架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:中野アキラ
「おはきょむ! 今日は『バーチャル美少女受肉中学生男子』の著者の、中野アキラ先生をお招きして、架空ラノベバーチャル読書会をやっていこうと思います! 中野先生、そちらは大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です。よ、よろしくお願いします」
(過呼吸気味の息の音)
「あ、あの、中野先生本当に大丈夫ですか? お水飲んできたほうがいいのでは……」
「や、自分ものすごいあがり症でして、はああ……小学校で授業中当てられただけで倒れるくらいのあがり症でして、はあ……でもVの方の動画に出られると思ったら断れなくて……」
「ま、まあ落ち着いて。深呼吸深呼吸。丹田に力をこめて、ひっひっふーと」
「それラマーズ法じゃないですかきょむちゃん。なにが生まれるんですか」
「きょむのリラックスギャグが効いたところで、まずは執筆環境のお写真からいこうと思います」
(ゲーミングパソコンが置かれ部屋のいたるところに美少女フィギュアが並んでいる画像)
「すごいお部屋ですね……ゲームお好きなんですか?」
「かなりのゲーマーだと自分でも思ってます。暇なときはだいたいゲームしてるか読書してるかフィギュアいじってるかですね。あときょむちゃん含めてVの方の動画も好きで、ゲーム配信動画見ながらゲームしたりもします。なんていうか、可愛い女の子とゲームしてる感があって楽しいんですよね。きょむちゃんはゲームの配信ってしないんですか?」
「うーん……しびれびれ文庫さんで大昔にレーベルの人気キャラクター勢ぞろいの格闘ゲームが出てたらしいんですけど、それの続編が出たら考えます」
「ストイックだ……」
「まあそれはとにかく。架空ラノベ作家になられた経緯をお教えください」
「もうだいぶ前に、サンダル文庫さんから拾い上げで一冊本が出たんですけど、そのあとなんのお話もなくて、これは諦めて別の賞から行ったほうがいいな……と思って、SA文庫さんの賞に投稿して今に至る、という感じです」
「なるほど~。サンダル文庫さんがトラブル体質という噂は聞いてたんですけど、本当にそうだったんですか」
「いえ、トラブルってほどのことじゃなくて、ちゃんと本は出ましたしちゃんと宣伝もしてもらったんですが、売れ行きがひたすらに悪くて。編集者さんも心配してくださったんですけど、それでもどうにもならないって上が決めてしまったみたいで、編集者さんにぺこぺこ謝られてすごく切ない気分になりましたね。そのあとなんにもなかったんですけど」
「それはつらい……」
「で、それじゃ食べていかれないので『バーチャル美少女受肉中学生男子』を書きまして、アルバイトとウェブライターで食いつなぎながら投稿して、賞をいただいた次第です」
「なるほど~。やっぱり最近VTuberモノが流行っていると踏んでの執筆だったんですか?」
「うーん。人気ジャンルだということは知ってはいたんですけど、それだけで賞を貰えるとは思ってなかったです。たまたま、面白いと思ってもらえる編集者さんに当たったんでしょうね」
「なるほどょむ……それでは質問コーナー始めましょうか。まずは、『デビュー作はサンダル文庫だったと聞いたのですが、どんな作品だったのでしょうか?』という質問です。これはさっきのお話を聞いてきょむも気になってました」
「あ、はい、すごくシンプルな異能バトルものです。高校生の男の子が異能で同級生の女の子を守るお話です。『剣の王と霧の弓』っていうんですけど、もう絶版ですし電書も出てるか出てないか忘れちゃいました」
「へえ……面白そうですねえ。機会があったら読んでみたいです。では次の質問です。『バーチャル美少女受肉中学生男子、すごく面白かったです。なにか元になる現実の出来事はあるのでしょうか?』という質問ですが」
