第4話
色々と追加で話し合い、それから一週間が経った。最終的にはその法則改編で高性能のワールドシミュレーターを創り、それの維持費としてエネルギーを相応量徴収する形に成った。……まあ所有欲以外ならこれで何とかなるだろ。SFの培養液の中に脳が浮かび、夢を見ている敵な事にも取れるが、……まあ征服欲とか、性欲とか現実世界でやったら犯罪的な事を要求して来る奴を想定するとやって良いがその代わりに仮想現実の中だけにしろ、と成る訳で、仮想現実の精度を上げて現実的な物と扱えるレベルにした上での物だけども。高性能シミュレーターはあくまでも此方持ちなのだし、ログを取られても仕方ないだろ。……いやまあ、只の夢じゃなくて現実の機器の中でやる以上、夢の中で見るようなやりたい放題を他に見られても問題無い奴でも無いととてもじゃないがやれないよなぁ……。結局は仮想現実じゃ無いか。俺は現実でやりたいのだよ、現実で。と言う意見が出たが、……いや高性能シミュレーターは本来捕まるレベルの事を合法でやる為の捌け口扱いの物に成るのだからやるなら捕まる覚悟でしろ。検案にも成りかねない訳で……。ああ、それからの流れとして、ある程度の奴がシミュレーターを出た後にシミュレーターの中に居る気分のままでの言動と犯罪をしてしまい、逮捕された奴が出た。……いやまあ、これはアレだな。結果として、限定的とは言え理性を壊せる場所と言うのは危険だと言う話に成り、だいぶ制限が加えられた。主に、そうだな、そのシミュレーターの空間をだいぶ狭くし、どこかの一部屋にされた。要はカラオケボックスとか風俗とかのその場所限定の娯楽と言う認識を使用者側に持たせるためだ。それにより辺りを見ればシミュレーターの中に居るかどうかが認識上分かりやすく成ると言う訳だ。……いやまあこれだと高性能シミュレーターの醍醐味がだいぶ消えているのだが、犯罪行為の促進機能を果たすのじゃねぇ……。結果としてブーイングもそれなりに出たため、それを使いそれで犯罪行為に手を出した奴は刑罰を通常よりも上乗せすると言う話で落ち着いた。まあ、自分はそれをしないから使わせろと言うならそれをした時の刑罰が重く成っても問題は無いはずだし。
一段落付いたし流石に今日は戦闘訓練でもするか。そう言えばゴーレムクリエイトが砂塵からも出来るようになれば相手を風化させる系を受けても即座に作り直せるか?ああ、試したい事はまだまだ沢山だな。そして暫くの間鍛錬をし続けたのだった。
「シュラ……ゴーレムクリエイトだけでそこまでやれるのは色々と普通じゃないですよ」
「別に俺は新しい概念を運用上で付け足している訳じゃ無いし、要するに物は使いようと言うだけだろ?別に原型からかけ離れた奴を加えて派生能力です何て言って無いのだし」
「お父様、今は暇だろうし一つお願いを聞いて欲しいな。聞いてくれるって言って居たよね」
「ジーヴル。出来る範囲の物であれば、だからな」
「お父様にはとても簡単だよ。要は私をアップデートして欲しいだけだから」
「それなら催促されずともやるけど、わざわざそれをお願いにする必要が有る?」
「有るよ。要は原材料の追加補充とそれを加えた事での調整だもん」
「ゴホッ。いや待て、それはつまり、俺の精液を寄越せ、と。それも材料の一部だからな」
「シュラ?素材はそれだけでは無いはずですよ?それだけに拘る必要性は無いはずです」
「……そうだな。なら、それ以外の原材料の追加と、調整を行おう」
「……お父様、私が今の状態なのは、それも含めて材料として有ったからだよ。それでもそれを無しなの?」
「…………機械なら材料として使った物を修理で使うなんてド定番な訳だが、そう来るか……これもそう言う意味の物だ。精液を原材料に使った時点でこういう問題が発生するのは、……高性能な奴が産まれなければこうは成って無かったはずなのだがね。これをそう言う行為だと定義しないなら、性行為で相手にそれを入れる行為全般の否定に成る。本当にそれが必要かどうか一度だけ試そう。それの結果次第で対応を決めるのが無難かな。と言うか、それくらいは勘弁願いたい」
「……」
「やった。じゃあお願いね。お父様」
「……あくまでも検証だからな、これは……」
