自分が大丈夫なら相手も大丈夫だろうからな。そもそも同じ世界の奴に対して使う戦法じゃ無い訳だが。フラワシの思想は個人的には否定したい所では有る。何もかも支配し尽くして、完璧に自分の思う通りでしか無い世界が良いなんて思って居るのだから、いや、予定外の不都合な事が皆無に成ると言う点は確かに良い事だろう。けど、それで良いなら、それが有りなら、もう身も蓋も無いような手法も有りに成ってしまう。相手の意思なんてどうでも良いなら、催眠術や洗脳とかそう言う手法も有りになるのだから。いや、そうでもやらないと何も得られないからしょうがないと言う意見に賛成をしたくないだけだが。例えもしそれで不都合が起きるのだとしても。……贅沢言っている場合じゃないか。フラワシに話を通そう。そして話してみると。


『万物に宿る能力なのは前に説明したけど、万物を操れる、なんて説明した覚えは無いから』

『フラワシ、それはそうなのだが、例えばバフを特盛にしてやれば、出来たりしないか?』

『……それで全部私に敵方を片付けさせる気?幾ら私が万物に宿れるくらいの規模に既に成って居るとは言え……それが何も条件無く出来たら私が既にこの世界を掌握と占領して居るのと変わらないのだけど』

『……それでも、何とか出来ないか?サポートはするから』

『なら、そうね。今回の場合、相手のコピペ世界の根幹部分に宿れれば、良いわよね。根本にコネ用意して後はそれで全部何とかする的な話だけど、軍部の重鎮を催眠術とかで掌握して、そいつを介して軍を掌握する。なんてやっている作品も有るのだし』

『つまり、傀儡政権と言う奴だな。能力で無理矢理上層部を自分の傀儡にして好き勝手すると言う奴。今回の場合は相手側のシステムを此方の傀儡にすると言う事だが』

『普通ならそんな事は出来ない。で、話は終わるけど、全員隈なく傀儡にするよりか、まだやるべき作業量や必要な事は少ないから、対象者数量的な意味ではまだ現実味が有るわ』

『ならそれはやるとして……要は相手側が力をまともに発揮出来ない様な環境の世界でそれでも大丈夫にする為の理屈を壊したから、ワンパン出来て居るのだから、敵の強さは此方の世界の環境に致命的なレベルで未適応と言う以外は強いか弱いか解らんのだが……』

『でも、少なくともそれで台無しに成る程度の強さでは有るわ』

『世界の仕様違いによるシステムエラー的な物なら違うゲーム機にのみ対応したゲームソフトを無理矢理未対応のゲームハードに突っ込んだ様な物だから、強い弱い以前の問題な気がする』

『例えば、個人で自分こそが世界其の物だ。と言える世界を他の世界に未依存で創れるなら関係無いわよね。つまり、世界を物理的に簡単に創れる奴には関係無い話よ』

『……それが出来る奴が他の世界に攻めて来る必要性有るか?』

『資源物資的な意味では無いわね。自分で創れるのだし、故に度外視出来る範囲よ』


 さて、一定以上の事を出来る奴はそもそも物資資源目的の侵略戦争をする必要性は無い。……仮に他の目的が有るなら話は別だけど、自分で簡単に用意出来る奴を特に何も関係無い奴から奪いまくる。と言うのはリスクも手間も増えている。戦争其の物が目的な場合とか目的次第では例外も有るだろうが、そう言うパターンなのならば、相手の世界の能力を台無しにするような戦い方をするだろうか?戦争をすると言う娯楽目的なのに戦争を簡略化する訳だし。純粋な娯楽目的でやる手段では到底無いから娯楽目的なパターンは度外視で良い。過程や戦闘内容はどうでもよくて、簡単に他の奴を捻り潰すのが楽しい?何その幼児が娯楽でやる蟻の巣潰しこそ至高的な思想は。……いや、気に食わない相手を殺したと言う事に出来るならそれでも良いのか?何だろうかね。復讐で殺すなら散々苦しめてから殺すくらいはしないと、抱いていた様な恨み辛みとかとは、全然釣り合わないと思うけど。まあ、それはいいや。大事なのは相手方に侵略拠点をこの世界内に一つたりとも創らせるな。だ。世界のコピペ作業が其処で出来るなら、そうされただけで世界の情報を全部抜かれる可能性が有る。いやまあそれが此方に全く妨害出来ない程簡単に出来るならば、そもそもの話、最初は相手方からすれば普通に友好的に世界間交流とかでもしているだけで、此方は情報面では簡単に詰んでいただろうし。まあ其処迄の物じゃ無いはず。でもな、なら相手は何のデータを盗ったからあんなのが出来た?シンプルに例えるなら衛星写真的な物とかか?見た目が同じなだけで中身が完全に違う奴だな、それだと。


