「少女錬金 未来線のかなたへ」 極みの友社英雄文庫

 おはきょむ! 正月ボケが治ってきて現実に向き合えるようになったのですが、まだ余ってる餅に飽きてきました! やっぱ一人暮らしでデカめの袋の切り餅は持て余しますね……故郷からも切り餅がこれでもかと送られてきましたし……。おいしい餅の食べかたなんかないっすかね……。


 それはともかくきょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!

「少女錬金 未来線のかなたへ」著・大井磯野 イラスト・活造〆介 極みの友社英雄文庫


 ◇◇◇◇

 少女錬金 未来線のかなたへ あらすじ

 少女フォトンは、ただの孤児院だと思っていた組織が実は自分たちを生体サイバネティック義体のパーツとして売り払おうとしていることを知る。フォトンはその運命から逃れるべく孤児院を脱走するが、しかし何者かに襲われ、手足を失い死にかける。その窮地を救ったのは、「アルケミスト」を名乗る謎のサイバネ技師だった!

 ◇◇◇◇


 ポストアポカリプス風味、SF味濃いめの不思議なお話でした。フォトンが窮地を脱出するまでのストーリーはシンプルでジェットコースター気味なんですけど、謎のサイバネ技師に助けられてからは複雑でストーリーの味わいが濃いです。一粒で二度おいしい! 的な。


 アルケミストさんに拾われたフォトンは、新しいきれいな手足を与えられて、自分のもとの手足を探すのですが、それが金持ちで異端教徒の子供にとりつけられているのを見て、この格差はなんなんだろう、と思います。異端教徒は生のパーツしかつけちゃいけないっていう教義を守っていて、まさにフォトンの暮らしていた孤児院がその異端宗教に運営されているわけです。


 アルケミストさんが最初から最後まで名前を教えてくれないのが気になります。アルケミストさんは「美しいサイバネティクス」を求めているひとで、いままでの不格好なサイバネティクス義体ではなく、優美で機能的なものを作ろうとしているひとです。名前を明かせない事情があるんでしょうか。続きがとても楽しみです。


 出てくる人間がみんなバーサーカーなのがなんとも言えない。アルケミストさんすら武闘派でして、フォトンを襲った悪の手先をちぎっては投げちぎっては投げするシーンはなかなかのアクションぶりです。この作品の見どころはカッコイイアクションと言ってもいいかもしれません。手足を与えられたフォトンも、ものすごい戦い方をしますので。


 この、フォトンやアルケミストさんの生きてる時代の描写は、どこかで見た感があるんですけど、その「どこかで見た感」すら逆手に取って攻めてくるストーリーがすっごいです。大井磯野先生の作品は初めて読んだんですが、ここまでストーリーが整っている架空ラノベなかなかないですよ……大井磯野、覚えました。昔の作品を探してみようと思います。


 とにかく圧倒されるお話でした。緩急自由自在にもほどがある。


 それでは恒例のスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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