「世界でいちばん美しい国」 オソカワSF文庫

 おはきょむ! 9月もがんばりきょむします! もう秋ですね、そう遠くなく「このステ」が出ると思うとワクワクがすごいです……。


 それはともかくきょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!


「世界でいちばん美しい国」著・佐渡島渡 イラスト・もげもげ オソカワSF文庫


 ◇◇◇◇

 世界でいちばん美しい国 あらすじ

 すべての差別が取り除かれ「完全な国」になった日本。その片隅で、一人の少年と、彼の親友の少女は、人間でないという理由でいわれなき差別を受けていた……。

 ◇◇◇◇


 久々にラノベじゃないの持ってきました。ううーむむむう、と唸りながら読んだです。


 このお話の世界では、日本には差別がなくて、ルッキズムとか性差別とかがいっさいなくなっている、はずなんですけど、主人公とその幼馴染の女の子は、人間ではないという扱いで差別を受けています。人間じゃない、というのがミソです。この世界では人間は差別を受けていないんですけど、主人公たちは人間じゃないので差別されるんですね。


 主人公たちは人間をベースに作られた改造人間みたいなやつで、だから差別されています。無給で深夜まで働かされたり、殴られたり蹴られたりしても反撃できない。人間じゃないので。


 人間ではないんですが、心も意志もある生き物なんですよね。その二人が、日本の闇を切り開く、といいうお話です。


 人間たちはどんなに醜くてもどんなに運動や勉強が苦手でも一人一人尊重されていて、みんなちがってみんないい、を地で行く世界を構築しているのですが、それを支えているのが主人公たち改造人間なのです。すべての人間が平等であるなら、なにもできない人間もいて、そのぶんを支えているのが改造人間なわけですね。


 使役され人間でないものとして扱われる主人公たちはひたすら可哀想なんですけど、「人間の条件ってなんだ?」というところに気付いたところで物語は大きく動きます。主人公に優しくしてくれる謎の少女が現れて、主人公は自分もきっと人間だ、と思うところが熱いです。


 それから世界観がとにかく仔細に描写されているのも見どころです。人間たちのぜいたくな暮らし、それを労働者として支える改造人間たち。これを読むと宅配便のお兄さんとかスーパーのレジのおばちゃんに優しくしなければと思うことうけあいです。


 なんというかこのコロナ禍の現代、流通や小売業の人たちがいるから世の中成り立っているのだなと思わされることが非常に多いのですが、そういうときエッセンシャルワーカーのひとたちの待遇もっとよくしてあげて、と思うじゃないですか。それをもっと極端に置き替えた話だな、と思いましたです。面白かったです!


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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