架空ラノベバーチャル読書会 ゲスト:花森やすり
「おはきょむ! きょうは『天才少女かく戦えり』の著者・花森やすり先生をお招きして、架空ラノベバーチャル読書会をやっていこうと思います! 花森先生、そちらは大丈夫でしょうか?」
「あっ、大丈夫ですよ。こういう用途にパソコンを使うのが初めてなのでドキドキしてます」
「では始めていきます! まずはいつもの、執筆環境のお写真を頂いているのですが、えっと」
(服をめくったドールさんのお腹にUSBでモニタとキーボードがつながれている写真)
「これは……いわゆるドールさんというやつでしょうか……?」
「ハイ。僕、サイボーグものとか大好きでして、その趣味の延長線上にドールさんがいる感じです。書いたり読んだりしない日は、この子の他にも何人かいるんですけど、パシャパシャ写真撮って遊んだりカスタムしたりしてますね」
「こんなパソコンになるドールさんもいるんですね」
「これはシマートドールというブランドのドールさんで、この子はスティックパソコンを組み込めるようになってるんです。可愛いでしょ? あと写真お渡ししてると思うんですけど」
「これですね……! このお写真は見た時最高に嬉しかったです……!」
(空架虚無に髪型・服装・表情を寄せたドールさんの写真)
「きょむちゃんキャラドを作ってみたんですけど、どうでしょうか?」
「いやこれ再現度すごいですよ。ドールさんの可能性無限大じゃないですか……! かわいい……! これ関節動いたりするんですか? すごい……」
「全身フル可動です。個人でドールさんの内骨格作ってらっしゃる方のパーツ入れてるので、公式の内骨格よりめちゃめちゃ自由に動きます。こだわりのドールワールドです」
「しゅんごい……でもお高いんでしょう?」
「はい! なんと一体にかかってるお金はモニョモニョ円近いです!」
「目玉飛び出しきょむ! そんなするんですかこの子たち!」
「ドール本体がモニョモニョ円、アイ……つまり眼球がモニョモニョ円、ウィッグがモニョモニョ円、服がモニョモニョ円、靴がモニョモニョ円、内骨格がモニョモニョ円……」
「ひいいモニョモニョ円の連打怖すぎる! ストップ! ストップ花森先生!」
「楽しい趣味でしょ? 原稿料の逃げていく先はだいたいこの子らの服とか靴とかです」
「すごいですね……『でもお高いんでしょう?』っていうテレビ通販のセリフに『はい!』って答える人初めてです……」
「公式や個人勢の自家通販から買ってるのでこういう値段なんです。でもこういうのはフリマアプリとかで買っちゃダメですよ。リキャストとか転売とかザラですから。滅びよ転売屋」
「滅びよ転売屋。心に刻みたい言葉ですね」
「そう。フリマアプリでリキャスト品、つまり本家の出してるドールを型取りして作ったドール買わされて騙されてるひといっぱいいますから。滅びよ転売屋」
「……ドールさんのお話が白熱してしまったんですけど、質問のコーナー行っていいでしょうか」
「ああごめんなさい。答えますよ、質問どんとこいです」
「まずは、『デビュー作が架空児童書というのは本当ですか? もしそうだったらどんな本か教えてください』という質問……えぇ?! デビュー作が架空児童書?! 花森先生が?!」
「そうです。『なぞなぞ文庫』っていう新書判の架空児童文学レーベルから、『ねえ、かくれんぼしようよ』という作品でデビューしたんですけど、怖すぎてお子さんたちが眠れなくなったとかご飯食べられなくなったとかクレームがバンバンきて二巻までしか出ませんでした。それをたまたま、架空ラノベ系の編集者さんが読んでくださって、架空ラノベに転向しました。内容は、夕暮れの学校でかくれんぼして遊んでいた小学生が、学校が認識されていないときに学校はどこにあるのか? という疑問をもって、『認識されていない世界』に吸い込まれてしまうお話でした。今思うとあれにゴーサイン出したなぞなぞ文庫の編集者は愉快です」
「うひゃあ……想像するだに暗黒……」
「なぞなぞ文庫自体児童向けホラーとか児童向けミステリとか推してるレーベルだったんですけど、そのなぞなぞ文庫が好きなお子さんすら泣き出す作品だったみたいです。でも今でもときどきツイッターでこの本を探して読んでくださる方のツイートを見かけますね」
