「能力を持て余した天才たちの遊び」 忠永社イエロー文庫

 おはきょむ! 四月ですねえ、新入学の季節ですねえ。ランドセルってすっごい重いですよね。あとお辞儀すると中身どばーしちゃう。小学校もいまはコロナで黙食なんでしたっけ、たいへんだなあ……。


 きょうも架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!


「能力を持て余した天才たちの遊び」著・あずみN イラスト・みん 忠永社イエロー文庫


 ◇◇◇◇

 能力を持て余した天才たちの遊び あらすじ

 幼稚園のころからずっと一緒の仲良し三人組、松子、竹蔵、梅太郎。松子はピアノの、竹蔵は将棋の、梅太郎は数学の、とんでもない才能を持っていた。それぞれ自分のなりたいものを目指して大人になって、三人で飲み会をすると、いつもとんでもないことになってしまう!

 ◇◇◇◇


 なんというか「天才」の解像度がやたら高いお話でした。松子さんはショパン国際コンクールで優勝したピアニスト、竹蔵さんは最年少名人になった将棋棋士、梅太郎さんは大学で数学を研究し世界的発見を何度もしている数学者、という設定です。


 この三人、脳みその作りが常人と違うので、日常生活の捉え方がそもそも面白くてですね。特に面白いのが梅太郎さんの、タクシーに乗っていると前の車のナンバーで10を作れないか計算してみる、というクセです。なんだか楽しそう。でもきょむは数学の成績が死んでいたので、梅太郎さんのいうことはほぼ理解できないです。


 というかこの三人、大人なのに言動がほぼほぼ子供なんですよ。意味もなく動くとか、声色を使って喋るとか、とにかくクセが強い。よくまあこんなキャラクターを生み出したものだ……と思います。で、三人集まると、異次元殺法みたいな会話を始めるのです!


 いわゆるハナモゲラ語だったり、適当な専門用語を並べてそれっぽいけど中身がまったくない会話をしたり、日本語の運用力がすさまじすぎる。三人の日本語運用力がすごいということはあずみN先生の言語感覚や日本語運用力が超絶すさまじいということですよね。


 そして三人とも現状に全く満足していないんです。まさに能力を持て余している。松子さんは演奏活動が物足りなくてピアノYouTuberを目指しちゃうし、竹蔵さんはまだ若いうえに名人でありながら子供さん向けの将棋教室を作って指導を始めちゃうし、梅太郎さんはよりよい研究環境を求めて渡米してしまいます。この三人、本当にすごい。


 能力を持て余して、その能力が使えないストレスを発散する方法が友達とハナモゲラや謎の専門用語で話すことなんですよね。あずみN先生もそうなんでしょうか。そこはわからないですが、能力があるということはユーモアのセンスがあることなんだなあと思いますです。オススメです!


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 また次回、きょむなら!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る