「猫です。飼い主が変態です。」 ぬべろんちょ文庫

 おはきょむ! スーパーで銀杏を見つけて嬉しくなって買ってたくさん食べたら胃もたれしてしんどいです。あれって茶碗蒸しに一個とか二個とか入ってるからおいしいんですね……。


 きょうも架空ラノベ紹介いってみます!


 きょうはこれです!


「猫です。飼い主が変態です。」著・吹雪都丸 イラスト・光号岩昭 ぬべろんちょ文庫


 ◇◇◇◇

 猫です。飼い主が変態です。 あらすじ

 眉毛のない若者に突然拾われた捨て猫・ヴァン。拾ったのはアマチュアV系バンド・ムニツィオーネの女形ギターの少年「綺羅未必」こと吉田高志であった。高志はいつか本物のギタリストになりたいと願っていたが、親は高志を医大に入れようとしていた。高志は自由な人生を送れるのか? 猫の目線から見た少年の戦いが始まる!

 ◇◇◇◇


 これまたドストレートなお話です。高志くんはバンドの仲間と楽しく頑張っていつかプロになることを目指しているのですが、高志くんのお父さんはお医者さんで、高志くんに医院を継いでもらいたいと考えています。そして親子はぶつかり合い、たくさんトラブルが起きます。


 その様子を、猫のヴァン……高志くんがつけた名前で、もちろん元ネタはヴァン・ヘイレンなわけですが、ヴァンの目線で描いたお話です。


 面白いのはヴァンが拾ってもらった恩義をまっっっったく感じていないことで、高志くんがギターの練習をこっそりヘッドホンをつけてするのを見ながら、「どっからどう考えても、ヴィジュアルバンドで一山あてるより医者になったほうが安定してると思うんだけど」と考えたり、通販で買った衣装やウィッグをつけて化粧してるのを見て「うわっこれまたひどいな、こりゃ女形というよりオバケだ」とか考えたりします。全体的に辛辣です。


 高志くんはバンドの仲間たちが底辺の高校にいて、自分ひとりだけ親の意見で進学校に進んでしまい、学校で眉毛がないのが自分ひとりという暮らしをしています。クラスでは当然浮いていて、そのフラストレーションを作詞にぶつける様子を、ヴァンが「孤独だなあ……」となに様目線で見ていたり、高志くんが愚痴るのを「わかりみ……」と聞いていたりします。


 あくまで猫のヴァン目線なので、学校の様子やライブの様子は分からないのですが、高志くんがヴァンに話しかける様子でそれらを察することができます。


 最終盤、お父さんと高志くんが衝突して殴り合いになるあたりで、高志くんの本音がようやくお父さんに伝わるんですけど、お父さんがそれを理解してくれた上で医者になれというシーンの寂しさたるや。高志くんの「夢」と、お父さんの言う「現実」のぶつかり合いがとてもリアルな作品でした。最後はまさかの落としどころなのもびっくりしました。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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