架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:長篠イクス
「おはきょむでございます! きょうは『レジで働く皇女さま!』『脳内盗聴されていてもラブコメはできますか?』の著者、長篠イクス先生をお招きして、架空ラノベバーチャル読書会をしていこうと思います! 長篠先生、そちらは大丈夫でしょうか?
「大丈夫です! よろしくお願いします!」
「すごく滑らかな進行だ……まずは執筆環境のお写真をいただいているので、そちらからどうぞー」
(渋い日本家屋の畳の部屋にちゃぶ台を置いてその上にポメラが乗っている写真)
「なんだかよさげな感じですね。窓から見えるのは海ですか?」
「はい。海が好きなんですよ。ただ見てるぶんには好きなだけで泳ぐのは苦手で、小学生のころの遠泳大会とかはひたすら苦痛でした」
「遠泳大会のある小学校ってなんだかロマンがありますね……きょむは地元の山に登らされましたね」
「ここ、海の反対を見ると山なんですよ。きれいなところなんですけどいかんせん田舎なのと土砂崩れも津波も恐ろしいという。でも生まれ育った土地なので離れたくなくて」
「わかります。きょむもずっと実家にいたかった……でもリアル母上から雪で屋根がひしゃげた、こんなところに帰ってくるなって言われました。……では、作家を志したきっかけを教えていただけますでしょうか」
「そうですねえ……中学のころ架空ラノベに出会って、それっぽいものを書き上げて『俺の天職はこれだ!』って思って、そのまんま統合失調症に突入して高校を中退して、そのせいでなんのキャリアも積めなくて、食べていくには自分で道を切り開くしかなくて、それで架空ラノベ作家を真面目に目指した次第です」
「お、おう……人生ハードモード……」
「まあ病気を拾ったのは仕方がないんで開き直っただけです。だって統合失調症で中卒で職歴なしの30代が就ける仕事って田舎にあります? スーパーのレジすら無理じゃないですか?」
「友達からスーパーのレジはけっこう採用されるのが難しいって聞きましたね……」
「人生開き直りが肝心です」
「なるほど……。では、質問のコーナーいきましょうか。『脳内盗聴されていてもラブコメはできますか? がすごく面白かったです。自分も軽い統合失調持ちなのですが、躁鬱気質は作家むきで統合失調気質は作家に向かないという話を聞きました。そこについて意見を伺いたいです』という質問ですが」
「うーん……確かに躁鬱気質で有名な作家さんはたくさんいるんですけど、別に統合失調気質だから向かないってこともないんじゃないですかね。要するに書きたいから書いてるだけで、書きたくないなら躁鬱気質でもその人は作家には向いてないんだと思いますよ」
「ふむ……真理だ……では次の質問です。『レジで働く皇女さま! と、脳内盗聴はだいぶ違う作品だと思うのですが、これは意識して文体を変えられたのですか?』という質問ですが」
「いえ、こうだったら楽しいだろうなーって適当に盛ったらこうなりました。なんも意識しないで適当に書きました」
「適当であの温度差?! すごくないですか?!」
「たぶんお話に必要な雰囲気ってお話ごとに違うと思うんですけど、単純にその雰囲気に合わせただけです」
「なるほど……超大型新人の意見だ」
「皇女さま! が出たとき架空ラノベ業界がザワついたって聞いたんですけど、本当に楽しいからただ盛っただけです。なんていうのかな、俺はどうしても文章を書く以外のことができなくて、それで毎日ポメラをつついているわけなんですけど、それって障害のある方が作業所で絵を描いたりオブジェを作ったりするのと何ら変わらないんですよ。作家デビューする前は『1日小説書いてていい作業所ってないのかよ〜!!!!』ってよくぼやいてましたね」
「ノーアート・ノーライフじゃないですか」
「そうですそれです。それ終わったらチャンネル変えてスーパーヒーロータイムを観ます」
「スーパーヒーロータイムですか。毎週ツイートしてらっしゃいますもんね……」
「日曜は特撮と大河があって楽しいです。平日の朝ドラも観たいんですけどどうしても朝8時前に起きてこれなくて」
「そういえば『皇女さま』のあとがきにもちらっと特撮に育てられた、みたいなこと書いてありましたね」
「そうですねえ……幼稚園のころからおっさんの現在に至るまで、物語の摂取は主にスーパーヒーロータイムでした。読書よりスーパーヒーロータイムで観たシチュエーションを記憶して活かしている部分もあるように思いますね」
「きょむは特撮ってあんましよく分かんないんですけど、魅力はどこですか?」
「うーん、やっぱりたまにあるトンチキ回とかクソ女装回みたいな笑える話をやるくせに、大真面目で正義のために戦うところですかね。あとそのままおもちゃに流用できる武器とか変身ベルトとか」
「なるほどょむ……」
「きょむちゃんは平日の夕方にアニメ観てた世代ですか?」
「そ、それは禁則事項ょむですので……セー●ージュピターになりたかったのは秘密なので」
「おお、お約束のやつだ。ピンクと緑の組み合わせって可愛いですよね。制服のセーラー服も胸元が編み上げだし」
「女児向けアニメにも強いんです?!」
「いっときけっこう観てました。ニチアサでやってるのは時間帯変わっちゃって、いまはスーパーヒーロータイムを追っかけるので精一杯です」
「なるほど……。時間に余裕があるのでもう一つ質問いきます。『今年の大河ドラマを毎週楽しみに観ているのですが、俗っぽいとか重厚さが足りないとか言われていてとても悲しいです。長篠先生は楽しく観られているようなので、今年の大河ドラマになにか一言』……今年の大河、面白いんですけどねえ」
「あー……ツイッターでネガティブな意見を言うやつは見つけ次第ブロックしましょう。今年の大河はネトフリで配信したら海外の視聴者がめちゃめちゃ盛り上がると思うんですよね。えねっちけーの『ご意見はこちら』に面白かったもっとやれとメッセージしましょう。重厚感が足りないとか歴史を冒涜しているとか言うやつは無視でオーケーです。どうせ娯楽時代劇なわけですから」
「娯楽時代劇ですか……その目線で見るのがいいんでしょうね。ではそろそろ朗読のコーナー行ってみようと思います! えっと、『レジで働く皇女さま!』の48ページから、スーパーの裏で交わされるハナとドミノの会話を、ハナをきょむ、ドミノを長篠先生で読みます!」
「よしっ。がんばるぞ」
◇◇◇◇
「ふう。きょうのお仕事おーわり! 立ち仕事って疲れるんですね」
「ハナちゃんはなんでバイトしてるの? お家が経済的に厳しいとか?」
「いえ。ただの社会勉強です」
「社会勉強ねえ……皇室のひととか政治家に聞かせてやりたいよ。国民の血税で贅沢三昧だ」
「そうでもないらしいですよ? 皇室はけっこうカツカツだって聞きました」
「ハナちゃん週刊誌とか読むんだ。意外」
「あ、や、商品陳列をしてるときに目に入っただけで、あんないかがわしいもの読みませんよ」
「だよね。ハナちゃんは清楚だからね」
◇◇◇◇
「おー……きょむちゃんかわいい……」
「えへへ……それでは長篠先生、なにか告知とかありましたらよろしくお願いします」
「はい! 皇女さまも脳内盗聴も打ち切りなんですけど、いまモリモリ新作を書いております。あとブログに皇女さまの続きをUPしているので、校正の入ってない文章でよければぜひ読んでいただけたらと思います」
「おおー。長篠先生のブログはこの動画の概要欄からどうぞ! 長篠先生、きょうはありがとうございました! それではきょむなら!」
「きょむなら〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます