「独身メガネのプリンセス」 ソイラテ文庫

 おはきょむ! セミファイナルの季節が近づいて参りました。コンクリにセミファイナルが落ちてるという状況がそもそもきょむの田舎ではなかったので、道端とかベランダにセミファイナルが落ちていると本当に怖いです。


 そんなこたぁどうだっていい。きょうも架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!


「独身メガネのプリンセス」著・みしまゆきえ イラスト・あこ ソイラテ文庫


 ◇◇◇◇

 独身メガネのプリンセス あらすじ

 ドリニア王国のお荷物こと、ジザベル王女。三十路に突入しても男っ気がなく、やぼったい眼鏡をかけて公務以外ではずっと本を読んでいる。父王はジザベル王女を政略結婚に使おうとするが、すべて顔合わせで破談になってしまう。ジザベル王女の幸せはいずこ?!

 ◇◇◇◇


 はい、「ホラー俳優溺愛妻」のみしまゆきえ先生の最新作です。今回も最高オブ最高でした。


 幸せって人によって尺度が違うもので、なにを幸せに思うかは個人の自由! というアツいメッセージを打ち出した作品でした。


 ちょっと前にネズミーがメガネの主人公を登場させたと話題になりましたけど、メガネの女の子が本物のプリンセスとして登場するすんごいお話でした。プリンセスですよ、ドレスを着てティアラをつけた、シンデレラや白雪姫と同列に語れるプリンセスが、メガネかけてるんですよ! すごくないですか?!?!


 どうにも外国だとメガネって根暗とかオタクとか思われてイメージがよくないらしいんですが、このメガネのプリンセスであるジザベル王女は基本的に明るい子で、でもふだんは静かに本を読んでいる、という子です。子っていうか三十路のひとなんですけど。


 ジザベル王女は結婚することを幸せだとは思っていなくて、むしろ面倒くさいと思っています。仮に結婚しても新しくできる家族もきっと自分を疎ましく思うんだろうな、と思ってるわけです。しかしジザベルは王女ですから、家族は当然結婚しろと圧をかけてきます。お見合いもやらされるわけですが、うまいこと変人のふりをして破談にしてしまいます。


 ジザベルは賢いんですよね。ドリニア王国はもう王が治めるのではなく貴族院と衆議院という議会制になっていて、国民からの税金で大がかりな婚礼をやるのは無駄だと分かっているわけです。ジザベルは誰にもなにも言われず、淡々と物語を楽しめればそれでいいのです。


 後半で展開されるジザベルの自由への闘争が素晴らしい。ジザベルは自分が何をすれば幸せなのかよく分かっていて、そうではない偽物の幸せを押し付けられることを徹底的に拒否します。つよい。これが自立した女性……! と思いました。あと猫のララがかわいいです。単巻で完結なのが寂しいくらい面白いお話でした。


 恒例のスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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