「文豪幼児芥川直木」 SA文庫
おはきょむ! 八月ですね! キンキンに冷えたビールがうまい! あと最近、うっかり買いすぎた日本酒を美味しく飲むべくライムジュースを買ってきました。サケライム最高!
酒の話はともかく架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!
「文豪幼児芥川直木」著・長崎宗久 イラスト・揚げ物 SA文庫
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下は小学生から上は老人まで挑戦するライトノベルの新人賞に、並外れて異彩を放つ作品が投稿されていた。下読みは驚愕し、編集者は気絶し、その作品は大賞をもぎ取った。圧倒的な才能でそれを書いたのは、なんと幼稚園児だった!
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「ご近所の幼女先輩が俺をめぐって修羅場」の長崎宗久先生の最新作です。またマセた子供が出てくるお話でした。いや幼稚園児がライトノベルの新人賞獲っちゃうってどういうこと???? というお話なのですが、すごくリアルで説得力のある話なのです。すごい。
まず物語はZA文庫という架空の、いや架空ラノベだから二重に架空なんですけど、とにかくライトノベルの編集部がざわつくところから始まります。なんだこのものすごい作品は、と編集者さんがもめる様子がリアルです。
書いた人間のプロフィールを見て、編集者たちは賞を与えるべきか大荒れのもめ方をするんですけど、それでも「この作品は世に出さねばならない」と判断するのがシビレます。
そして場面は切り替わって芥川直木くんがポメラを叩く様子が描かれます。芥川直木くんは、まぎれもなく受賞作、「ブラッドオレンジ」の作者なのです!
直木くん、いっそ直木ちゃんはまだ五歳の子供なのですが、まあモーツァルトみたいなもので圧倒的な才能を抱えて生まれてきた子供です。その才能は物語創作の才能で、三歳のときから文章を書き始め、いまでは漢字や熟語も的確に使えるほどに成長しています。
そして直木ちゃんは自分が「ただの人」になってしまうことを恐れ、幼稚園に行くことを拒否します。そりゃそうだ文章創作の神の子に桃太郎を読み聞かせするなんて釈迦に説法ですよ。
幼稚園に行くくらいなら図書館に行きたい、という直木ちゃんの意志を汲み取る親御さんも、とんでもない子供作っちまったぞと思いつつ賞金の二百万円をどう使うか考えているなかなかクズな親なのですが、まあそれくらいのクズでないと「芥川直木」なんてキラキラネームつけませんよね……。
とにかく直木ちゃんの天才ゆえの苦悩がすごい。すごすぎて泣ける。直木ちゃんの苦悩、文豪の苦悩そのものじゃないですか。まだ子供なので自分から死ぬことは考えていないようなのですが、いつかその方法に気付いてしまったら、と思うとドキドキします。直木ちゃん、マジで文豪。面白かったです!
それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)
ではまた次回、きょむなら!
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