"b"5 独
「独りよがり」であったよ。
私は1人足掻いていて、子供であった。
私の世界を解放することのみで、きっと誰か―母であり友人であり、全ての人―に愛されたい。望みは独りよがりであったし、君一人にその責務を押し付けていただけだ。
私が。この私がW君、君の世界を解き放つべきなのだ。これは主張だ。街灯は決して私を照らしている訳では無い。その責務は道を照らすことでしかなく、それ以上を無意識的に望んでいたことさえにも気づかないでいた。
私を照らす街灯は、私が作る。
W君を照らす光は、私が作る。
秋の訪れは、私の想像の世界がなによりも劣った、酷く醜い質感で創造されたことによる、世界の凍え。絶対的劣勢を受け止めなければいけない。
例えばあなたに「あなたの世界を覗かせてちょうだい。私はあなたを見たい。」と、言われたいのであれば、いや、言われたいのだから、絶対的劣勢を受け止めなければいけない。
さて、ここからは主張の世界だ。
世界を照らす世界。光を照らす光だ。
黙っていても、懇願しても誰も私の頭を撫でてくれやしない。
柱を立てろ。線を引け。電気を通せ。
W君、君をこれから照らすのだ。スズメの羽を震わせて、彼らは世界へ飛び立つ。誰しもが、空を見上げスズメの影を見る。それが私の求める想像の世界だ。
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