『何だろ、アレか?写真撮られて、それの見て解る内容を贋作人形群に組み込んだだけか?』

『……それはともかく、一つ提案が有るわ。私は相手方に宿るのは出来るから。それで敢えてその状況で排除されようと思うのよ。世界を渡るレベルの攻撃が出来るなら、世界の外から世界の中の奴に攻撃するのだって出来たはずだから無理なのだろうし』

『……ええと、つまり、それでやられる事に意味が有ると?』

『そうね。私は霊魂に宿る以上、私を排除しようとしたら、相手方は自分達の霊魂に対して攻撃を加える必要が有る。つまり、宿るのを潰そうとしたら自滅が必要』

『……呪い系列くらうと不味く無いか?』

『仮に相手の自殺に巻き込まれてもそもそもそれは世界を超えられる物じゃ無いから問題無いわよ。超えても死なないわ。この世界内で呪い系列を使った奴が皆無ならまだしもそれなりに居るからそれなりに受けまくった上で今も此処に居るもの』

『……俺は呪い系列の力は多分見た事無いけど』

『相手のそれを呪いとして認識して扱って無いだけかもしれないわよ?』

『まあ、そう言うのは有り得るか……。じゃあ頼むよ』

『ええ、じゃあ準備するわね』


 この案の問題点を上げると、簡単な話として相手側が霊魂の無い存在の場合には宿れない可能性が有る事。そもそも仕様が違いすぎる故のシステムエラーが起きる相手なのだから、それは十分有り得る話では有った。もっとも、他の類似ケースが起きる際には出来る理由と出来ない理由的にどちらかは通る形だろうが。但し、物資資源を他の世界から大量に得ている類いの世界の場合は話が別と言える。世界の仕様的に問題無い範囲だとしても、その他の世界から強奪した物資資源側が出来る物な可能性は沢山の世界から奪いまくっていれば居るほど上がるだろうし、そして此方の世界から奪われた物は全般的にその対象だ。強奪された物の奪還と言う目的ならそれだけでも十分過ぎる。最悪宿るだけでも侵入経路とGPSくらいの役目なら果たせるし、要は奪われた物資資源が全て相手側に取っての危険物と言える事に成るからだ。なら無制限に使うにはリスクが高過ぎるだろう。さて、準備が出来次第コピペ世界に行くとするか……。



