A7(あるいは"c6")救われない世界があるのかもしれないことについて
正しくブルーライツの扉の外は真冬であった。正しくと言っておきながらなんではあるが、真冬という言葉では表現しきれぬ、これは何であろうか。気温だけを切り取って、わざわざ「冬のような気温である、なんと氷点下である。」と、大袈裟に言い張りたい訳では無い。この世の全てのスズメが息絶えるほどの冬。息絶えた想像の世界が老婆・老爺の心に横たわっている。
階段など無いよ。そこは、ある意味純白とも思える超繊細なピクセルの集合体であり、まあ、簡単な表記でお伝えするならば「キャンパス」であるのだが、ある意味純白とも思えると記載したのには、それ相応のワケがある訳だ。
純白なキャンパスであるというのならば、その表面の凸凹を、将来的、未来的にクレヨンの小さな欠片の住処にしなければいけないのかもしれないのだし、その繊維のミクロな隙間に虹色の元を流し込んであげることが義務であるように思うのである。
ここまで思考を巡らせた上で、なんだこの全くもって未来的で無いキャンパスは!もう全ての繊維や凹凸は画材のクオリアを求めていないのであって諦めてしまっているではないか。
たとえ少しであっても、意味がなくとも、暖めなければいけない。
Wは老爺を静かに抱きしめた。
ユキもまた、老婆を抱きしめた。
こんにちは、想像の世界。 モリハウス @anmonioni
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