「エーテル少女かすみ」 ダダダ文庫

 おはきょむ! なんと今年も残すところ二日となってしまいました! 一年メチャメチャあっという間だった……! 早くお餅とハーゲンダッツ買いに行かなきゃ。商店街の福引券も貯めたので回さねば。それでは今年最後の配信です! きょうはこれです!


「エーテル少女かすみ」著・中野淡 イラスト・みろみろ ダダダ文庫


 ◇◇◇◇

 エーテル少女かすみ あらすじ

 クラスで影が薄すぎることを気にしている高校生男子、佐藤健太。ある日健太のクラスに、健太以上に影の薄い少女・矢田かすみが転校してくる。かすみは存在感が薄く、健太以外にはほとんど認識されていないという状態。存在感の薄さを心配して、健太はかすみにいろいろ世話を焼くが、実はかすみは近くの病院から飛ばされている生霊だった!

◇◇◇◇


 一見してラブコメ、というかギャグっぽいんですけど、すごく真剣に、かすみちゃんの「学びたい、生きたい」という意思を描いた作品です。


 かすみちゃんは幼いころからずっと病院にいる病弱な女の子で、でも中学校までの院内学級で満足できずに高校生になりたいと思うんですけど、その思いが強すぎて生霊を飛ばしてしまうわけです。かすみちゃんは生霊として体を離れている間だけ、ほかの高校生のように走ったり歌ったりできるわけです。かすみちゃんには知りたいことがたくさんあります。勉強したい、たくさんのことを知りたい、ほかの同い年の仲間のように青春を楽しみたい。こんな尊い感情ってあります? 泣きますよきょむは。さいきん涙腺が弱いので。


 そんなかすみちゃんと健太の恋愛が描かれていて、健太はかすみちゃんといつか本当に逢いたい、と願うのですが、それは病院の家族以外見舞いにいけないというルールに妨害されてしまいます。かすみちゃんは最初、病気が治ることはないと思っていて、そんなに長くは生きられないということも考えていたのですが、生霊になって健太と遊ぶうちに、健康になりたい、もっと生きたいという感情が湧いてきます。きょむはこのくだりでめちょめちょに泣きました。


 なんでしょうね、かすみちゃんと健太の関係、尊みがすごくて、末永く生きろ……と思います。しかしかすみちゃんがうっすら透けた顔で微笑むシーンの挿絵、本当にうっすら背景が透けてて、ただの感動ポルノではないという姿勢が好ましいです。


 ラブコメでないなら感動ポルノか、と思うかもしれませんが、全く感動の安売りというか感動の消費ではないんですよね。すごくリアルな青春と、生きる、ということの物語です。


 最後の挿絵の透けてないかすみちゃんを見てすっごい泣きました。例によって電車の中で読んでしまって怪しいひとをまたやってしまいました……。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 秋から始めた配信活動ですが、とても楽しいので来年もがんばります! たぶん! それではみなさん、よいお年を!

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