架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:雪村れん
「おはきょむ! 今回は『ゆるダンジョン』の著者、雪村れん先生をお迎えして、架空ラノベバーチャル読書会をやっていきたいと思います! 雪村先生、そちらはどうでしょうか?」
「あっはい、いまちょっとパソコンが変な挙動をしてやべってなったんですけど、大丈夫でした。よろしくお願いします」
「へ、変な挙動?! だ、大丈夫ですか……?」
「いやーもう何年も使ってるパソコンなんで……買い替え時ってやつですかねえ。一瞬暗転してぶっ壊れたかと思いました。あ、でも大丈夫ぽいです」
「わ、わかりました……ではいただいた執筆環境のお写真から行ってみようと思います」
(廃校を利用したおしゃれなレンタルオフィスの写真)
「素敵な執筆環境ですね」
「そうですか? こういう感じのレンタルオフィスを転々としてます。ここは隣の部屋がインドカレー屋さんで、いっつもいい匂いがするんですよね。しかも安くておいしいのでお昼はだいたいインドカレーです」
「インドカレーですか……きょむの地元にもおいしいカレー屋さんあったんですけど潰れたってリアル母氏に言われたです……では架空ラノベ作家になった経緯など教えてもらえればと思います」
「全ては恨みですね……中学高校といじめのターゲットにされて高校を中退したんですけど、そのときの名前も覚えてないいじめの犯人が楽しく暮らしてるのになんで人生をぶっ壊された自分がこんなヘドロみたいな生活をしてるんだろうというのが出発点です」
「そ、壮絶……。ヘドロ状態を脱出されるために書かれたということですか?」
「概ねそんな感じです。いまも薬飲んでるんですけど、いじめの犯人が幸せに社会人やってるのになんで自分がヘドロ生活なのかまっったく納得いかなくて、あいつらを見返してやろうと作家になった……んですけど、あいつら本なんて読まないんですよね」
「かなしい現実……!」
「まあヘドロ生活も脱出できたわけですし、いまはちゃんと印税が入ってきてますし……高校中退ですし勤め人やる人生はそもそもなかったわけなので、まあいいかって感じです。つまりあいつらがサラリーマンやってひいこらしてる間にも印税が入ってくるわけですよ」
「なるほど……『ゆるダンジョン』、発売前重版がこれでもかってかかったって聞いたので、それ教えてやったらいじめ犯も反省するんじゃないですかね」
「重版ってなに? って言われるのがせいぜいだと思います」
「そこまで本に興味ないんです?!」
「まあ自分の通ってた高校いわゆる底辺校だったので。自分、学校の勉強ってすごく苦手なんですよね。ゆいいつまともにできたのが国語なんですけど、国語も教科書読むのがあまり得意でなくて、いまも本は電書で自分の読みやすいフォントに調整して読んでます」
「そうなんですか……では質問のコーナーいってみたいと思います。『ゆるダンジョンの登場人物にモデルはいますか? 深層の冒険者グスルのモデルが知りたいです』という質問です。グスル、確かにクセの強すぎる嫌なやつでしたね……」
「作品全体のキャラクターに一人だけのモデルはいないので、みんな知ってる人間のキメラなんですけど、グスルは中学のときの気持ち悪いスクールカウンセラーのおっさんと高校の保健室で猥談してる諸先輩を合体融合させて生み出したキャラクターです」
「どちらもなんとなく想像がつきますね……」
「自分、基本的に『恨み』が文章を書く原動力なので。まあ原動力は恨みでも書いてる間はたーのしー! ってなるんですけど」
「なるほどょむ……では次の質問です。『リリィが論文即売会に向けて論文を書くの、同人誌クラスタにはわかりみしかありませんでした。雪村先生も同人誌クラスタなのでしょうか?』という質問ですが」
「いえ、同人っぽいことは二十歳くらいのヘドロ時代に地元の同人誌即売会を見学したことがあるだけです。ほとんど大人のお姉さんがお姉さん向けの同人誌頒布してるかコスプレイヤーさんの写真撮ってるか、って感じで、いわゆるコミケのイメージとはぜんぜん違うと思います」
「はー……わかります、きょむの地元でもそんな感じの同人誌即売会やってました。腐女子しか会場にいないやつだ……」