 私はアーバーン=ウォーター。フラワシ主体の作戦なんてあまり気が進まないけど、犠牲の出なさそうな手段では有るから強く反対も出来ないのが嫌ね。何なら疑似的に殺されまくる役回りを私がやりたい訳じゃ無いけど、森羅万象に宿る能力、それが過大広告でなければ、森羅万象に含まれる全ての総量の数と同じ数又はそれらと同規模のフラワシが居る事に成る。それなら確かに数百数千数万部分的に殺された所で痛くも痒くもないでしょうよ。コピペ世界にどれだけコピーされているか分からないから微妙だけど、アレは水霧が持っていたから良いとして、……。はぁ、一応私はそれなりに色々と能力持つのに全然使えてない。使う様な機会が有っても他の人に水霧は頼る事で済ましてしまうし。正直な話、システムの掌握迄したこの状況で、アレを話して不味い事に成るとは思えないけど。まあ、伏せ札が残っているのは良い事よね。……。融合迄したのに他の女に色目を使わないでよ、とは思うけど、……そもそも私と水霧が融合した理由は状況的に必要に迫られて、だから、浮気するなとは言えるにしても……。厳密に整理して行くと、微妙な所が有るのも確かで。……。いや、一先ずごたごたを片付けてからよ、この話は。それからフラワシがコピペ世界を簡単に掌握したわ。いや、全部に宿っただけで、武力制圧した訳じゃ無いけど、それらを戦力に数えてこよう物ならば盛大に罠が入った事に成るわ。……正直な話、私とか水霧とかの化身系の人は存在の前提条件上特殊な身体を持つから、私達は身体と呼べる物が通常に比べて異常に多く、故に通常の行為には価値は無いと主張せざるを得ないけれど、霊魂に宿られる、もとい、寄生された存在と言うのはアレよね。どんな事をしようがされようが、他人に常に筒抜けだもの。……まあ此方も通常の行為に価値等無いと定義しないと、色々と不都合が有り過ぎる立場的に存在自体の前提で余りどうこう言える立場でも無いけど。……さて、コピペ世界を疑似的に掌握したのは良いとして、暫くは様子見に成るわよね。主にコピペ世界を創った奴たちがコピペ世界をどう扱うのかを見る的な意味で。まあ、暫くは待つしか無いわね……。なんて言うかアレよね。必要性が無い部分まで拘り出した結果、拘るだけじゃ居られないとか、そりゃあそうなるわよ。としかね……。しかしシュライク・バースディの使う力は正史を正史にする為の能力らしいから、結果的に正史を否定する様な結果をもたらす能力全般に対しての根本メタに成り得る様だけど……。うん。アレよね。それを振るう関係上その対象全般の恩恵を自分が得たければ、該当能力をそれ以降使用禁止くらいはしないと行けなくなる。だから、持つ奴じゃ無い奴で、それが必要な検案時に対処に当たれる強い奴も居て貰わなければ困る。だから役割分担をしようと言う話だけど……。流石に一人だけがそれ持ちと言うのは暗殺されたら不味いし、ある程度の他の奴にも持たせる事に成った……のは良いのだけど、その該当の人員はそう言う手段なんて使えなく成るから取得希望者は少なかったし、相手側が多用して来た時にそれらを潰せるのだから、要するに相手側に自分と同じ縛りを強制する能力と言う括りで良い気もするけど……。前提となるシステムに対しての抜け道が大量に示されているせいで、アレでは有るわね。敵が簡単にそれを出来るし、とか主張してくるのはメタ視点的にそうでなければ敵として役不足だから、当然と言えば当然の事だけれど……。本当にそれが出来るのなら、そもそもやるべき事が違うと思うのだけど?検案よね。今回の場合のそれは無いだろうと言う内容が本当には有ったなら的な形で現状よりも敵を盛ると正しくその状況だし。自分が強いと言うのは別に良いのよ。見栄だって有るでしょうし。でも、それがやれるなら取るべき手段が他に有るよね?的な状況に成る主張はアレよね。と言う話。そして数日が経って……。上がって来た情報は、怒るべきか喜ぶべきか微妙な内容と言えたわ。……つまりはコピペ世界をゲーム世界だと公表し、何も知らない相手側の世界の人達にその世界の中で遊ばせているのよ。……。つまり、元凶側以外は只単に何でも有りのゲームで遊んで居るだけと認識して居ると言う訳。二次元キャラに人権を……。なんて認められて無い世界の場合、プレイヤー側の行動はまあ酷いことに成るでしょうね。でも、それは単にゲームで遊んでいるだけなのよ。その本人達にしてみれば、だけど。ゲーム内で完結した事を実際の法律で裁きますとかしたら……。エログロ描写有のゲームで遊んでいるだけでヤバイもの。プレイヤー側からしてみれば頭可笑しいでしょうよ。それで法律で裁くとか言われてもね……。つまり、大多数にとってはそれがやばい事だと言う自覚なんて無い。……前提として情報開示しまくればまだしも、それ無しだとアレな事を主張しないとアレな事に成るわね、これは……。でも、本格的に全殺しする必要は無さそうでは有るわ。全員が全員害意を持ってそれをやっているわけじゃ無さそうだし。