「冴えない30代OL、自称勇者の中学生を拾う」 メヂウムワークス文庫
おはきょむ! 10月も深まってまいりました。夏の東京のムシムシも耐えられないけど冬の東京の乾燥もいやなんですよね……喉が痛くなる……。
それではきょうも架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!
「冴えない30代OL、自称勇者の中学生を拾う」著・あずみN イラスト・鱈場蟹倶楽部 メヂウムワークス文庫
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冴えない30代OL、自称勇者の中学生を拾う あらすじ
恋人もおらず、友達もおらず、ただ職場とアパートを往復するだけの暮らしをする30代OL・春本あさひ。そんな彼女のアパートの前に、ある日謎の中学生が倒れていて……?
◇◇◇◇
あずみN先生の新刊です。ポップなあらすじとイラストにニコニコしながら開いたらなかなかの地獄が繰り広げられるお話でした。
あさひは職場でそこそこの立場があり、そのせいで悪意のない後輩に「先輩みたいのを御局様って言うんですかー?」と聞かれるような人です。でも彼氏いない歴イコール人生だし、友達も1人もいません。
ある日そんな彼女のアパートの前にいたのは、シオンという名前を名乗る謎の中学生でした。
シオンはどうやら虐待を受けていたようで、ちょっと錯乱したもののしゃべり方をします。そういう状態なので学校でも家でも居どころがなくなり、家を飛び出してきたわけです。
シオンは錯乱しながらも、自分は勇者なのだと言って譲りません。どうやらそれがシオンの生きるよすがのようなのです。
そのシオンを守るために、あさひは立場を捨ててでも、と行動を起こします。
いわゆるおっさんJKモノっていっとき流行りましたけど、ああいうゆるふわな幸せストーリーでなく、人を預かる責任の重さとか一生孤独でいると決めた現代人の悲しみとかがこれでもかこれでもかと叩きつけられる哀しくてせつないお話でした。
なんというか内臓にズッシリくるリアリティで、面白く読む手は止まらないものの毎ページダメージを受けるようなお話でした。あずみN先生、恐ろしい。
とにかく結末を読んでほしい。最善の落とし所でありながら絶望的、しかしどこか眩しいような、絶妙なラストにはただただ無言になるしかありませんでした。でもすっごい面白いんですよ、ページをめくる手が止まらないんですよ。これは本当なんですよ……。
あずみN先生らしい、人間同士の重たいやつがガツンとくるお話でした。面白かったです。本当に。読書ってそもそもこういう体験なんだな、とあらためて思いました。
それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)
また次回、きょむなら!
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