……何かな、俺だけ童貞卒業出来てないのに俺はそう言う行為を形式的にはやった扱いに成るのか、これは……。
「シュラ、解りますよね?」
「……あくまでも、検証での物だよ。これは。だから、それ以上の意味は無い。……解っては居るさ」
「……なら私も一つ検証が有ります。大丈夫です。死なないですから」
「ちょっと待て、テラ、何をやる気」
そして俺は土砂に飲み込まれ、意識が途切れた。
☩
「シュラ、起きてください」
「……テラ、何をした?」
「シュラを、神造天使を模したゴーレムにしました。ですが、見た目は今までと変わりません。只単に身体を構成する物が私と同じ物に成っただけです」
「……なるほど。……だがこれだと身体の取り変え的な意味での強制転生させられた様な物だが、……そんなに嫌だったのか?」
「それが貴方に分かるならそもそもこんな事なんてしようとしないでしょう?」
「……悪かった。本当に」
「反省してくださいね」
……この状況でやるそれって、どういう判定に成るのかね……。いやまあ、検証する事が増えたけども……。
「ぶっちゃけた話、ゴーレムが豪華になったから何だよ。と成る場面だし、他に威張るにも微妙なのだが」
「……シュラの生存基盤と感覚系がかなり拡張されているはずですよ」
「……ふむ。少し試してみるか……これは酷い。物質変換も出来る様に成った結果、何らかの形でエネルギーが有りさえすれば其処にゴーレムを作れるな、これは。要はエネルギーをゴーレム素材に物質変換してからゴーレムクリエイトをすれば良いだけだから、これなら対空攻撃も現実的な範疇かね。……いやまあ、二撃分で一撃出来ると考えると、もう最早、物質変換を攻撃に使う方が早いし、先ずは物質変換の方で試行錯誤してみますかね」
そして試行錯誤を行う。……いやまあ、殺す目的でも無いと過剰火力だろ、これは……。要するに石化能力の変換先を石に限らないだけと考えると解るだろうか。殺す目的でも無いと過剰火力としか言えないな……はぁ。アレだ、色々な力を使って初めて使える力よりも、その部品を単品で使う方が良いのが出来そうな状況だろ、これは……。ん?これなら空中にゴーレム作れば巨大隕石辺りとか出来るかな?試してみよう。……でかいのを用意したければ空間上にエネルギーが相応量必要。まあそれは妥当では有るが、つまり、長く戦う事で準備が整う系の大技か。これは採用だな。それに領域系の奴出す奴とか相手にするならエネルギーが空間上に満ちているし、戦う上で領域を広く展開するタイプの奴相手には即座に撃てそう。これは酷いな……。
「……なら私のもの何か考えてくれないかしら?」
「ああ、ガルアか。自動切断能力を更に魔改造したいのか?」
「全部を常時包んでおくのは無理なのよ。足場を壊す的な意味で足の裏とか」
「空中に居座るとか、必要に応じてジャンプして、その時にそれを足の裏にも展開すれば良いだけだろそれ」
「それが出来るなら苦労はしないわよ。主に不意打ちとか」
「それで文句とか要は戦闘中、盾でガードする暇もない状況が常だとでも言うのか?」
「そういう訳じゃ無いけど……全身をカバーは出来ない時間が有るのは確かで」
「……あのさ、それが常時無いと勝てません、戦えませんと言う奴じゃないのだから、それくらいは技量でカバーしようよ……」
「小さくジャンプするだけじゃ継続的な攻撃をされたら駄目よね?」
「ふむ。着地のタイミングを狙われたらアレか。なら、厚底ブーツ的なのを履いて、それにでも盾の素材と同じのでも仕込むか?足が攻撃されるのは解り切って居るのだし」
「着地タイミングを狙われるのが問題なら空中機動の為の道具も欲しいのだけど」
「……今それが此処に有るなら此方も使うのだが、それは着地のタイミングを狙われたらと言う問題の解決と言うよりもそれが問われる回数を減らす物で、零にしたいなら、常時空中戦が可能に成るしかない。消費エネルギーよりも使用エネルギーが少ない形で飛べて、永続的に空を飛ぶとか出来ても、戦闘にもエネルギーを使うのだから、戦闘中確実にループを継続出来るかは別の話だし」