「まさにそれです! 主催者にガールハントかと思われて白い目で見られてました。当時の自分としては某シューティングゲームのコスプレを期待していたのですが、ほぼほぼ一ジャンルで男装の軍服レイヤーさんばっかりでしたね。ああいうのを『併せ』っていうんでしたっけ」
「それ……男装軍服レイヤーさんってもしかしてなんかこう……センシティブな擬人化ジャンルのやつです……? きょむの友達もあのころみんな狂ってました……」
「きょむちゃん、世代バレちゃう……」
「きょむの年齢は禁則事項なので。おほん。では次の質問です。『雪村先生が毎週ニチアサの実況解説をしているのが面白くてツイッターをフォローしているのですが、あの深い女児向けアニメへの考察はどこから来たのでしょうか?』という質問ですが」
「あー……女児向けアニメね……(苦笑)昔からアニメとか特撮とか好きなんですよ。いまもなるべくたくさん視聴できるようにスケジュールを調整してます。ニチアサはその中でも特別で、小さいころから日曜日は早起きして朝からすごい勢いで浴びるようにアニメ見てました」
「すごい……きょむ日曜日は昼まで寝てますよ」
「いえいえ。アニメがあるから起きられるだけです。質問の答えとしては作家を目指して脚本術の本を読み漁るうちに物語の構造とか伏線とかに気づけるようになっただけですが、もう脚本術の観点からしか観られない状態なのでテレビ視聴に脚本術の本はオススメしません」
「職業病じゃないですか」
「まさにそうですね……最初は『ムムッこれはやはり伏線! 脚本術の本すげー!』って観てたんですけど、作劇の観点から見ちゃうと頭の中で単純化されてしまうので、キャラクターの見た目の可愛さとかヒーローのアクションとかよりストーリー把握を優先しちゃいますね」
「映画とか観ててもそうなりますか?」
「そうですねえ……上映時間を%で割り出して、ああいま5%地点くらいだからそろそろ物語の本当のテーマが出てくるかな……みたいに観てます。よく漫画家さんが映画を画でしか観てないとか言いますけど、それとほぼ同じ状態ですね。ストーリーしか観てないっていう」
「職業病すごい重篤じゃないですか……」
「でもまあ、自分で書くに当たっては楽しいので。アニメや特撮や映画の印象的なシーンをうまいこと自作にオマージュとしてはめ込むことができたりすると楽しいので」
「なるほど……すごくストイックにインプットされてるんですね」
「ストイックでもないですよ、女児向けアニメにせよ特撮ヒーローにせよ、基本的にもともと好きだから観てるだけなので。ストーリーを分析しつつ観て実況しているので、まあ……展開の想像がある程度できる、というだけです」
「ほえー……ありがとうございました。では朗読のコーナーいってみたいと思います。『ゆるダンジョン』325ページから、リリィとユーゼが二人でベヘモスの討伐に成功するシーンを、きょむがリリィ、ユーゼを雪村先生が読みます」
「よし。いきましょう」
◇◇◇◇
「ベヘモス案外簡単に倒せたましたね、ユーゼさん」
「そうだな……俺たち、ちょっとずつ強くなってんのかな」
「きっとそうですよ。浅い階層でスライムをコツコツ倒し続けたおかげです」
「お、おう……魔法、辞書なしで撃てるようになったもんな、リリィ……」
「ユーゼさんだって峰打ちじゃなくて斬れるようになったじゃないですか。これは進歩ですよ」
◇◇◇◇
「きょむちゃんは声が知的ですね」
「ありがとうございます。それでは、なにか告知がありましたら」
「えーと……『ゆるダンジョン』ですが、続刊が決定しました。編集者さんに相談したら『続く!』で終わってもいいとのことなので、3巻もたぶん出ます。ご期待ください」
「おおーすごょむ! 期待してます!」
「それから公式情報も出てますけど、コミカライズがレーベルをまたいでヤングホップのアプリで配信されますので、そちらもよろしくです」
「楽しみです……! それでは雪村れん先生、ありがきょむでした! きょむなら!」
「きょむなら~」
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