架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:北条葦時
「おはきょむ! 本日は『3年以内に遺跡の学術的価値を証明しないとレジャーランドにされる話』の著者、北条葦時先生をお招きして、架空ラノベバーチャル読書会をしていこうと思います! 北条先生、そちらはどうですか?」
「問題ありませんですー。きょうはよろしくお願いします」
「はい、では始めていきまーす。まずは執筆環境のお写真からです」
(背の高いメタルラックのわりと高いところにノートパソコンが置かれている画像)
「いま流行りの立って書くスタイルですか」
「筋トレが趣味でして、座って書くとどうしても運動不足になるもので……コーヒーにはチョコ味のプロテインを投入しながら飲んでいます」
「わーお健康的……! 素朴な疑問なんですけど、筋トレって痩せるんですか?」
「まあ脂肪よりは筋肉のほうが重いので、体重は増えますね……でも体が締まっていくのは楽しいですよ」
「なるほど……では作家を志した理由などあればお聞かせ願いたいです」
「ううーむ……大学で考古学をやっていて、修士までやったんですけど食べていく方法がないよと先輩に脅されて、修士課程の途中から大学の近くのカルチャーセンターに通って小説の書き方を勉強したんですよね。それで出来上がったものをしびれびれ大賞に送ったら運よく拾い上げしてもらったという感じです。結局ラノベ作家になってもアルバイトしつつなんですが」
「現実めっちゃ厳しいじゃないですか」
「そうなんですよ、昔の人のやっていたことを調べたりその痕跡をほじくり返すのは楽しいんですけど、それで何か役にたつの? と言われると大変困ってしまうんですよね……昔の人がなにを食べて何を信仰していたか、って調べるのはすごく楽しいことなんですけど、実際に人間の生活に役立つものではないので」
「学問って厳しいんですね……」
「それで考古学ラノベを書いてみた所存です。というか小学生のころから家の近くにある遺跡のジュニアボランティアガイドをやっていたので、誰かと考古学の楽しさをシェアできたらいいな、とも思いまして」
「いやちょっと待ってください北条先生めっちゃ喋りますね?!」
「ふだん喋る相手が鉢植えのサボテンだけなもので……」
「つらい……」
「だからきょむちゃんが猫ちゃんを飼い始めた、って聞いてちょっと考えたんですけど、この現状で猫飼うのは無理ゲーじゃね? と思って諦めました。いずれ大作家になったら、と思っております」
「頑張ってくださいね……! それでは質問のコーナー行ってみようと思います。まずはですね……『オススメの遺跡はありますか』という質問ですが」
「オススメの遺跡ですか……専門は古墳時代なので、近畿地方にたくさんあるいわゆる古墳がオススメです。面白いですよ。古墳に限らず修学旅行で行く京都奈良のあたりはだいたい間違いないです。あとちょっと遠いんですけど、エジプトでアブ・シンベル大神殿を前にしたときは感動しました」
「いやちょっとどころでなく遠いじゃないですか」
「そうですねえ……うーん。イタリアとかエジプトは掘り起こすと遺跡が出てきちゃうので地下鉄を作れないというエピソードが大好きなんですよね……」
「昔擬人化漫画で履修したやつだ……」
「きょむちゃん、歳がバレますよ」
「きょむの年齢は禁則事項ょむなので……」
「あっお約束のやつ」
「おっほん。それでは質問に戻ります。『牧●物語シリーズがお好きなのでしょうか』という質問ですが」
「ゲーム機は歳の離れた兄のお下がりのゲームボーイアドバンスと兄の買ったソフトしか持ってなかったんですけど、それで遊んだ牧場●語GB2がすごく面白かったんですよね。デビュー作はその設定を流用させてもらいました」
「お兄さん、たぶんきょむと同世代……」
「じゃあ黄●の太陽とかも遊んだんです?!」
「うおっ急に来た! 遊びましたよ、黄●の太陽。みんな顔がいいのが好きです」
「黄金の●陽、マジで遺跡好きの原点なんですよね。黄●の太陽で遊んだからジュニアボランティアガイドにも参加したし考古学の道に進んだ感じです」
「なるほどょむ……人生を狂わせられている……」
「まあ今は遺跡を見学して資料館を眺めるのが楽しい生活をしていて、それもまあ楽しいので特に難しく将来を心配したりはしていません。来年の連休までお金を貯めて東北の縄文時代の遺跡を巡ろうと思っています」
「そうですか……東北、いいところですよ。それではもう一つ質問です。『梅吉にモデルはいるのでしょうか?』という質問ですが」
「特にモデルはいないです。強いて言うならジュニアボランティアガイドのときの指導員の先生かな……博士号まで取って遺跡を研究しているのに貧乏で、奥さんの稼ぎで食べていたので周りの人には『髪結いの亭主』とあだ名されていました。『金を出さないといえば文科省、文科省といえば金を出さない』もその人の口癖です」
「本当に言うんだそのセリフ……」
「まあ事実遺跡の研究で食べていくのは難しいですからね……文科省が潤沢にお金を出してくれれば、僕ももうちょっとマシな暮らしができたはずなんですけど」
「……重い……では、セリフ朗読のコーナーいってみようと思います! 『3年以内に遺跡の学術的価値を証明しないとレジャーランドにされる話』から、122ページの梅吉とヒロイン蘭の会話を、北条先生が梅吉、きょむが蘭を読みます」
「よし!」
◇◇◇◇
「ここがレジャーランドなんかになっちゃいけないと思うんだ。古代遺跡はそれだけで素晴らしいものだ」
「あたし高卒だからよくわかんないんだけどさ、古代遺跡って発掘してなにかいいことあるの?」
「古代の人が何を思い、何を願い、なにを信じていたか分かる。それだけで素晴らしいんじゃないのかい?」
「うーん、難しいね……すぐにはお金にならないけど、学ぶこと自体に価値があるってこと?」
「まさしくそれが本質だよ。学ぶことには価値がある。確かに観光資源にするには物足りないかもしれない、なんの価値があるのって言われたら学ぶことに価値があるとしか言えないけど」
「梅吉はロマンチストだね」
◇◇◇◇
「ふう……ここのセリフを選んでくるきょむちゃんすごいな……」
「お話の肝だと思ったのでここを抜粋させてもらいました!」
「よく読んでおられる……。まさにこのセリフが書きたくて書いてました」
「それでは、今後についてなにか告知がありましたら、どうぞご自由にお話しください」
「えっとですね、今回取り上げていただいた作品は続刊が決定していて、ウンウン唸りながらどうにか初稿が上がったところです。それから、オメガシティという小説投稿サイトにUPして児童書のコンクールに参加していた作品の、『いせきぶ!』というのが書籍化して、近くオメガシティほだす文庫という児童書レーベルから発売されます。こちらも読んでいただければ……小学生向けの作品なんですけど」
「おお、新作! どんなお話ですか?!」
「遺跡ジュニアボランティアガイドが古代人と出会う話です。分かりやすくて楽しいお話に仕上がっていると思います。面白いのは自信があります」
「ぜひ読んでみようと思います! このチャンネルで児童書取り上げたことってあったっけ……」
「記念すべき第一歩になっちゃうんですかね、だとしたら嬉しいです」
「楽しかったです、北条先生、きょうはありがきょむでした!」
「こちらこそありがとうございました、楽しかったです!」
「それではまた次回、きょむなら!」
「きょむなら〜」
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