「戦闘中に地面に面する足の裏を攻撃されるのが問題なのですよね?シュラや私のゴーレムで床や地面を掌握して居る場所でのみ戦うのを徹底すれば良いだけじゃ無いですか?そしたら十分盾に成る物は有りますから」
「そうね。それが良いかもね」
「なんか試しに水神の開催している大会にでも行って見るか?場外負けルールが有る以上、能力的な意味での大きさ的な意味で即座に場外判定受けそうだし、俺とテラは出られないのだけども、水神に話は通せるし」
「……なら行って見るわ。手配をお願い」
「おう。それで戦い方でも得て来れば良い。……まあ全身刃物的な能力な以上、切りつけても切れないような一定以上の硬度の奴が鬼門だろうけど」
「場外負け判定が有るなら場外に飛ばせば良いわ」
「……それを敵にやられるフラグだからな、それは。掘り方の調整をやれるように成れば、ある程度は何とかなるが良いはず。調べるとヤバイ奴が出ているみたいだしな」
「ヤバイ奴、とは?」
「ネタばれはしないから行って来なよ。……まあ、俺としては俺が戦いたいけども、ルール的に無理だし」
「シュラ、意地悪しない方が良いですよ。私から言えば、無機構流動全身鎧を使う奴が出ているそうです。これの意味は無機構なのに流動して居る全身鎧を使う奴、と言う意味です。恐らく能力でそう出来る様にして居る結果、他人からすれば無機構な只の全身鎧にしか見えない、と言う奴ですね。確か、氷雲神の造り手らしいですよ。だからシュラが戦いたいと言う話に成るのですが」
「氷雲神の造り手、ね……神格個体の造り手とか何でそんな大物が出ているのかしら?」
「……氷雲神は後発的な神格個体で、まあつまり、支配下の領域が少ないからだ。神格個体としての能力の理屈が此方と同じならそれは自分の生存力と戦闘力に関わるからな……領域拡張の足掛かりでも欲しいのだろう。……まあ、それを利用してどうこうしようと考えた事は有るし、それを侮蔑出来る立場には此方は無いがね。さて、ルールについてだが、何らかの物を賭ける、賭け試合形式の場合既定のものを互いに賭けた上で、賭ける物の量を増減出来る。賭け試合で沢山の事がしたければ相応に多くの物を賭ける必要が有る訳だ。逆に、最初よりも賭ける物を減らすと、試合で自分がやれる事が減る代わりにローリスクで試合が出来る。つまり、賭け金の量で手札量を変えられるカードゲームみたいな物かな。だから、手札を膨大に持つ奴じゃ無くとも、手札が膨大に有る奴と戦うのもある程度の利点が有る。それで勝てたらそうするために賭けた奴が貰えるし。だから、手札数が多い方はリターンよりもリスクの方が高い試合に成る訳だ」
「……よくまあそんなの考え付くわね、水神の所は……」
「手札の数の暴力をしても良いよ。その代わり、そうすればするだけ相応のリスクが発生する仕組みですが、と言う奴だけど、リスクが幾ら高かろうが、要は勝てば良いだけだしね」
「でもどうやってそれを換算するのかしら?不正し放題だと思うけど」
「何も殺し合いする訳じゃ無いから、試合には壊されたら負けの装備品を付けている必要が有って、それが至近で審査するのだってさ。それに事前に入力した奴では説明付かない奴を使った時点で反則負け扱いに成るのだそうだ」
「……それって問答無用で即座にその装備品を壊す系の能力出たら不味くないかしら?」
「その装備品を能力で保護するのは有りだから、それはまあ防御をぶち抜かれた訳だし、仕方ないと思う。異空間とかの別空間にその装備品を隠しておくのは前提ルール的に無しらしいけど」
「能力での保護は有り、ね。解ったわ」
「じゃあ水神の所に連絡を取るか」
「それ、私も出たらダメかな?」
「駄目だな。ジーヴルの戦闘力は殆どまだ何も解らないし、な。まあ、今回は見ていてよ」
「解った。今回はそうするね」
そしてガルアは準備に行ったのを見て、テラは言う。
「彼女に渡した情報は、そいつの鎧が流動する事で、それは何らかの能力で行われている事……つまり、金属の硬度を保ったままの液体化能力の可能性が有るのですが、それは教えないでおきましょう。一応相手が手札を隠していた時の即応力育成には成りますよね」
