「伝説の少女漫画家、異世界で宮廷画家になる」 SA文庫
おはきょむ! 五月ですね! 風薫る五月。空が青いぜ……。故郷だとたぶんまだストーブ焚いてるんだと思うんですけど、だんだんと東京は夏っぽくなってきました。日本列島、縦に長い。
そういうわけできょうも架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!
「伝説の少女漫画家、異世界で宮廷画家になる」著・やつはし イラスト・もこ SA文庫
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伝説の少女漫画家、異世界で宮廷画家になる あらすじ
緻密で繊細な絵がウリだったために、絵の緻密さにこだわりすぎて病んでしまい筆を折った少女漫画家、潮あおい。筆を折って数十年が経ち、ふつうに天寿を全うして亡くなり――目覚めると彼女は、異世界の宮廷画家の娘だった!
◇◇◇◇
なんともはや、人生……となるお話でした。
潮あおいという漫画家は、すさまじく美麗な絵を描く漫画家で、筆を折ってしまったあとも書籍がフリマアプリとかで目玉の飛び出るような高値で売られている……という、まさに伝説の少女漫画家なのですが、しかしその伝説と言える絵を描き続けた結果精神を病んで漫画家を辞めてしまったひとでもあります。漫画家を辞めたあとは美大出身という経歴から絵の先生をやって生計を立てていました。
そんな彼女が亡くなり、なぜか異世界に転生して、異世界の宮廷画家の娘に生まれつくわけですが、娘、というのがミソなのです。男子禁制の後宮で、王妃や愛妾たちの絵を描くのですが、その絵がもうまつ毛バシバシおめめキラキラの少女漫画絵で、王妃や愛妾たちは驚愕し、絶賛します。そしてそれが王の目に留まり、宮廷画家の最上位の称号を与えられて、女だてらに絵描きとして暮らしていくことに成功します。
しかしそこでかつて宮廷画家のリーダーだった画家のハンスに妬まれ、さまざまな策略にハメられそうになります。そして、現実世界で筆を折った理由である「こだわりすぎ」が顔を出します。なかなかのどん底です。
後半はわりとどん底状態なのですが、そこから回復していく終盤がすばらしい。潮あおい、異世界ではフレイヤ、彼女は心底絵を描くのが好きなのです。フレイヤがその人生を、現実ではできなかった楽しいものにしていく、その様子がすばらしい。自分の好きな絵を描いて生きていく人生、本当に潮あおいが望んだものだったんですね。
あと細かい笑えるネタがたいへんよいです。異世界でできた弟子に絵を教えたら顔の大半が目だとか、少女漫画あるあるがぎっしりで大変面白いです。
最後は明るいカタルシスで回収される大変面白いお話でした。オススメです。
それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)
また次回! きょむなら!
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