まあそもそもの話、中身は完全に別物なのだし出来の悪いアンチ・ヘイト作品みたいに在りもしない虚像を相手に当てはめて批判して居るだけだもの。それでまともな批判に成るとは思えないのよね……。此方からすればそれは何も正しくなくとも、前提情報が伏せられて居る事で正しいと言う事にされている。普通に攻めれば此方が悪者扱いで終わりよ。相手から類似事項を大事にしてくれれば此方に都合の良いように出来るのだけど、似た事を相手にぶつけでもする?……でもそもそも即時にコピペ世界を創る力なんて流石に無いわよ。即時コピペで世界を創るのは無理でも高性能シミュレーターなら有るのだから、相手の世界のデータを集めましょう。話はそれからね。それで似た自由度の世界としてゲーム化でもして市民に自由に遊ばせましょう。それでその中の世界で相手の世界の奴らの見た目の奴がどうなろうと相手側が文句を言うのは話がブーメランに成るのだし。どうせ自由度が高すぎるだけのゲームでしか無いのだし、それを大事に思う理由も無かったから。いや、ゲーム自体は好きだけど、これは只の報復行動としての物なのだから、愛情を持ってそれらを創る気なんて到底起きなかった。そのシミュレーターの中で反乱が起きた。でもそれは簡単に鎮圧した。相手は結局、只の此方の操り人形人形でしか無かったから、負ける理由も特に何も無かった。そして思いつくのを粗方やり尽した所で虚しさに襲われた。何故なら恨みは残っているのに怒りだけが此方から消え去ってしまったからだ。恨みが無い訳じゃ無い。でもシミュレーターに怒りをぶつけ尽した事で、本来の相手にぶつける気も失せてしまった。相手のやった分は十分に返せたからでしょうね。ま、後はシミュレーターの奴らは存分に好き勝手に遊ばれる事でしょうけど、それらは私の知った事じゃ無いわよ。システムを絶対とするなら、特に理屈無しで俺様最強無敵的なクソみたいな能力が成立出来てしてしまったら、システムに従う限りは基本的にはそれには勝てない。それが成立していると言う事はそう言う事なのよね。前提のシステムにとってはそれが他の全ての能力に勝てると言う仕様なのだから、システムに従うだけである限りはそうならなければならない。……。だから、システムに対するメタが無いと、システムの使用次第では幾ら強くてもそもそも思考停止的な子供の様な理屈に惨敗迄あり得るのよね。あ、報告が来たわ……。って……アレね。簡単に相手側がやられていた理由が解ったわ。要は彼方の世界と此方の世界では、個々のステータスの評価基準世界が違うから、違うのよ。ステータス割り振りで言えば自分の所では割り振る上での基本的には死にステータス扱いの項目のステータスが相手側の世界では、メインの意味を持つ評価基準に成って居る様な物、ね。そしてその逆もまた同じ、で、それで此方の世界の前提に合わした結果アレな事に成った、と。これ私達にも有り得る話じゃない。守るのは凄く簡単だけど、逆に攻めるのが凄く難しいパターンね、やっかいな……。ステ振り自由に何度でもやれる奴なら簡単に順応出来そうでは有るけど、そう言うのが有ると相手に自分の意思を乗っ取られたら滅茶苦茶にステータス項目を弄られて、死亡検案に成るのよね……。それにしても相手が出て来なければ隔離した神格個体達を簡単に解放されてアレだったから出て来た今回の根本原因の奴とは違って、敵方があんなに簡単にワンパンされていた原因も解った以上、世界の根本的改編くらい出来ないと攻めて来る利点が無い状況だし、基本的にはメリットよりもデメリットが上回って居そうだから、もう攻めて来る必要性が無さそうなのが何とも……。いや、何もないならそれはそれで問題無いのよ。された事も十分やり返せてはいるし。でも後顧の憂いを断つ的な意味で仕留めて置きたくは有るのが困り処ね……。今の話は攻撃側に回ると負けの構図だもの、そう簡単には攻めて来るなんて事は無いでしょう。その理屈をどうにか出来でもしない限りは、だけど、……アレよね。要は相手側にとっての死にステータス項目が此方の世界の強さの前提だから、相手の世界的には幾ら強い奴で有ろうとも、強さのカテゴリーエラー的な意味で簡単に倒せる。それは逆の場合も言える事なのが問題だけど、要は他の世界に行かなければ問題無い訳で。……でも、世界の仕様としての限界値以上強くなりたければ他の世界に行く必要が有るのだけどね。あれよね、これだと他の世界に行けたら限界値以上に強く成れるって、要するに他の基準的な意味での強さを手に入れる事が出来るから限界値以上に強く成れると言う事よね。つまりは、他の基準で戦わなくても良い様にすれば基本的には必要無い強さと言う事では無いかしら?それをして来た相手がその理屈を崩されたからこそ、ワンパンされている以上万全を期すなら無いよりかは有った方が良い強さでは有るけど。とりあえず水霧の所にでも行くとしましょうか。そして移動して。


