架空バーチャル読書会 ゲスト:畠山敏夫
「おはきょむ! きょうは『異世界酒豪伝 うまい酒ぜんぶ飲む』の著者、畠山敏夫先生をお招きして、バーチャル読書会をやっていこうと思います! 畠山先生、そちらは大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫です。こういうことにパソコン使うの初めてで、なんか自信がないんですけど、おそらく大丈夫かと思います。よろしくお願いします」
「だいじょぶなようなので、まずは執筆環境のお写真からいこうと思います」
(ハイベッド下の収納スペースに作った秘密基地にパソコンが置いてある写真)
「おお、秘密基地だ……! このカッコイイデザインのお酒の瓶はなんのお酒ですか?」
「ドイツの養命酒ことイエガーマイスターです。ハイボールにするとおいしいんですよ。書いてて疲れたときとかに舐めてます」
「イエガーマイスター……めちゃめちゃ強いっていうアレですか……」
「あと飲む桜餅ことズブロッカもあります」
「いや強いお酒ばっかしですね?! それはともかく架空ラノベ作家になった経緯を教えてください」
「えーと、なんていうか……僕は基本的に酒の勢いで生きてた元クズなんですけど、酒を飲まないで元気でいられるのが本を読んでいるときで、だから労働している以外はひたすら本を読んでたんですけど、何年か前のお正月に読む本も飲む酒も切らしちゃって。正月なんでお店開いてなくて酒も本も買えなくて、やばい死ぬ、と思って自分で小説を書いてみたらお酒飲まなくても平気になったんですよ。それから毎日コツコツ労働以外の時間小説を書き続けて、それでできた異世界酒豪伝でダダダ文庫の賞をいただきました」
「なるほど……」
「まあアルコール依存まではいかない程度だったんですけど、一日の楽しみが酒しかないのは悲しいので……でもいまも兼業作家です。編集者さんに仕事辞めたらぜったい飲んだくれるから、って言われました。マジでそうだと思います」
「深い……本業はなにをなさっているんですか?」
「酒の卸売りセンターで働いてます。毎日酒瓶の入ったケースをえっちらおっちら運ぶ、基本的に脳筋の仕事です」
「いやそこもお酒なんですか」
「はい。卸売りセンターで働いてなかったら、異世界酒豪伝は書けなかったと思います。見たことのない珍しいお酒とか輸入品のおつまみとかの小売りもやってて、そこから着想を得て書いたエピソードがほとんどです」
「なるほどょむ……ちなみにいちばんオススメのお酒とおつまみってなんですか?」
「ホヤの刺身と日本酒ですね。高清水がおいしいです。いちばんグレードの高いやつだとほぼほぼいい匂いのするジュースですね。ホヤは食べるとお酒がおいしくなる魔法のおつまみです」
「わかりみが深いです。では質問コーナーいこうとおもいます……」
「あっ、日本酒のアテならいぶりがっことチーズというのもオススメです」
「それきょむの大好きなやつです! おいしいですよね……オホン。お酒の話で盛り上がってしまいましたが、質問コーナーいってみようと思います。まずは……『異世界酒豪伝面白かったです。異世界の食べ物がいっぱい出てくるのが楽しかったのですが、なにか参考にされた本とかってありますか?』という質問です」
「あー、異世界酒豪伝に出てくる酒のアテは、いろんなファンタジー小説を読んで出てきたモンスターの調理法を考えているうちに思いつきました。それこそライトノベルからハイファンタジーの海外文学まで、参考にできそうな本はかたっぱしから読みました。でも実際のところ、豚肉がおいしいのは農家のひとが品種改良の努力を続けたからなので、強いオークほどうまいというのはちょっとおかしいんだと思います。牡丹肉扱いで押し切りましたが」
「ほえー……確かに豚さんがおいしいのは品種改良とか飼料の工夫とかあってこそですもんね。次の質問いこうと思います。『異世界酒豪伝の飲酒盗賊娘、シーリャちゃんが可愛すぎてつらいです。異世界酒豪伝はキャラクターも魅力だと思うのですが、だれかモデルはいるんでしょうか』という質問ですが」
「あー、シーリャは職場の後輩がモデルです。若い女の子なんですけど、とんでもない酒豪で25歳にして酒焼けした声してます。というか竜太郎の周りのひとたちはだいたい職場のひととか取引先のひとがモデルですね……竜太郎は仕入れ先の酒蔵の杜氏さんがモデルです。本当に仕事で酒が飲めるから酒蔵で働いてるひとで、まさに酒豪です」