「今回必ず勝たせる為にだけなら万全に情報が事前に有った方が良いが、手札を伏せられていて、それに対応出来ませんなんて成ったら、流石に不味いし、殺し合いで無い場面でそう言う経験を得られるのは大きいはず。そもそも氷雲神の造り手のくせに氷でも無く雲でも無く金属使いか液体使いなんて何か伏せ札か裏が有りそう過ぎるからな。むしろ先入観を与えたらやばい気もする」
「今の話のそれが大会用の見せ札手抜き能力なら良いのですけど……」
「まあ今回の場合、ガルアの立場的に此方のメンツを潰せる機会と解釈してそいつが全力で来る可能性も有るけどね」
「……それは良いの?」
「どうせガルアは能力を一つで行くのだろうし、体に重りを装備して戦闘する奴や能力未使用で行く奴迄は行かなくとも、負けても大した損害なんて無いし。あくまでも相手が通常金属で戦う限りは壊せるだろうし。まあ何とかなるはず……問題が有るとすれば、試合会場の範囲だな。地面の下側が試合会場外扱いに成るのなら鉱山でガルアがやっていた戦い方は即座に場外判定扱いに成るだろうし。一応それは事前に確認すれば良いだけだが」
「……不安要素しかないですね……止めさせますか?もしくは参加する大会を変えるとか。別に一つしか大会が無い訳では無いので」
「確実に倒すために手札を事前に大量に登録して来たなら、逆に不正をして来る可能性は低い。其処で不正したら勝負に勝てても試合には負けて賭けた奴全取りされるしね。それに、違反行為してまで殺しに来たら此方が介入すれば良い。地面が此方の支配下に出来るのだし、違反行為した時点で試合は終わっているのだから問題は無い。……まあ、例外として、登録手札を増やさず新しいのを出してくる可能性は有るし、神格個体の造り手と言うならそれくらいはして貰わないとだけど、それなら只の試合の範疇だから問題無いよ」
「大量に手札を登録してきたらどうするつもりですか?」
「事前に登録して来る手札が大量増加したら不正は無しなので無いと勝てても割に合わないから、不正は無い。だから相手が、賭けた物を見て、やばいくらいに膨大に賭けられていた場合は勝負を降りれば良いし、試合がキャンセル不可ならば即座に降参でもすれば良いとして、問題は不正では無く単に登録手札で可能なまだ未開示の使い方を出して来る事だ。試合として本気でガルアを倒す気なら出して来るはず。どうせなら俺が戦いたいけどな。まあ、ガルアがあの能力で戦う上でのアイディアが有るからそれを少し伝えておくよ」
そしてアイディアと共にカーボン繊維強化プラスチック製の扇子を渡す。まあ金属系の素材渡すと溶かされそうだし。そして大会がある場所に移動し事前申請を行う。簡易的な大会なら毎日行われて居るらしいが、此処は週一で行われて居る大会の方にする。今日直ぐに行くのはアイディアを実戦運用する上での鍛錬時間が欲しい的な意味で却下な為だ。そしてガルアの鍛錬でその日は終わった。
☩
私はガルア=スプラウト。元土竜、つまり、モグラだった人間よ。今回は大会に参加する事に成った訳だけど、彼が言って居たアイディアは要するに身動きにも刃化が出来るのだから、体以外の物も刃化出来るのでは無いか?それをざっくり言えば扇子で起こした風にエネルギーを乗せて風を刃扱いに出来るのでは?と言う事。現状なら中距離迄なら何とか成りそうね。まあ練習はしておきましょう。風を刃にする。それは簡易的な壁には出来そうだから、足場には出来るかも知れないけど、エネルギーを消されなければ、の話よね。能力の力だけで、岩盤掘削をやって居た訳じゃ無いとは言え。……うーん。そう言う能力持ちが只のビックマウスなら良いけど、今は流動鎧の攻略法を考えないと。あんな力を持つ人がわざわざ明言したのが只の凄い鎧を持つと言うだけなんて流石におかしいわよね。例えば鎧の流動出来る範疇はどの程度まで?例えばスライムみたいに成れるなら直接攻撃したら掴まれるかもしれないし……大げさかもしれないけどそれは有りそう。わざわざ中距離攻撃手段の習得を進めてきたし、必要に成りそうと言う判断なら無ければアレよね……。そして更に鍛錬をして参加する会場に到着し、時間を待つついでに参加者を見回す。……本当にこれは、只の大会なのかしら?かなり険悪な空気に満ちているのだけど……其処で大会運営の人に受付して貰う。