「あー……恥ずかしい話なんですけど、自分中学のころうっかり変なアダルトサイト見て架空請求が来てパニクって親にめちゃめちゃ叱られたことがあって。それと、知り合いにバ美肉おじさんやってる人がいて、バ美肉はいいぞ~かわいいアバターになっていろんなことできるのは楽しいぞ~って言われてて」
「中野先生、バ美肉作家になるんですか……?!」
「いやならないですが……でもかわいいアバターを作れるのは楽しいですよね。ゲームでキャラクリエイトがあるやつは無限にキャラクター作っちゃいます。だいたいなんのゲームでも女の子のキャラクター作っちゃいますよね……」
「バ美肉の素質ありじゃないですか……! もしバ美肉したらコラボ配信しましょう」
「いやバ美肉しないですって」
「そうですか、残念です……では次の質問でーす。『ダダダ文庫のVTuberおばあちゃんとイラストレーターさんが同じですが、なにか園原先生と縁があったりするのでしょうか?』という質問ですが」
「あ、これはうちの編集者さんが、ダダダ文庫をチェックしているときにゆー先生が園原先生の作品を担当されているのを見て起用したみたいです。ゆー先生、いろんなVの方のママやってらっしゃいますしね。園原先生とはときどき飲みに行きます。ツイッターでいろいろお喋りしてますし。『物書き講座チャンネル』も面白くてよく観てますよ。でも売れ行きを見るとやっぱりバ美肉するしか園原先生、あるいはダダダ文庫に打ち克つ方法はなさそうですね」
「リアル……! やっぱりバ美肉するしかないのですね……バ美肉はいいですよ、自分の年齢に向き合わないでいられるのは楽しいです」
「きょむちゃん、年齢を考えるとしんどい歳なんですか」
「禁則事項ょむなので……」
「お約束のやつありがとうございます」
「ではもう一つ。『リアル中学生なのですが、自分がニキビだらけで辛いです。僕でもバ美肉できるでしょうか?』という質問です。これは……」
「うーん。アバターを作れるアプリ自体はいろいろあるみたいなんですけど、それで撮影した動画をYouTubeにUPするのは難しいかもしれませんね。なんかそのアプリ専用の配信機能とか、ニマニマ動画専用だったりとか……まあそこをイラスト代やCGモデル代を払わないでやるとなるとよくやり方を調べるほかないでしょうね」
「なるほど……きょむは仕事のストレスからボーナスをつっこんでこのバーチャルの体を手に入れたので、お小遣いで遊ぶ中学生には厳しいかもしれませんね」
「きょむちゃんすごく生々しいね……」
「オホン。では朗読のコーナーいこうと思います。『バーチャル美少女受肉中学生男子』245ページから、主人公の悠斗が夢の中で枷橋架那子ちゃんと会話するシーンを、中野先生が悠斗、わたくしきょむが枷橋架那子ちゃんを読みます」
「ウッ、緊張してきた」
◇◇◇◇
「悠斗。悠斗はわたしになりたいの? わたしは悠斗とひとつになりたい」
「ひ、ひとつになるって、その、えっ、えっ?」
「なに誤解してるの。わたしは悠斗。悠斗はわたし。わたしでいることが楽しいなら、それでいいじゃない。お金とか、考えなくても――いいじゃない?」
「――そうだね、僕はお金が欲しくて架那子ちゃんを作ったんじゃない。僕は、架那子ちゃんになりたくて、架那子ちゃんを作ったんだ!」
◇◇◇◇
「うううう緊張した……噛まなくてよかった……」
「噛まないどころか名演技でしたよ中野先生! あがっていることを感じさせない!」
「でもたぶん僕、すごいあがり症なんでバ美肉は無理ですね……世界中の人の見る動画で堂々とふるまうとか絶対無理です。吐きます」
「そうですかー。では、今後の予定を教えていただけないでしょうか」
「えっとですね。『バーチャル美少女受肉中学生男子』はとりあえず一冊で完結、ということになりました。重版がかかったりして売れてはいるんですけど、編集者さんと話し合って一冊できれいに終わらせよう、ということになりまして。いま新しい企画について編集者さんと話し合っているところです。ご期待ください」
「新しい作品、楽しみです! それではまた次回、きょむなら!」
「きょむなら~」
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