「うう……しんどきょむ……それでは次の質問です。『花森先生の作品をずっと読んでいますが、最新作『天才少女かく戦えり』でSFから現実にシフトした理由が知りたいです』という質問です。それはきょむも気になります」
「あー、よく聞かれます。昔『フライング・ヒューマノイドの恋』とか『あなたと永遠に』とか、その手の作品書いてましたもんね。あれは本当にいろいろこじらせていたので。SFって書いててすごく面白いんですけど、やっぱり架空ライトノベルではそんなにウケるジャンルではないので……『あなたと、最後のランチを』とか、個人的にはメチャメチャ気に入っていたんですけど、やっぱりどうしても売れ行きという問題が大きかったですね」
「これまたしんどきょむ……でも『あなたと、最後のランチを』好きでした……すっごい暗黒だった記憶が」
「きょむちゃん、そういう歳のバレるコメントで夢を壊さないで……」
「きょむの年齢は禁則事項ょむなので……」
「あっお約束のやつ聞けた……。しかもちょっと変則バージョンで」
「では次の質問です。『天才少女かく戦えり』についてですね。『一巻で完結しているそうですが、続きが読みたいです! 続きが読めないならせめて律花と明治がどうなるかだけでも!』という質問です。これはどうなんでしょうか」
「律花と明治のその後、ですか……たぶん、中学生と高校生なので、付き合ったとしても結構あっさりサヨナラしちゃうんじゃないですかね」
「うわっ身も蓋もないやつ! 容赦ない! さすが花森先生!」
「でも実際そうじゃないですか? 最初は熱に浮かされても中学生と高校生が結婚まで添い遂げるのはなかなかないと思いますよ。恋愛ってそんなもんじゃないですか?」
「うわあ……すっごい暗黒……では、気を取り直してセリフ朗読のコーナーです! 今回は『天才少女かく戦えり』の143ページ、律花がEスポーツの大会に出ることを決めるシーンを、わたしが律花、花森先生が明治を読みます!」
「よし……オホン!」
◇◇◇◇
「アキハル。わたし、勝ちたい。勝って、みんなに強い、って言われたい」
「できるさ。律花ならできる。勝って最強になれる。そのために、俺は頑張るんだ」
「アキハル、でも……どうすれば勝てる? どこにいけば勝てる?」
「それは――俺にはよく、分からないけど。でも、きっとできるんだよ。俺たちには。まあ、任せとけって。なんとかなるから」
◇◇◇◇
「はあ……緊張きょむ……」
「おおお虚無ちゃんの声かわいい……! ふだんの配信見てるともうちょっと大人っぽいかなって思ったんですけど、違和感ない……!」
「いえいえ……モニョモニョ歳に差し掛かってますから……」
「虚無ちゃん自分からバラシに行ったね?!」
「では、今後の予定など、差し支えない程度に教えていただければ幸いです!」
「はい。えーとですね、架空映画の脚本に挑戦してます」
「むきょっ?! どんな架空映画ですか?! 気になる!」
「そこはとりあえず伏せとけと言われてるんですけど、まあ僕の作風そのままですね……あと、架空ラノベのほうでも新しいものを書くのが決定してます。ていうか虚無ちゃん驚くと『むきょっ?!』って出るんですか。新しい一面を見てしまった」
「とにかく期待して待ちます! 映画かあ……主人公は億の男になれますか?」
「億の男っていうか実写映画なので……あと女の子が主人公です。それも大々的に全国ロードショー! みたいなやつじゃなくて、ひっそり小さな劇場でやる感じですね。でも観てもらえたら嬉しいです。あと某架空ソシャゲの正月イベントのシナリオも書いてます。こっちも伏せとけと言われてますが、まあ僕の作風そのまんまですね」
「暗黒コンテンツが増殖している……」
「#暗黒ラノベはいいぞ。これ僕のハッシュタグです」
「(笑)それでは今回はここまでです! 花森先生ありがとうございました! きょむなら!」
「きょむなら~」
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