「僕はあの子の存在理由」 SA文庫
おはきょむ! 冬になったら朝起きるのがのきなみつらくなりました。永遠にお布団のなかにいたい! 入団したい! お布団とはまさにソウルメイト……!
きょうも架空ラノベ紹介していきます! きょうは「この架空ラノベがステキ2021」ランキング四位のこれです!
「僕はあの子の存在理由」著・基住矢 イラスト・ななみー SA文庫
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僕はあの子の存在理由 あらすじ
特になんの取り柄もない男子高校生・元木草一。彼はある日突然、テニス一筋のはずのスポーツ少女・兎原未来に声をかけられる。未来は怪我をしてテニスを諦めざるを得なくなり、自分の存在理由を求めて苦しんでいた。草一は未来の存在理由になるべく、未来と付き合い始める。しかし未来と草一の間には大きな断絶があり……。
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重たいテーマをとてもさわやかに描いたよい作品だと思います。人と人は理解し合えるのか、という深いところを丁寧に描いているのが好印象です。それから草一の葛藤がたっぷり描かれているのもただのラブコメではなくてとても好きなところです。
未来ちゃんは草一に「あたしの存在理由になってよ」と声をかけます。未来ちゃんは小さいころからテニス一筋で、誰かを好きになったことがありません。たまたま隣の席の草一に消しゴムを拾ってもらった、というのが、草一を「存在理由」として求めた動機です。
でも未来ちゃんはテニスしかしてこなかったので、草一にとって当たり前の「読書」とか「映画鑑賞」みたいな普通のことができません。草一から借りたマンガを「分けてある絵本」と表現するくらい、世の中のことに疎いです。ファッションセンスもほぼ壊滅しています。
そんな未来ちゃんと草一の、もどかしいやりとりが続くのですが、次第に互いを理解しあっていく様子がすごく青春って感じがしてたまりません。二人で喫茶店に行ってコーヒーを飲むシーンの、未来ちゃんのコーヒーへの反応がとても面白いです。スポーツ一筋すぎてコーヒーすらちゃんと飲んだことがないという展開にはびっくりしました。
それからさらにいいのが草一の妹の木花ちゃんです。少女漫画大好き恋愛ドラマ大好きのませた中学生で、基本的にカタブツの草一に的確にアドバイスをするのですが、そのミッション実行の結果を聞かされたときの草一への反応がまさしく恋愛脳という感じで面白いです。
草一と木花ちゃんは結構壮絶な過去を持っていたりするんですけど、現状幸せそうに暮らしているのがなんとなく安心できます。それからあんまり本筋と関係ないんですけど、草一と木花ちゃんの保護者の和恵おばちゃんのずぼら家事、めちゃめちゃ参考になります……。
草一の文芸部の後輩の木積くんもいいんですよねー。世の中を完全にナメてるまぶしい十代って感じで。作中で草一が木積くんに紹介された薬草摘みのアルバイト、ちょっと興味あります。
それでは恒例のスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)
それではまた次回! きょむなら!
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