『この状況どうしましょうか?互いに相手の場所に攻め込むメリットが無いわよ』

『それが駄目な理由をどうにかする方法を崩す方法迄を提示されているのにも関わらず、わざわざ何もメタを準備せずに突貫して来る可能性は低いのは確かだけど、……要するに世界の仕様違いの結果の問題なのだから、根本的な問題な訳で、それを自由に簡単にどうにか出来るならそもそも異世界侵略とか必要か?と言う問題がね』

『世界を作り替える手段は有るかも知れないわよ?』

『それが有るのだとしても、無条件で簡単に可能なはずは無い。そうでなければ此方が攻め込まれた時では無く、此方が相手方の世界に反撃で攻め込んだ時点でこの問題は発覚していたはず……そしたら大損害受けていたろうよ。偵察時に彼方の世界に入らなくてセーフとしか言いようがないな、これは』

『でも、相手は何が目的なのかしら?エネルギー資源強奪にしては手間がかかり過ぎと言うか、何と言うか、なのよね』

『主義主張的の都合上的な意味で只の操り人形にはそんなに俺は価値が無いと思うけど、それは他の奴には関係無いからな。欲しい物でも有ったのでは無いか?』

『つまりはコピペ世界で相手の世界の欲しい物を手に入れるのが目的と言う事かしら?』

『それが無難かね。それなら相手方は最悪何も此方から物理的には奪えてなくても勝ちに出来る物は用意されている訳だしな……』

『コピーされていてもアレだし、暫くは何も起きないでしょうから貴方が創った人達に念の為に会いに行けば良いと思うのだけど』

『……護衛任務を任せきりにしている関係上、今行くとかなり気まずいのだが』

『……ならシステム仕様を弄れるなら護衛が必要な理由をそれで取り払いましょうよ』

『……システム仕様改竄をやろうって?流石に不味くないか?下手したらシステムの大元側に喧嘩売るのだけど』

『……他にも居るのにアルコーンだけを呼んだ事の埋め合わせはするべきじゃ無いかしら』

『……要らん所に追加で喧嘩売るのか?今このタイミングで?……いや、すぐにどうこうは無いだろうが……』

『……』

『……解ったよ。大元の奴が居るとしても、あの件でメンテナンスシステムが壊れた際に、共同で作ったシステムの化身の奴が普通に見逃されているのだから、あくまでも大元側の利益を害さない範囲でならそう言うのも作っても問題無いだろうからな。システムの化身に会いに行くか。それでそいつに話を聞いて問題無い様なら創ろう』


 そして話を聞きに行き、問題無い確約は取ったが、それは条件付きだった。……いや、当然の内容では有ったわ。要は再召喚の仕様についての改竄がやりたいのだもの。それで全体緩くしたら、殺せば終わり検案が終わらなく成りやすくなるのだもの。条件は要するにシステム其の物を弄るのではなく限定的なシステムの様な役目を持つ能力を創るならセーフ……らしいわ。それが一定以上強く成れば同じ事の様な気がしたけど、そうする事でシステム改竄では無く成るので、システム破壊には当たらないのだとか……いや、駄目でしょう。そんなの。……いや、この世界の能力の理不尽度に文句を言うのは今更よね。つまり、再召喚関連の緩和の為の力をシステムでは無く、理不尽な能力の内の一パターンだと言うだけの扱いにしようと言う事。システムをすでに掌握して居るのだから、システムにどう介入すればどうなると言う事を知る材料は十分に手持ちに有るのだし、零からそれを創るよりかはだいぶ簡単に可能と言える範囲だったわね。