「身の回り酒豪しかいないじゃないですか」
「下戸の知り合い、いないんですよね……というか下戸の気持ちがよく分からないというか……まあ仕事でノンアルも扱ってるので、そういうものを飲みたい層が一定数いるのも知ってますし、僕もたまに『これは酒飲む必要ないな』と思ってノンアルの梅酒飲んだりもしてます」
「ノンアルの梅酒、妙にクオリティ高くておいしいですよね……」
「そう。最近のノンアルおいしいんですよ。アルコールが飲めないけど炭酸の効いたもの飲みたくて、でもコーラじゃないしなあ……みたいなときに飲むノンアルビール、最高ですよね」
「わかりみが深い……! では次の質問いってみたいと思います。『異世界酒豪伝と酒蔵のコラボとかってないんでしょうか。日本酒のラベルにシーリャちゃんがいたら親に買ってもらって二十歳まで大事に保存するのですが』という質問です。確かにコラボは面白そうだ……!」
「あー、酒蔵とのコラボではないんですけど、上司にこういう副業始めました、って報告したら、じゃあうちの店にも畠山くんの本置くべーってなりまして、なぜか酒屋にライトノベルが並んでいるという奇妙な状態になってます。まあ僕の働いてる店だけなので、ごくごく小規模ですけど。ダダダ文庫の編集者さんには、ライトノベルというのは基本的に10代の男の子が読むものという想定なので、お酒とコラボするのは難しいんじゃないかと言われています。でもいつか、シーリャなり暴れニワトリなりがラベルになったお酒、出たらいいなと思います」
「暴れニワトリ、家畜のくせにすごい存在感でしたもんね……よく町おこしで美少女キャラ作って炎上する自治体ありますけど、シーリャちゃん飲酒できるってことは合法ですもんね」
「そうなんですよ。シーリャ、設定上22歳ですから。っていうかこの読書会のまえに、きょむちゃんの動画のアーカイブかたっぱしから見たんですけど、きょむちゃんもお酒のラベルイケるんじゃないですかね。ぜんぜん合法ぽいですし」
「きょむの年齢は禁則事項ょむなので……いやもうふだんから飲酒してるしストレスでボーナスをヴァーチャルの肉体につぎ込んだ社会人なのバレバレなんですけど」
「機会があればぜひ飲酒配信に呼んでください。というかダダダ文庫の編集者さんは、あくまで10代男子が読むものというのは建前で、いま架空ライトノベルを読む層は次第に上がっていると仰っていて。いまガチの10代の好むコンテンツって動画が主なのだそうで、昔ながらの文庫本を買って読む世代は次第に20代より上になっているということなので、いつか酒蔵コラボできるかもしれないという希望は捨てていません」
「なるほどょむ……いつかそうなるの期待してます! では、セリフ朗読のコーナー、始めようと思います。『異世界酒豪伝 うまい酒ぜんぶ飲む』から、221ページのシーリャと竜太郎がしょんぼりしながら暴れニワトリの焼き鳥を食べるシーンを、畠山先生が竜太郎、きょむがシーリャを読みます」
「よし」
◇◇◇◇
「……暴れニワトリ、結局焼き鳥にしちゃったね」
「そうだな。でも家畜は食うためにいる。暴れニワトリも酒の肴になれて幸せだろうよ」
「うん。……かったぁ。歯ごたえ半端ないよこれ!」
「……雄鶏は早めに肉にしたほうがよかったんだな……でも噛めば噛むほど味があるぞ。トレント酒のスモーキーな味わいにぴったりだ!」
「竜太郎さあ、本当に酒が好きだね……」
◇◇◇◇
「最後のセリフ、本当にそうとしか言えなくて、いまどきっぽく言えば草ですね」
「大草原不可避……では、なにかお知らせなどありましたらぜひ」
「はい。異世界酒豪伝は続刊が決定して、一巻も重版がかかりました。初版が少なめだったので本屋で探しにくい状態になっていましたが、もうすぐ探しやすくなると思います。あと『なるぜ』に、異世界酒豪伝のこぼれ話みたいなエピソードをUPしておりますので、お暇な方はどうぞ。どれも酔っぱらいながら書いたので、ちょっと校正が微妙ですが」
「おおー面白そう……読んでみます。続刊も楽しみです。それでは畠山先生、ありがきょむでした! また次回! きょむなら!」
「きょむなら!」
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