「マイタウン・イン・ポケット」 しびれびれ文庫

 おはきょむ! 三月ってきょうと明日で終わりきょむするんですか?! なんかソシャゲのサ終みたいな気分です、ああ四月がきてしまう……。


 それではきょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!


「マイタウン・イン・ポケット」著・須藤叶 イラスト・ゆー しびれびれ文庫


 ◇◇◇◇

 マイタウン・イン・ポケット あらすじ

 未来の世界ではポケットの中に街をいれるのが当たり前だ――という夢を見た普通の高校生、康成。どれくらい未来なのかは分からないけれど、それは挑戦してみる価値があるのではないだろうか? と、康成は考える。康成は未来の技術者になれるのか?

 ◇◇◇◇


 これ、舞台になってる時代のイメージとしては朝ドラでよく見る明るい戦後、ぐらいの時代なんですかね。日本がだんだん豊かになってきて、家にテレビがあり、冷蔵庫が普及し……という時代のような印象を受けました。少なくとも現代ではないです。主人公の名前が「康成」というところで、もう現代ものではないですね。でも時代について詳しく言及はされません。


 豊かになり始めた国で、康成はときどき霊感のような夢を見ます。その夢はドラえもんのひみつ道具を思わせる夢ばかりなんですけど、それはぜんぶ二〇二一年には実現しているものです。強さを調節できる将棋コンピュータ、行ったことのない土地に行ったような記念写真をつくれるカメラ、顔を美しく映す鏡、テレビ電話、そういうものですね。


 それをどうすれば実現できるだろうか? と康成くんは考えます。康成くんは、高校を終わったら東京に行って働くことになっていて、それを実現できるかどうかといわれると厳しいです。


 しかし康成くんは諦めません。その夢に出てくるアイディアを、ぜんぶノートにつけます。トランジスタラジオ工場の寮では「ドリーマーくん」というあだ名をつけられるのですが、その夢見た技術が本物になるのだという強い確信をもって、いつかお金を貯めて大学に行こうと考えます。


 だんだん豊かになってきた時代、夢見る主人公、もうこれ完璧に朝ドラです。主人公男の子ですけど。康成くんはいつか、街をポケットに入れる、という夢をかなえようと、コツコツ努力を続けます。貯金と仕送りをして、いつか大学にいくのだ、と。


 なにより印象的なのが、「人が想像できることは、ぜったいにいつか現実になることだ」という康成くんの高校の先生が言った言葉です。高校の卒業式のシーンはひたすら泣けるんですけど、なんだか明るい希望があって、しみじみと深いヒューマンドラマでした。これ、しびれびれ文庫の本なんですよね? こんなの出すんだってびっくりしました。オススメです。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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