「ガルアさんですね。大会参加を受け付けました。新規参加者様な様ですが、この大会は誰かに招待されましたのでしょうか?」
「いえ、別に戦いたい相手とかは別に居ないわ。招待も受けてないし」
「なら忠告させてもらいますね。大会には深入りしない方が無難ですよ。大会のルールは、基本的には守られては居ますけど」
「何故ですか?」
「簡単に言えばルールは守られて居るのは問題を起こしたら、極論水神と事を構える事に成るからです。ですが、大会で普通に戦うくらいなら口出しはされません。……まあつまり、ストレス発散の為に合法で暴力を出来る場所と解釈して居る方もそれなりにいらっしゃいますので……」
「ははは……なるほど……流石にヤバそうね。でも、ルールは守られているなら良いじゃない。別にルールが破られては居ないなら試合としてはちゃんと成立しているのでしょうし、あくまでもルールを守っては居るなら、相手の心構えにまで口出しする気は無いわよ。エンジョイ勢とガチ勢の認識上の乖離とか話してもしょうがないし」
「ありがとうございます。それでは、これが壊されたら負けのターゲットです。ガルアさんの試合は十五分後に成りますので、それを付けて待合室でお待ちください」
そして待合室で時間を潰し時間が来た。じゃあ行きましょう。最初に戦う相手は只の人間ね。どうやら刃が潰してある小刀を大量に投げつけてきたけど、問題なく扇子で風を起こして壁を創り、間を詰め、能力で殴る事はやりすぎだと思い、能力で小刀を防ぎつつ、只単にぶん殴って場外にまで殴り飛ばした。……小刀を相手に大量にぶん投げるのはルール的にセーフなのかしら?目とかに当たると、刃が潰してあってもやばくない?まあルールを守らないと神格個体と事を構える事に成りかねないならこれも問題無い様に出来るセーフティーでも有るのでしょうね。例えば回復設備が凄いとか。確認しておきましょう。そして試合の後に確認すると、ダメージをターゲットが肩代わりしてくれる仕様な様だけど、これが肩代わり出来ないレベルのダメージやターゲットが肩代わりする攻撃外の攻撃とか連撃使うと出てきそうなのだけど……。ああ、一定以上のダメージを受けた時点で壊れた事に成るだけで実際には壊れてないのね、これ。まあ次に行きましょうか。これくらいなら楽勝ね。
☩
ある程度の数の相手と戦って行くと、戦う相手に近接物理型が多いのが解るわ。いや、先の話の前提的に合法で暴力をしたい奴からすればそのスタイルの方が良いのと、賭ける物を減らそうとしたら自然とそうなるだけで、遠隔攻撃型の奴が居ない訳では無いわ。とは言え近接物理メタ性能が有ればある程度簡単に勝ち抜けられそうな環境ね。……勝つ事では無く、合法で暴力を振るう事が目的な人達なら別にそれでも良いのかも知れないけど、空中機動もマスターしていかないとね。足場が出せても数秒後には消えるし、常時空中戦をやろうとするならかなり体力使う訳だけど、地面を操れる奴相手にはそれが常時出来ないと不味いし。要するに大会に参加する目的が大会優勝では無い奴がそれなりに居る結果の状態なのよね。まあ、そういう人たちが集まって、暴力をしあう事でストレス発散?サンドバッグを殴るのでは足りないと言う事かしら?まあ、こういう状況に成っても大会運営が存続するのは、ここで発散されるそう言うのが大会運営を停止したら他に向きかねないし、此処で大会運営停止なんてしたらむしろヤバイでしょう。だから事前警告だけされた訳ね。と、次ね。一対一の試合なのに相手だけ大人数とかふざけてない?……なんだ、ユニット生成なのね……。物量押し、と言うか、質量押し?回避型泣かせよね。これ。創るユニットで試合の範囲全てを物量で埋めて、相手を押し出し相手の場外負け狙いをして来て居る訳よ。相手の壊せない硬度の物を大量に即座に生成出来るなら確かにやばいけど、こっちはダイヤモンドも壊せるから、流石にそれほどの硬度は無いのか、相手の硬度不足なせいで普通に壊せるし、他にも能力次第では普通に対処されそうでは有るわね。高速で壊すなり何なりと出来ないとアレなのだけど、要はそれが出来れば良いのだし、後は場外に無理矢理押し出して勝利した。そして氷雲神の造り手と戦う事に成ったわ。巨大な鎧を着る大男な様だけど?