『さて、能力の理屈の構築は出来たのは良いが、それを誰に持たせる?システムレベルの物には前提条件上したら不味いのだから、ある程度の劣化と縛りも必要だし』

『持たせた奴は敵対者からすれば真っ先に殺す相手よね。其の持ち主って。そうしないと誰も彼も簡単に復帰して来るのだから、全員瞬殺出来るとかじゃ無いと攻略するにはそうせざるを得ないだけだけど』

『要は戦闘で蘇生技が使えるヒーラーが最優先で狙われるからアレです。程度の話だろ?ヒーラーと言うジョブの奴自体が瞬殺されるので運用自体が無理ですと言う環境で戦う訳でも無いし、そもそも火力ゴリ押しとかじゃ相手が能力所持者を上回っている分だけ相手を上回る能力とかも既に出て居るし』

『まあそれはある程度の人数に持たせましょう。一人しか持たないとかの状況だと暗殺されてもアレなのだし』

『そうだな。そうしよう。しかしラノベだと売れている奴にそれなりに有る評価基準では低評価を受けていますが、それ以外の事が凄いのです。と言う奴が、低評価を受けている内容のみで戦わされるような物か?世界を渡る上で雑魚化するのはさ……』

『それよりも世界に強さが再評価されて再構築される際に、基準が違うから強さがまともに世界に反映されないと言うのが正しいのじゃ無いかしら』

『……うわぁ……強い奴でも簡単に雑魚化する理屈はやめーや』

『要約すれば、自分側にとても都合の良い様にするルールをぶつける事で相手にとても都合が悪い状態にして倒す。と言う事よね』

『まあ、そうだな。侵略に大軍を用意して来たのはそれが理由じゃ無いかな。仮に小型のそれをやるための奴を量産化出来て居るならそれを付ける奴が多い方が良いし、システムのぶつけ合いなら少数で行くのはシステムの総量的な意味で少なく成るだろうし、小型の結界的な感じの物は量産化出来ているのだろう。でもそれが簡単に壊されてしまった訳だ』

『……だから撤退したとするなら、相手のそれをやるためのシステム方式は一つだけなのかしら?幾つか方式が有るなら問題無い奴もそれなりに居たはずよね?』

『だが、侵略をすると言う観点だけで言えば自軍の何割かの奴がいきなり実質役立たず化した様な物だろ?必要だと思う戦力を揃えたら、その何割かが役立たず化をするとか流石に撤退する検案じゃ無いかな。過剰戦力連れてきていなければアレだろうし』

『本当アレな話ね。でもまあこの話はこれくらいで良いわ。……行くわよ。彼女らは貴方が求めて創っておいて放置されていた人達な訳だけど』

『……そこの関連の気遣いが完璧に出来るなら、そもそも君らを創る上で君ら自身に対して願望なんて混ぜないよ……それをぶつけられる相手が居たのだったら、ね』

『……ケールハイトのアプローチを散々躱していてそんなこと言う?』

『君がそれを言うのか?何だ?浮気しろと?』

『……なんて言えば良いのかしら、相手の都合なんてどうでも良いのかしら』

『恋愛で自分の都合優先でなくてどうする。好きでもない相手と付き合いまくれって?』

『……他人に対してならまだしも、貴方が求めて貴方が創った人達でしょう?』

『……そもそも必要な役割分担をしただけじゃ無いか』

『アルコーンにだけしか連絡を取らなかったのでなければそれで話は済んだのだけどね』

『……いや、でもさ、それで彼女らが怒るならまだしも、君がそれで怒るのは違うだろうが。浮気して欲しいのか?と成る状況だが』

『……』

『……』

『……はぁ……なら本人達に怒って貰えば良いのね?』

『……それはご勘弁を……修羅場にしか成らないから……』

『……まあ、彼女らからしてみれば怒る所だけど……でも、私個人からすればそれだけ大事にされていると言う事かも知れないし……まあこれ以上は私が言う事じゃ無いか。会って来なさいよ。それで散々怒られて来なさい』

『……ああ、そうだな、それじゃあ行って来る』

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