“c”5 旅立ち、解放。
ミミズをついばむと、夏が来る。
僕の体の中の神様がそんなことを教えてくれた。
神様?それは情報だよ、大きな流れだよ。僕を形作るものでもあるし、僕の生きる理由でもあるし、僕の行動パターン全てでもあるよ。
体がむっくりしてきたら、それは冬の訪れ。
僕の体は勝手にダウンを羽織るんだ。どこかのお店で買ってきたわけではないよ。勝手にダウンを羽織るんだ。本当だよ。
僕はいつだって、この大きな自由空間を飛び回るのさ。
この大きな自由空間っていうのは、世界のことだよ。僕の世界だ。
羽根をバタバタさせるんだ。筋肉に電流を流すんだ。結構大変なんだよ。
ミミズを探すためでもあるし、暖かいところを探すためでもあるのさ。
これは神様の命令通りに。ただ、命令通りに飛んでいるだけだよ。
綺麗な景色を見るために、山を登ることはないさ。ミミズを探しに行くんだよ。
愛されたいから胸元に飛び込むわけではないのさ。暖かいところを探しているだけなんだよ。
でもね。でもね。
そうでなくてもいいんだよ。神様の命令通りでなくても良いんだよ。
私はあなたのスズメ。あっ、あなたが神様になったっていいんだよ。
僕はなぜ世界を飛び回るの?
僕はなぜこんなに狭い世界で生きているの?
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