「家賃三万の魔王城」 しびれびれの新文学

 おはきょむ! 毎度時候の挨拶でなにを言うか悩みます。きょむのポンコツぶりよ……。はやく友達と花見しながらお酒吞める世の中にならないかなあ。


 きょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!


「家賃三万の魔王城」著・須藤叶 イラスト・怪奇蛇男 しびれびれの新文学


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 家賃三万の魔王城 あらすじ

 魔界は平和になり、魔王城は魔王家にとっても処理が面倒な空き家になった。なんとかして使う方法はないかと魔族議会で話し合った結果、魔王城を現代日本の東京に出現させてアパートにしよう! ということになる。家賃激安魔王城、ここに爆誕!

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「マイタウン・イン・ポケット」の須藤叶先生の最新作です。読書会のときヤバいものが続々出てくるお話を書くつもりだと仰っていましたが、まさにその通りのものが出てきました。


 魔王城、築千年のボロボロの建物なんですけど、リノベーション物件として東京の住みたい街ランキング一位の街に現れます。住みたい街ランキング一位の街なのでほかの物件は家賃お高めのなか、魔王城改め「ハイツ・シューベルト」は一部屋三万円の激安物件として運営が始まります。


 なんせもともとが魔王城なので、ハイツ・シューベルトは風呂トイレ台所共用という何十年前のアパートじゃいというようなアパートです。お風呂ついてるだけマシか……。そこに、未来のクリエイターを目指す有象無象が集まり、魔界につながる出入口を発見してしまう! というお話です。魔王が大家さんなのでどうしても魔界と現実を行き来しなきゃないんですよ。


 魔界との繋がりを発見したクリエイターたちが、魔界でいろいろなものを見て、新しいものを次々作りだすという愉快なお話なんですけど、このクリエイター集団、どう見てもト●ワ荘なんですよね。互いに刺激を受けあい時として悪ふざけもしつつ、という感じが。


 ハイツ・シューベルトのボロ物件ぶりも面白いです。魔界から現実世界に移動したせいで巨大シロアリの群れが現れるとか、雨が降ると雨漏りするんですけどその雨漏りがドラゴンの鱗で葺かれた屋根を通ったせいで猛毒を帯びていてみんな寝込んじゃうとか。


 なんていうか、「マイタウン・イン・ポケット」の工場の寮みたいな、楽しくわいわいやってる感がすごいです。ハイツ・シューベルトに集まったクリエイターたちが、どんどんいろんなものを作っていくのも、「マイタウン・イン・ポケット」の世界みたいだなあと思います。


 あとみんな貧乏なので猛ダッシュでスーパーの特売に並ぶくだりとか、ハイツ・シューベルトの前に子猫が捨てられていくくだりとか、クリエイターたちがとにかく面白いのです。


 悲喜こもごもの爆笑ファンタジーでした。面白かったです!


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 ではまた次回! きょむなら!

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