「お前、ガルアって言ったか?此処で出せる範疇で、と、前置きするが、全力で行かせてもらう。精々頑張る事だな」
反論しようとした所で試合が始まってしまった。初手で風を起こして刃をぶつけに行く。それをそいつは敢えてそれに当たりに行き、絶妙なタイミングで後ろに移動させた……。そんな無茶苦茶な、とは思うけど、要はバフを掛ける対象の風に敢えて必要以上に飛ばされて居るだけね。なら、バフを掛ける範囲を広げれば、……そうした瞬間に退避されたわね。そしてそいつの鎧が蠢く。来る。その鎧はでかい拳を生成し大男は姿を小さくしていた。……いや、敢えて自分のサイズよりもだいぶ大きいサイズの鎧を着こんで置き、その余剰分を武器に転用しているのでしょう。でも、それは普通に私のエネルギーを貫通するには至らなかったわ。でもそれでは終わらなかった。切れたそれらが再び鎧に戻り、元通りに成り、もう一度、何度でも。それはつまり、此方のエネルギー切れ狙いのひたすら続ける攻撃。こちらもそれを切れていると言うか、押しのけているだけなのに無駄にエネルギーを消費させられていく構図に成ったわ。これでは防御しているだけではじり貧ね。……近接物理なんて拘束されそうだけど……やらないとね……。そして一気に接近しに行く。鎧の一部を足元に配置しそいつはそれに乗りそのまま高速で移動し始めた。制御可能重量以下の物を操り、それに乗り、それでも制御可能重量を超えていなければ確かにやれるし……近接されたらこいつの鎧じゃ此方の物は防げないなら、そうするしかないのは解るけど、現状の此方の遠隔攻撃は往なされるだけなのよ。……なら、こうしましょう。私は地面を浅く掘り、土や小石を散弾のように投げる事にする。これなら現物が残る以上バフの可能時間も長いのよ。相手が此方の攻撃力を防げない前提だとは言え、これで逃げ道を塞がないとね。
「……まだ対処方法なら出来るのが有るが、今回は登録してねーな。まあ降参で良いや。コングラチュレーション、ガルア=スプラウト」
「……確かにそちらは手抜きの上での話なのは分かるけど、もっと悔しそうにしなさいよ」
「縛りプレイでの大会参加とか負けても失う物は殆どねーからな……それに此処でブチギレしての全力で再戦なんてしたら水神側に此方の全力の戦闘力データが筒抜けに成るわ。だから負けで良いよ。そんじゃ帰るわ」
「チッ。なら場所を変えてやるわよ。それなら文句は無いわよね?」
「ガルア、止めとけ。アレで手抜きなら、多分金属を液体として制御する能力じゃ無い」
「……シュライク・バースディさんじゃ無いですか。お解りの様ですね。この大会は決闘罪を考慮せずともやれますが、それをやるなら犯罪に当てはまりかねないですからね」
「こいつに私は勝ててないじゃない。これじゃ単に勝ちを譲られただけじゃ無い」
「つまり、セーフティー無しで私と戦いたいと?」
「……それだと只の殺し合いね。確かに話が変わるわ。……良いわよ、私の勝ちで」
「ご理解いただけて何よりです。シュライク・バースディの秘蔵っ子さん」
「……シュライク。私達も帰りましょう。今の奴で終わりなのだし」
「解った。なら帰るとするか」
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