架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:葉月あれや
「おはきょむ! 今回は『探偵は眼鏡を外さない』『ゲーミングチェア探偵 犯人はこの鯖にいるンゴ』の著者、葉月あれや先生をお招きして、バーチャル読書会を行いたいと思います。葉月先生、そちらはいかがでしょうか?」
「準備できました。なにとぞよろしくお願いいたします」
「はい! ではまずは、執筆環境のお写真からいってみようと思います!」
(ゲーミングチェアとゲーミングパソコンの置かれた書斎の写真)
「いやこれ作家の部屋なのかゲーマーの部屋なのか分からないじゃないですか」
「自分でもそう思います。でもゲーミングチェア、快適ですよ。いい椅子は体にいいです」
「そうなのですか……それでは作家を目指したきっかけを教えていただければと思います!」
「小さいころからとにかくミステリ小説が好きだったんですよ。『読者への挑戦状』があるようなガチのやつ。だから本格ミステリを書く人間になりたい……と思って、なんとかオソカワミステリさんの新人賞で拾い上げしてもらったのですが、文体がそういう『読者への挑戦状』的な小説を書くのに向いてないと編集者さんから指摘をうけまして」
「読者への挑戦状がついてるのってかなりガチなミステリですよね……きょむ、ミステリの知識がないのですが、それでもそういうのって楽しめるんですか?」
「楽しいと思いますよ。頭を使いながら読書するという体験ができます。自分の文章はそういうのにあんまり向いてなかったわけですが」
「なるほどょむ……そういうわけで『たんめが』とか『ゲーミングチェア探偵』みたいな路線に切り替えたわけですね」
「そういうことです。『たんめが』のあとしばらくアイディアが浮かばなくてうーうー唸って、唸っててもどうしようもないのでしばらくオンラインゲーム漬けの生活をして、その結果生まれたのが『ゲーミングチェア探偵』です」
「なるほどょむ。それがあの書斎なんだかゲーム部屋なんだか分からない部屋の正体だったわけですね。見事な伏線回収……!」
「実を言うと伏線回収ってそんなに得意じゃないんですよ。本当は宇宙空手家が戦うすごく脳筋な話を書きたいんですけど、オソカワミステリ文庫への恩が大きすぎて……」
「えっ、葉月先生が宇宙空手家の話を?! オソカワSFの編集者さん観てます?! あるいは別の架空ラノベレーベルの編集者さん、観てたらぜひご検討を!」
「きょむちゃんのセールス力半端ないですね……ありがたや……」
「えへへー。褒められた。だって面白そうじゃないですか、宇宙空手家」
「目からビーム出したりおっぱいミサイル撃ったり心身二元論式サイボーグだったりする馬鹿馬鹿しいやつ……というと語弊があるな。とにかく頭を使わないで読めるようなやつを書きたいんですよね……書きたいものは日々うつろうわけです。昔は『読者への挑戦状』のついてるミステリを書きたかったのに……」
「それってなにかきっかけはあるんですか?」
「まさにこのチャンネルなんです。自分の作品が紹介されているよと聞いたのが始まってわりとすぐのころで、毎回楽しみに配信を見ておりました。それで面白そうな架空ラノベを買って読むようになって」
「なるほどょむ、それはひたすらにうれしいです」
「なのでゲストに呼ばれてドキドキしてます。早くお約束のやつ言われたいです」
「きょむの年齢は禁則事項なので……」
「ウワー!!!! お約束のやつー!!!!」
「……うぉっほん。そいでは質問コーナーにいってみたいと思います。『架空ラノベ紹介配信の第一回に取り上げられたときのお気持ちはどうだったんでしょうか』ううむこれはきょむに刺さる」
「単純に嬉しかったですよ。架空ライトノベルはぜんぜん知らなかったんですけど、読んでくれる人がいてチャンネルで紹介してくれる配信者さんがいるというのはひたすらにありがたかったです。あの配信の直後に重版もかかったので」
「ホントですか?! きょむも嬉しいです。それでは次の質問です。『エゴサがエグいような気がするのですが、どれくらいXで自分の名前を検索されてますか?』という質問です」
「新刊が出た直後は2時間に1回くらい……そのあとはちょっとずつ減るんですけど毎日1回はエゴサしてます。嬉しくない反応もあるんですけど、そういうことを言う輩は片っ端からミュートからのブロックしてます」
「ツイ廃じゃないですか……」
「なんでツイッター、Xなんて野暮ったい名前になったんでしょうね」
「まあそれはともかく次の質問です。『架空文フリで配布されていた短編ミステリシリーズはどこかに再録されないのでしょうか? 水害で同人誌を隠している本棚が水浸しになってしまいまして……』これは切実だ……」
「あー、あの『読者に挑戦する薄い本』シリーズでしょうか。ぜんぶまとめて短編集にして、オソカワミステリ文庫から出版する予定です」
「朗報じゃないですか!!!! きょむも読みたい!」
「アマチュア時代に書いた作品もあるので、いささかトリックが甘かったりするんですけど、編集者さんに見てもらってしっかりしたお話にしますので! ご期待ください!」
「おお……楽しみすぎる……! では朗読のコーナーに行こうと思うんですけど、葉月先生の作品はミステリなので、面白いところを切り出すとネタバレになってしまうんですよ。そこでですね、葉月先生がときどきXにUPされている4コマ漫画の朗読をしようと思います」
「あの謎の4コマ漫画読んでる人いるんですかね……」
「少なくともきょむは好きですよ」
「そうですか……では……」
◇◇◇◇
「走れメロン」
「うわー! 農家のおじさんが来たぞ!」
「早く逃げろ! 収穫されちまう!」
「ブチブチブチィ! ツルを引きちぎってやったぜ! これで農家は怖くない! 走って鮮度を保て!!」
「いやそれ逆に収穫されちゃうやつ!!!!」
「うわー!!!!!!」
◇◇◇◇
「実に謎だ……こんなのでいいんですか、きょむちゃん」
「葉月先生の4コマ漫画、味わいがあって好きです。なんというか絵の昭和風味がとてもいいというか」
「そうですか? アイディアが出なくて詰まっているときでも謎の4コマは分泌できるんですよね……」
「これからも期待しております! それではなにかお知らせなどありましたらどうぞ!」
「そうですね……質問コーナーで答えた通り、『読者に挑戦する薄い本』という同人誌のシリーズが、オソカワミステリ文庫から『読者に挑戦する鈍器本』という本になる予定です。マジで鈍器本になることが見込まれるので、護身用にお買い求めください」
「えっ鈍器本になるんですか、それは期待が高まります」
「薄い本シリーズ、なんだかんだ薄くない本を32巻まで書いたので……大幅加筆修正と新作も加わります。分冊も提案されたんですけど一冊にまとまっていたほうが安くお求めになれるので……」
「鈍器文庫本、期待しております。オソカワ書房の文庫本はちょっと大きいのがいいんですよね」
「よくわかってらっしゃる……あの新人書店員殺しの文庫本いいですよね。それからマジで宇宙空手家の話を書きたいので、そういうのを出してくれるレーベルの編集者さんがいらしたらぜひ連絡をください」
「そちらもぜひ読みたいです! 『たんめが』のSF要素がすごく好きだったので、きっと面白くなると思いますよ! 編集者さん、観ておられましたらなにとぞ……!」
「お知らせはそれくらいでしょうか……きょむちゃんのおかげで忙しくなってうれしいです」
「えへへ……それでは、きょうはこの辺でおしまいにしようと思います! それではきょむなら!」
「きょむなら〜」
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