架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:ヤンボー
「おはきょむ! きょうは『最強スキル「動物園」で無双する~そしてケモ耳ハーレムを作る~』の著者、ヤンボー先生をお招きして、架空ラノベバーチャル読書会をしようと思います。ヤンボー先生、そちらは大丈夫でしょうか?」
「はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします」
「いまだかつてないスムーズな進行だ……では、執筆環境のお写真を頂いております」
(シンプルなデスクとデスクトップパソコンの写真)
「すっごいシンプルですね」
「そうですね……あまりパソコンに詳しくないので、一●郎が使えるならなんでもいいやと思って適当に電器屋さんに選んでもらったものです。一●郎、前職で使ってたんですけど、まさかこんなに小説の執筆に適したソフトだとは知らなかったです」
「前職。なにをなさっていたんですか?」
「中学校の国語教師です。作家になりたいという夢は小さいころからあったんですけど、私真面目なだけが取り柄だったので真面目に大学を出て真面目に教員採用試験を受けて真面目に教師やってました。でもその体験が作家業に活きましたので」
「なるほど……あの異様なまでの文章力は国語の先生という仕事由来だったんですね」
「正しい文章の書き方を教えるのが仕事でしたので、どうしてもやはり」
「小さいころから作家になりたかったとおっしゃっていましたが、デビューまでの経緯を教えていただけたら幸いです」
「えーと……勤めていた中学校に、朝読書の時間というのがあってですね」
「朝読書。きょむのリア中時代にもありました」
「そのとき生徒たちがみんなライトノベル読んでたんです。最初は漫画みたいな表紙だからそっと後ろに回って小説なのを確認したりしてたんですけど、そうやっているうちに興味が沸いてしまって。どれどれ、とネットで調べた人気ライトノベルを買って読んだんですよ」
「ほほー。最初はライトノベル作家志望ではなかったんですか」
「はい。純文学を書こうと思ってました。で、ライトノベルを読んでみて、そこからドハマりして、でも公務員なので副業ができないので給料の大半を貯金して、なるぜとかショドクとかを読み漁って、その知識で『最強スキル』を書いて賞に投稿したらデビューできた形です」
「なるほどー。で、作家になってみていかがですか?」
「想像していた感じではないんですけど、学校勤めが死ぬほどしんどかったので、少々お小遣いが足りなくても幸せです。教員時代に貯めておいたお金もありますし」
「学校勤めって大変なんですかやっぱし」
「ええ……国語の教師だけでなく演劇部の顧問もやっていて、早朝家を出て帰るのは真夜中、みたいな暮らしをしてました。でも部活で使うべく脚本術の本を読みまくった時期があって、それもまた役に立った感じです」
「なるほど……。しかし中学校の先生が書くにしては欲望に忠実なお話だといま思ったのですが」
「むやみに難しくて真面目だと売れないんだろうなあと思ったんですよね。それに生徒たちが読んでるライトノベルもものすごいおっぱいの女の子が表紙だったりしましたし、勉強相手がなるぜやショドクだとどうしても……」
「ああなるほど……なるぜ、欲望にひたすら忠実ですもんね……では、質問コーナー行ってみようと思います。まずはきょむも気になる『ペンネームの由来はなんですか』という質問ですが」
「私の住んでいるところは農業県でして、教師なりたてのころ天気予報といえばヤ●マーが提供だったんですよ」
「うわ、わかりきょむ……!ヤン坊マー坊天気予報ですね?!」
「そうそれです。で、私の姓は山本っていうんですけど、当時の生徒たちにヤンボーと呼ばれていて。そのあだ名が好きだったのでそのままほかの学校でもそう呼ばせていて」
「まさにヤンボー先生じゃないですか」
「なんか昭和っぽいあだ名で好きなんです。いまも編集者さんに電話口で『ヤンボー先生』って言われると嬉しいです」
「なるほど……。では次の質問です。『チーレムらしからぬ整った文章が好きです。どうすればヤンボー先生みたいなきれいな文章が書けるようになりますか?』という……」
「とりあえず名作といわれる戦前の小説をいっぱい読むことをお勧めします。青空文庫でタダ読みできます。それから学校の国語の時間で習う書き方と小説の書き方は違うので要注意です」
「確かにかぎかっこの一字下げとか『頃』とか違いますもんね」
「学校で教えている『作文の書き方』はあくまで実用なので、小説にそのまま持ち込むと違和感があります。公募ガ●ドの小説特集に書き方が載っていたのも勉強になりました」
「ここまでよどみなくズバズバ答えてくださるヤンボー先生、マジで先生、って感じですね……」
「生徒の分からないことをなくすのが教師の仕事だったので。いまは読者さまは神様の気持ちで書いていますが」
「ではもう一つ質問をば……『きょむちゃんの配信で国語の教科書に載せたい、と言っていたので勉強のために読みたいのですが親が表紙を見ただけで買ってくれません。どうすればいいですか』という。どうやらリアル中学生の方のようですね」
「うーん……確かにきわどい表紙ではありますね。でもそれはきょむちゃんの動画を見せてあげたら解決するんじゃないでしょうか。あとこの読書会の配信とか」
「名案……!」
「でも勉強にはならないですよ。娯楽として読んでもらえれば嬉しいです」
「勉強にならないって言っちゃったらだめじゃないですか」
「でもまあ……名作文学のワンシーンだけ切り出した国語の教科書の小説よりかは面白い自信はあります。国語の教科書、基本的にいまの若い人が読んで面白い文章ではないので。あと、中学生になったのですから自分でお金を管理する勉強の名目でお小遣いをもらうといいかと」
「なるほどょむ……金銭感覚を鍛えておく必要があるということですね。子どものうちにお金の使い方覚えておかないと買い物が苦手になっちゃいますもんね」
「小学校に入ったくらいでお小遣いもらうのが理想だと思いますよ。駄菓子や書籍を自分で買うとか、そういう経験がないと高校に上がったときに学食や自販機を適切に使えないので」
「めちゃめちゃ正しいことを言われておる……」
「ちなみにきょむちゃんのお小遣いの千円札は夏目漱石でしたか?」
「ウグッ……そこのところは禁則事項ょむですので」
「おお、これがお約束」
「お約束はいいのです……ではセリフ朗読のコーナー行ってみようと思います。『最強スキル「動物園」で無双する~そしてケモ耳ハーレムを作る~』の347ページから、主人公鹿男とヒロインのウサギ・ミミコの会話を、きょむがミミコ、鹿男をヤンボー先生が読みます」
「文章を声に出して読むの、久しぶりなんですよね……」
◇◇◇◇
「鹿男、ほら、すごく月がきれいだよ」
「本当だ。こっちの世界に来てから、月をちゃんと見るのは久しぶりだなあ」
「わたしたちウサギ族は、もともと月の民なんだ」
「月の民?」
「古い伝説で、月で薬を作っているのがウサギなの。それが不老不死の薬。伝説だからどこまで本当か分からないけど」
「いつかミミコと行ってみたいな、月」
「そういうこと、ほかの子にも言ってるんでしょ?」
「なぜバレた?!」
◇◇◇◇
「なんとなく国語の授業を思い出しました。懐かしいです」
「そうですか? では告知などありましたらよろしくお願いします」
「えーと、『最強スキル』ですけど、続きを書くお許しが出ました。ひとえに買っていただいて初動を大きくしてくださった読者の皆さんのおかげです。さらに面白くして続きを書こうと思いますので、2巻もよろしくお願いします!」
「おお~期待ょむ。楽しみです! それではヤンボー先生ありがきょむでした。きょむなら!」
「きょむなら~」
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